老眼でメガネ・老眼鏡の掛け外しがわずらわしい方に朗報!液体レンズを使ったピントの自動調整スマートグラス|ユタ大学

老眼でメガネ・老眼鏡の掛け外しがわずらわしい方に朗報!液体レンズを使ったピントの自動調整スマートグラス|ユタ大学


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■液体レンズを使ったピントの自動調整スマートグラス

老眼でメガネ・老眼鏡の掛け外しがわずらわしい方に朗報!液体レンズを使ったピントの自動調整スマートグラス|ユタ大学
老眼でメガネ・老眼鏡の掛け外しがわずらわしい方に朗報!液体レンズを使ったピントの自動調整スマートグラス|ユタ大学

参考画像:Could This Pair of Eyeglasses Mean the End of Bifocals?|WSJ|YouTubeスクリーンショット

ユタ大学(University of Utah)Carlos Mastrangelo電気・コンピュータ工学教授と博士課程の学生Nazmul Hasanのチームの研究によれば、液体レンズを使った自動でピントを調整する「スマートグラス」を開発しました。

このスマートレンズは、ゴム状の柔軟性のある透明な2枚の膜の間にグリセリンを入れたレンズに、アクチェーター(エネルギーを物理的な運動へと変換する装置)を接続して、液体レンズの曲率を変えて、メガネの度数を調整するという仕組みです。

メガネの度数を調整するためには、メガネと物との距離を測定する必要がありますが、どのようにしてその距離を測るのでしょうか?

Could This Pair of Eyeglasses Mean the End of Bifocals?
Could This Pair of Eyeglasses Mean the End of Bifocals?

参考画像:Could This Pair of Eyeglasses Mean the End of Bifocals?|WSJ|YouTubeスクリーンショット

メガネフレームのブリッジ部分には、赤外光のパルスを介してメガネから物体までの距離を測定するセンサーがついていて、そのセンサーで距離を測り、アクチュエータにレンズを調整してピントを測ります。

Could This Pair of Eyeglasses Mean the End of Bifocals?




■まとめ

液体レンズというアイデアはこれまでにも提案されています。

Joshua Silver:ジョッシュ・シルバーによる度数調製型液体レンズ眼鏡のデモ(Jul 2009、TED Talk)

アドレンズ、“世界初”液体レンズで簡単に度数が調節できるメガネ

(2011/10/7、家電Watch)

レンズ内には、厚さがフレキシブルに変わる膜が備えられている。フレーム両脇のダイヤルを回すことでオイルが圧縮され、レンズの形状が変わり、度数が調節できるという。

ユタ大学が開発した「スマートグラス」における大事なポイントは自動でピントを調整するという点です。

老眼になると、近くを見るときには老眼鏡が必要ですが、遠くを見るときには老眼鏡を外すという手間がかかります。

自動でピントを調節する「スマートグラス」があれば、そうしたわずらわしさがなくなります。

この「スマートグラス」を小型化・軽量化することができれば、老眼鏡をつけたり外したりする動作を煩わしいと考えている人が購入を検討するのではないでしょうか?

→ 老眼 について詳しくはこちら







【参考リンク】

I CAN SEE CLEARLY NOWU ENGINEERS DEVELOP “SMART GLASSES” THAT AUTOMATICALLY FOCUSES ON WHAT WEARER SEES.

(2017/1/24、UNews)

So Mastrangelo and Hasan have created eyeglass lenses made of glycerin, a thick colorless liquid enclosed by flexible rubber-like membranes in the front and back.The rear membrane in each lens is connected to a series of three mechanical actuators that push the membrane back and forth like a transparent piston, changing the curvature of the liquid lens and therefore the focal length between the lens and the eye.

In the bridge of the glasses is a distance meter that measures the distance from the glasses to an object via pulses of infrared light.When the wearer looks at an object, the meter instantly measures the distance and tells the actuators how to curve the lenses.If the user then sees another object that’s closer, the distance meter readjusts and tells the actuators to reshape the lens for farsightedness.

【関連記事】

P.S.

落合陽一さんが「先端技術とメディア表現1 #FTMA15」のスライドでは、論文を読むときにフォーマットに従って読み進めるだけでその要旨がつかめる方法が紹介されています。

  1. どんなもの?
  2. 先行研究と比べてどこがすごい?
  3. 技術や手法のキモはどこ?
  4. どうやって有効だと検証した?
  5. 議論はある?
  6. 次に読むべき論文は?

このフォーマットは今回のユタ大学の研究を読む際にも役に立ちます。

  1. 液体レンズを使った自動でピントを調整する「スマートグラス」
  2. スマートレンズは、ゴム状の柔軟性のある透明な2枚の膜の間にグリセリンを入れたレンズに、アクチェーター(エネルギーを物理的な運動へと変換する装置)を接続して、液体レンズの曲率を変えて、メガネの度数を調整するという仕組み
  3. ポイントは、自動でピントを調整すること。メガネフレームのブリッジ部分には、赤外光のパルスを介してメガネから物体までの距離を測定するセンサーがついている。
  4. 製品のデモでチェック。
  5. 老眼鏡のかけ外しで悩んでいる人がどれくらいいて、買い替えるだけの需要があるか。
    小型化・軽量化・デザインの改善が必要。
  6. 次に読むべき論文は?

このアイデアがどのようなもので、これまでの研究に比べてどの点が優れているのか、その技術やアプローチのポイント、検証の仕方が有効か、疑問や気になる点、今後の可能性について考えていけば、さらに優れたアイデアにつながっていくはずです。

液体レンズを使った自動でピントを調整する「スマートグラス」に対する未来のライバルとしては、ズームイン/ズームアウトができるインプラント型のコンタクトレンズや眼内レンズが挙げられます。

ウインクでズームイン、最先端コンタクトレンズ開発中

(2015/2/14、AFPBB)

2013年に望遠コンタクトレンズの試作品を初めて発表したスイス連邦工科大学ローザンヌ校(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne、EPFL)のエリック・トランブリー(Eric Tremblay)氏によると、このコンタクトレンズは「低視力や高齢者に多い加齢黄斑変性(AMD)の治療に多くの可能性を秘めたもの」だという。当初の発表以来、望遠コンタクトレンズは改良が続けられている。

ウインクすることで拡大/縮小することができる超小型の望遠鏡を内蔵したコンタクトレンズが開発中なのだそうです。

メガネ型・コンタクトレンズ型・眼内レンズ型のどれが注目されるようになるのでしょうか?

それともいままでの発想になかったものが現れるのかどうか、期待です。

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