お酒飲むほど乳がん高リスク|閉経後の女性が1週間に日本酒換算で7合以上飲むと、発症率は全く飲まない人の1.74倍


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■お酒飲むほど乳がん高リスク|閉経後の女性が1週間に日本酒換算で7合以上飲むと、発症率は全く飲まない人の1.74倍

Santa Beer

by Mark Mitchell(画像:Creative Commons)

お酒飲むほど乳がん高リスク 50歳前後の閉経後女性

(2009/10/6、産経新聞)

酒を多く飲む女性ほど乳がんになりやすい傾向にあることを、愛知県がんセンター研究所疫学・予防部の川瀬孝和主任研究員らが確かめた。

閉経後の女性では、1週間に日本酒換算で7合以上飲んでいると、発症率は全く飲まない人の1・74倍だった。

愛知県がんセンター研究所疫学・予防部の川瀬孝和主任研究員らによれば、酒を多く飲む女性ほど乳がんになりやすい傾向にあることがわかったそうです。

また、閉経後の女性では、1週間に日本酒換算で7合以上飲んでいると、発症率は全く飲まない人の1.74倍だったそうです。

<乳がん>飲酒量多い女性は注意を 厚労省調査(2009/12/25)によれば、毎日ビール大瓶を1本以上飲むような飲酒量の多い女性は乳がんになりやすいそうです。

飲酒と乳がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

飲酒量が多い、つまり「エタノ-ル換算で週150gより多く飲酒」するグル-プでは、「飲んだことがない」グル-プに比べて、乳がんリスクが1.75倍(約75%)高いことがわかりました(図1)。

<中略>

対象者を閉経前と閉経後に分けて調べたところ、閉経前では、飲んだことのないグループと比べて、飲酒量の最も多いグループで1.78倍の乳がんリスク上昇が統計的有意に認められました。閉経後では、グループごとのリスクの高さは明確ではありませんでしたが、飲酒量が増えるにつれて統計学的に有意なリスク上昇の傾向が認められました。

国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、飲酒量が多い(エタノール換算で週150gより多く飲酒)グループは、飲んだことがないグループに比べて、乳がんリスクが高くなることがわかっています。

また、閉経前、閉経後にかかわらず、飲酒によって乳がんリスクが高くなることも分かっています。

飲酒はがんの原因なのか?|肝臓がん・大腸がん・食道がん・乳癌(閉経後)・口腔がんのリスクが高くなるによれば、国際的な評価では、アルコールが直接触れる消化管(口腔・咽頭・喉頭・食道)、アルコールを代謝する肝臓、そして女性ホルモンの影響が大きい乳房のがん、大腸がんのリスクが確実に高くなるとされています。

ただ、欧米の研究では飲酒によって乳がんリスクは確実に高くなるという結果が出ていますが、日本人の女性の場合には科学的根拠が不十分という理由で飲酒と乳がんとの関係に結論は出ていません。

飲酒と乳がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

日本人女性の乳がんに飲酒がどの程度影響しているのかはわかっていません。

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飲酒によってなぜ乳がんリスクが高くなるのでしょうか?

飲酒と乳がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

生物学的機序として、お酒に含まれているエタノールが分解されてできるアセトアルデヒドがもつ発がん性、アセトアルデヒドによるDNA合成・修復に必要とされている葉酸の破壊、また、アルコールによる乳がんリスク要因である女性ホルモンなどへ影響、などの可能性があげられますが、はっきりとわかっておらず今後の研究が必要とされています。

国立がん研究センターによれば、アセトアルデヒドの持つ発がん性やアセトアルデヒドによる葉酸の破壊、アルコールによる女性ホルモンの影響など乳がんリスクを高くする理由として挙げられていますが、はっきりとはわかっていないのが現状なのだそうです。

■まとめ

日本人女性への飲酒による乳がんリスクの影響についてははっきりとはわかっていないものの、欧米の研究では飲酒によって乳がんリスクは確実に高くなるという結果が出ていますので、乳がんを予防するためにも、大酒を控えるようにしてくださいね。

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