お米より先に魚や肉などを食べると血糖値が抑制される!?|関西電力医学研究所【論文・エビデンス】


健康・美容チェック > 糖尿病 > 血糖値 > お米より先に魚や肉などを食べると血糖値が抑制される!?




■お米より先に魚や肉などを食べると血糖値が抑制される!?|関西電力医学研究所

今日のランチはにしんの開き。#lunch

by T M(画像:Creative Commons)

米より先に魚・肉…食べる順番で血糖値抑制 関電医学研

(2016/1/4、朝日新聞デジタル)

米飯の前に魚や肉を食べると、血糖値の急上昇が抑えられることが関西電力医学研究所(神戸市)の研究でわかった。

関西電力医学研究所によれば、お米よりも前に魚や肉を食べると、血糖値の急上昇が抑制されるそうです。

魚料理(サバの水煮)や肉料理(牛肉の網焼き)を米飯に先んじて喫食することで食後の血糖上昇が有意に抑制
魚料理(サバの水煮)や肉料理(牛肉の網焼き)を米飯に先んじて喫食することで食後の血糖上昇が有意に抑制

参考画像:米飯の前に魚料理や肉料理をとる「食べる順番」がインクレチンを介して食後の血糖上昇を改善:糖尿病の予防や治療に活かせる食事療法の新展開(2015/12/23、関西電力医学研究所)|スクリーンショット

米飯の前に魚料理や肉料理をとる「食べる順番」がインクレチンを介して食後の血糖上昇を改善:糖尿病の予防や治療に活かせる食事療法の新展開

(2015/12/23、関西電力医学研究所)

2 型糖尿病患者と健常者に対して、クロスオーバー試験を行い、魚料理(サバの水煮)や肉料理(牛肉の網焼き;エネルギーと栄養素比率はサバの水煮と同等)を米飯に先んじて摂取する「食べる順番」により、食後の血糖上昇を著しく抑制することを明らかにしました(図1)。このような「食べる順番」により、GLP-1 分泌が促進され、その結果、胃の動きがゆるやかになるため、胃で分解された米飯が小腸に移動して吸収されるまでの時間(胃排出時間)が 2 倍以上延長することを見出しました。

関西電力医学研究所の研究グループは、、お米よりも前に魚や肉を食べるという「食べる順番」により、胃の動きがゆるやかになり、食後の血糖上昇が抑制することを明らかにしました。

また、食べる順番により糖尿病の予防や治療で注目されているインクレチン(GLP-1、GIP)の分泌を促進し、その結果、胃の運動が緩やかになるため、胃で分解された米飯が小腸に移動して吸収されるまでの時間(胃排出時間)が 2 倍以上延長することもわかりました。

インクレチンは食事中に含まれるさまざまな栄養素に応答して消化管から分泌され、インスリンの分泌を促進するホルモンで GIP と GLP-1 が知られています。食事を食べた後に分泌されるインスリンの約 7 割が GIP と GLP-1 に依存することから食後血糖の調節に対してインクレチンが担う役割は大きいです。さらに GLP-1 は、血糖を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑えたり、胃の動きをゆるやかにすることで食後の血糖上昇を抑制することが知られており、近年、インクレチン分泌を標的とした食事療法に関心が高まっています。

進歩する糖尿病治療 インスリン分泌を保たせるによれば、インクレチンは炭水化物や脂質を摂取した後に腸から分泌されるホルモンの総称で、代表的なインクレチンとしては、GLP-1とGIPの二種類が知られています。

GLP-1は、主に小腸下部から分泌され、膵臓におけるインスリン分泌の促進と血糖値を上げるグルカゴン分泌の抑制をする作用を持っています。

GIPは小腸上部から分泌され、同じような作用を持ちますが、インスリン分泌作用はGLP-1の方が数倍強いとされています。




■炭水化物(糖質)とたんぱく質の血糖に変わる割合と速度

糖尿病の食|循環器病研究センター

たんぱく質は体の中でアミノ酸に分解され、それが筋肉などをつくる材料になります。アミノ酸からは、脂肪酸と糖とグリセロールがつくられます。

ですから、たんぱく質を摂取すると、時間を経て糖がつくられ、エネルギーができます。しかし、食後に血糖を上げることはありません。

炭水化物(糖質)とたんぱく質の血糖に変わる割合と速度について、簡単にまとめます。

●炭水化物(糖質)

  • 100%が糖に変換される
  • 食後の血糖を上昇させる(たんぱく質や脂質に比べて、最も早く血糖に変わる)

●たんぱく質

  • 一部が糖に変換される
  • しばらく(数時間から半日)たってから糖に変換される

つまり、炭水化物(糖質)が、最も血糖値に影響を与え、最も早く血糖に変わるということです。

■まとめ

今回の記事では、食べる順番を変えることによって、血糖値を抑制できることはわかりましたが、残念ながら、今回の研究では、「食べる順番」により、なぜGLP-1やGIPの分泌が促進されるのか、胃運動がゆるやかになるのかについてはわかりませんでした。

ただ、同じ食事(種類・量)であっても、食べ方で血糖値の急上昇を防ぐことができるというのは大事な発見です。

また、血糖値を下げる方法|たけしの家庭の医学によれば、食物繊維の多い野菜から先に食べることで、糖分が食物繊維に絡まり、通常よりゆっくりと吸収されるため、食後の血糖値の上昇を抑えることができるそうです。

糖尿病予防が気になる方は、食べる順番を変えてみてはいかがでしょうか。




→ 血糖値を下げる食べ物・食事|血糖値が高い原因 について詳しくはこちら




【参考リンク(論文・エビデンス)】

【関連記事】

糖尿病関連ワード

糖尿病の症状・初期症状

糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c)

糖尿病を予防する方法

糖尿病危険度チェック

糖尿病の原因

糖尿病の検査

糖尿病の合併症

糖尿病の食事

糖尿病の運動療法

血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品