「白黒つける」時代に生き辛さを感じている方は「グレー」(あいまいさ・矛盾)という考え方を受け入れてみよう


ambiguity

by Lori Greig(画像:Creative Commons)




現在は何でも白黒つけたがる時代です。

「この人の生き方は正しい」「あの人の生き方は正しくない」

「白黒つける」といえばなんだかかっこいいイメージがあるからでしょうか、自分が考える正義や倫理観と違った行動をする人に対して、その考え方を否定することを良しとしているのが現代です。

ドラマ「カルテット」(TBS系)のために椎名林檎さんが書き下ろした主題歌「おとなの掟」の歌詞には「白黒付ける」「グレー」に関する歌詞があります。

【参考リンク】

しかし、自分だけの基準・価値観では成り立っていないもので、世界にはいろんな考えがあります。

だからこそグレーゾーンが生まれるのですが、今はなんでも白黒つけたがる時代です。

「白か、黒か」

「右か、左か」

しかし、実際は何でも白黒つけられるほど簡単なものではありません。

そもそも簡単に白黒つくようなものであれば、元々それ自体は問題ではなかったでしょう。

人によっては、「白黒つけすぎる時代」に対して息苦しさを感じている人もいるのではないでしょうか。

だからといって、「黒をすすめている」というわけではありません。

「グレーゾーン」という考え方を受け入れることによって、人はもっと楽に生きられると思うのです。

(自分から見て)黒の人もいる、そういう人の生き方がある、そういう人生しか選べなかった人もいたということを理解する、受け入れる。

そういう人たちの生き方全てを含めて世界ができていると思うのです。

自分自身の生き方を振り返ってみても、矛盾している行動をとってしまった経験はありませんか?

分かりやすい例が「嘘」です。

私たちは本質的には嘘を嫌いながら、嘘をついてしまいます。

嘘をつきたいわけじゃないけど、本当のことを言うと友達が傷つくかもしれないから嘘をついてしまったことはありませんか?

誰しもが人のためにやさしい嘘をついてしまったことはあると思います。

つまり、誰もが自分の中に矛盾した考えを持っているということであり、「グレーゾーン」を持っているのです。

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グレーゾーンやあいまいさというとよくないイメージを持っている人もいるかと思いますが、私たちの心には、「あいまいさ」・「矛盾」が備わっています。

どんなに論理的に考えても、私たちの心には「あいまいさ」や「矛盾」があるため、時にはなぜだか論理的な考えとは反する決断をしてしまうものです。

それは、私たちがこれまで見て読んで聞いてきた物語(神話や昔話、ことわざ)や自分自身が経験してきたのことを考えればわかりますよね。

曖昧さがあることによって、時にはどんな逆境の場面でも努力をしようと思えますし、苦しい時には自分を慰める逃げ道にもなってくれるのです。

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曖昧さに寛容であることは、疑いもなく創造力の大きな要因となっている。

なぜなら、想像のプロセスでは、明らかに矛盾したり食い違ったりする要素が共存していることが多いからである。

グレーを受け入れ、曖昧さを抱えている自分を楽しんでみましょう。

自分の中のグレーを楽しむことができれば、きっと世界のグラデーションをもっと楽しめるはずです。







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