尿の代謝物で乳がん・大腸がんを識別する世界初の技術開発|日立・住商ファーマ


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■尿の代謝物で乳がん・大腸がんを識別する世界初の技術開発

Urinalysis (9)

by Mike Cerrillo(画像:Creative Commons)

尿中の代謝物で健常者・乳がん患者・大腸がん患者を識別 - 日立らが開発したがん診断技術とは

(2016/6/15、マイナビニュース)

日立と住商ファーマはまず、健常者、乳がん患者、大腸がん患者の市販の尿検体各15検体を対象に、液体クロマトグラフ/質量分析計による4つの手法を組み合わせた尿代謝物の網羅的な解析を行った。代謝物の水溶性や脂溶性の違いに着目して測定条件を最適化することで、それぞれの尿検体から1325種の代謝物を検出。さらに検出されたピークをデータベースと照合することで、代謝物名やその量を特定し、がん患者の尿で増減する代謝物をバイオマーカーとしてリストアップした。

この結果、数百種の代謝物が、乳がん、大腸がんで健常者と比べて増加または減少していることが明らかになった。

がん診断、尿一滴で判別成功|線虫の習性を活用-九大など(2015/3/12)では、体長1ミリほどの線虫を使い、がんの有無を1滴の尿から高い精度で判別することに成功したことが以前話題になりましたが、日立製作所、住商ファーマインターナショナル、住友商事は、尿の中の代謝物の網羅的な解析により、健常者と乳がん患者および大腸がん患者の尿検体を識別する基礎技術の開発に成功したと発表しました。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 乳がん について詳しくはこちら

【参考リンク】

尿検体を用いたがん検査に関する実証試験を開始 約6ヶ月間の実証試験を行い、尿中代謝物によるがん検査の実用化に向けた研究を加速

(2018/4/16、日立製作所)

日立は尿検体を用いたがん検査の実用化に向けた実証試験を2018年4月より開始するそうです。




■がんを診断する検査方法

膵臓がんを早期発見できる検査キットを開発|国立がん研究センター(2015/11/9)によれば、国立がん研究センター研究所の本田一文ユニット長らは、膵臓がんを早期に検出できる血液中のたんぱく質「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」を見つけ、検査キットを開発したと発表しました。

ごくわずかな血液で大腸がんを発見する検査方法を開発-国立がん研究センター(2014/5/1)によれば、国立がん研究センターの分子細胞治療研究分野の落谷孝広分野長らのグループは、ごく僅かな血液から大腸がんを発見する検査方法を開発したそうです。

血液1滴でがん診断 3分以内で診断できる 神戸の企業共同開発(2015/6/17)によれば、神戸の企業と昭和大学江東豊洲病院などのグループは、血液中のがんに関連する物質(がんが免疫に攻撃されたときに血液中に溶け出る「ヌクレオソーム」という物質)が放つ光をとらえ、がんの有無を診断する手法を世界で初めて開発したそうです。

血液1滴でがんの早期診断|2015年夏、乳がんと大腸がんの早期診断の試みを始めるによれば、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が国立がん研究センターや東レ、東芝など9機関と共同で実施している「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」プロジェクトでは、血液一滴または尿や唾液からがんを早期診断する技術を2018年末までに開発することを目指しているそうです。

■まとめ

現在がん診断に関しては、「血液」「尿」「唾液」「呼気」から診断する研究が行われていますが、尿による診断だと肉体的負担がないので注目ですね。

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