うどん(udon)

<香川県>糖尿病による死亡者数ワースト3位|炭水化物(うどん)の重ね食べ・早食いなど県民の食習慣が原因?


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■<香川県>糖尿病による死亡者数ワースト3位

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糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”

(2016/11/14、産経WEST)

“うどん県”をアピールする香川県は、糖尿病による死亡者数が全国3位、患者数を示す受療率は同2位と“糖尿病ワースト県”としても知られる。糖尿病は肥満や食べ過ぎ、運動不足などが主な原因とされるが、国の調査によると香川県の場合、肥満度を示す体格指数BMIは全国8位、塩の摂取量は34位、1日の歩数は27位(いずれも男性)と突出して悪いわけではない。

香川県はBMIは全国8位、塩の摂取量は34位、1日の歩数は27位(いずれも男性)とそのほかの都道府県と比べて生活習慣が特に悪いというわけではないにもかかわらず、なぜ糖尿病による死亡者数が全国3位、患者数を示す受療率は全国2位というような結果になっているのでしょうか?




■炭水化物の重ね食べ

糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”

(2016/11/14、産経WEST)

大阪府が今年8月に発表した「大阪版健康・栄養調査」によると、「米・パンと麺(めん)類や粉もんを一緒にどのくらい食べているか」という問いに対し、男性は約27%、女性は約26%が1日1食以上、重ね食べをすると回答。4人に1人が「お好み焼きとご飯」など主食の重ね食べをし、BMIが高い人ほど、その傾向が強いことが明らかになった。

<大阪の食文化>粉もん+ごはんを食べる頻度はやせている人より太っている人の方が高いによれば、米・パンと麺類や「粉もん」を一緒に食べる頻度は、男性の約6割、女性の約半数が週1食以上で、男女とも4人に1人が1日1食以上と答えており、週1食以上の割合を肥満度を示す体格指数(BMI)別でみると、肥満の人は63.9%で、普通(51.6%)、やせ(44.6%)の人より高かったそうです。

炭水化物(糖質)とたんぱく質の血糖に変わる割合と速度について、簡単にまとめます。

糖尿病の食|循環器病研究センター

たんぱく質は体の中でアミノ酸に分解され、それが筋肉などをつくる材料になります。アミノ酸からは、脂肪酸と糖とグリセロールがつくられます。

ですから、たんぱく質を摂取すると、時間を経て糖がつくられ、エネルギーができます。しかし、食後に血糖を上げることはありません。

●炭水化物(糖質)

  • 100%が糖に変換される
  • 食後の血糖を上昇させる(たんぱく質や脂質に比べて、最も早く血糖に変わる)

●たんぱく質

  • 一部が糖に変換される
  • しばらく(数時間から半日)たってから糖に変換される

つまり、炭水化物(糖質)が、最も血糖値に影響を与え、最も早く血糖に変わるということです。

香川県で有名なうどんのトッピングとして、おにぎりやいなりずしを選ぶ「炭水化物の重ね食べ」が血糖値の上昇に関係しているかもしれません。

しかし、大阪府の糖尿病死亡率は33位、受療率は20位と、香川県とは隔たりがある。

「炭水化物の重ね食べ」も原因のひとつかもしれませんが、大阪府の数値と比べると隔たりがあるため、それだけが原因とは言い切れないようです。

■香川県独自の食習慣(炭水化物の過剰摂取・早食い)

糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”

(2016/11/14、産経WEST)

別の統計ではうどんの県別消費量が全国平均の2倍以上というデータもある。

<中略>

さらに、うどんは麺を豪快にすすり、そののどごしを楽しむのが通の食べ方。どんぶりの中のうどんは一気になくなり、結果的に早食いとなる。しかも副菜を取らないため、空腹にいきなり炭水化物を摂取することになり、食後の血糖値が急激に上がりインスリンが大量に分泌されるため、内臓脂肪がたまりやすいともいわれる。

#血糖値スパイク #グルコーススパイク が危ない!~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~|#NHKスペシャルによれば、糖分が「大量に」かつ「いっぺんに」体内に吸収されると、“血糖値スパイク(ジェットコースターのように血糖値が急上昇及び急降下すること)”が起きやすくなってしまいますが、うどんで副菜をとらない食習慣の場合、うどんという炭水化物を大量にいっぺんにかきこむ食べ方をすると、急激に食後の血糖値が上昇してしまいます。

また、うどんは麺をすすってのどごしを味わうことが魅力のひとつですが、結果的に早食いにつながり、満腹感を味わうことや健康の視点から考えると問題があります。

早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍|岡山大が学生追跡調査によれば、肥満でなかった人も、早食いを続けるうちに肥満になっていくということが確認されたそうで、早食いの人と早食いでない人を比較すると、早食いの人は肥満になるリスクが4.4倍もあるそうです。

満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすい|大阪大によれば、大阪大の磯博康酸の研究チームによれば、満腹になるまで早食いをする人は、そうでない人に比べ3倍、太り過ぎになりやすいそうです。

女子栄養大学のダイエット術|世界一受けたい授業によれば、よく噛むと満腹中枢が刺激され、噛む行為が脳内のヒスタミン神経系に作用し、内臓脂肪が燃焼することが明らかになっているそうです。

【関連記事】

ヒスチジンを含む食品をよく噛んで脳内ヒスタミンを増やし食欲を抑える|ためしてガッテン(NHK)

噛むという刺激が咀嚼中枢を通って結節乳頭核という部分に届きます。

実はここがヒスタミンを作っているところ。

そうして、満腹中枢をヒスタミンが刺激するために、満腹感を感じるようになる。

また、ヒスタミンは、交感神経も刺激して、その信号は直接内臓脂肪まで届いて、内臓脂肪を減らしてもくれる。

つまり、噛むという行為自体が満腹感を高めてくれるということがわかった。

糖尿病を予防するために、血糖値の急上昇を防ぐためには、よく噛むことが必要ですので、うどんを食べる前に、副菜を食べるとよいかもしれません。

【関連記事】

■香川県の子供の約1割が糖尿病のリスクが高い

糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”

(2016/11/14、産経WEST)

香川県は小学生を対象に血液検査で糖尿病などの傾向を調査する「小児生活習慣病予防健診」を始めた。今年の結果によると、「将来糖尿病の発症リスクが高い子供」は男子14・5%、女子13・6%。「肥満傾向」は男子10・1%、女子8・4%。生活習慣との関連では、腹いっぱい食べる、早く食べると答えた児童に肥満傾向や脂質異常、肝機能の異状が多い傾向がみられた。

香川県の小4の血液検査で1割の子どもが肝機能、脂質、血糖値の異常値を示す(2015/8/4)によれば、香川県の小学4年生を対象に行なった血液検査において総コレステロールや、中性脂肪などの脂質が異常値となった子どもは男子10・2%、女子11・5%。高血糖状態が続いていることを示す「HbA1c」の高値は、男子12%、女子10・9%だったそうです。

香川県の調査によれば、検査値が異常だった子どもは、食べ過ぎ、早食い、ゲーム時間が長い、運動不足といった生活習慣が多かったそうです。

香川県全体が健康に向かうためには、子どもの食事内容を含めた食習慣の改善、運動する機会を増やして、生活習慣病を予防してほしいですね。

■まとめ

香川県が糖尿病対策に力、08年受療率全国ワースト1(2011/9/2)によれば、厚生労働省による2008年の調査で、糖尿病治療を受けている推定患者数を人口10万人あたりで示した「受療率」が、入院、外来を合わせ、初めて全国ワースト1となったことで、香川県は、医療機関での栄養相談や、野菜摂取量の増加、運動不足の解消につながる取り組みなど、病気の改善、予防に向けた対策に力を入れていました。

香川県の糖尿病死亡率が大幅に下がっている|厚生労働省の人口動態統計(2015/11/13)によれば、2013年、人口10万人あたり17・4人(全国ワースト2位)だったのが、14年には11・9人(同21位)と改善しています。

香川県での糖尿病対策によって改善の兆しが見えてきています。

少しずつ生活習慣を改善していくことで香川県が糖尿病ワースト県と呼ばれなくなる日も近いかもしれません。

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