インターネット歴史年表から「ブロックチェーン」の現在位置を考える!


Bitcoin Blockchain

by tcbe.ch ICT Cluster Bern(画像:Creative Commons)




■インターネット歴史年表から「ブロックチェーン」の現在位置を考える!

ブロックチェーンはどう進化するか?伊藤穣一氏らが予測する未来

(2017/8/9、technologyreview)

伊藤所長は、「インターネットは“The Stack”と呼ばれるように、プロトコルのレイヤーに分けて整理されている。それがインターネットの成功の基でもある」と話す。

伊藤穣一さんによれば、イーサネットが発明され、その上にTCP/IP、またその上にHTTP/HTML(Web)、さらにその上に暗号通信のプロトコルであるSSLというレイヤーが重なり、次にブロックチェーンというレイヤーが重なろうとしているのが今の段階なのだそうです。

※ブロックチェーンは「価値のインターネット」とも呼ばれています。

インターネット歴史年表を見るとわかりやすいので、この年表から大事なポイントだけを抜き出してみました。

インターネット歴史年表|JPNIC

1969 AT&Tのベル研究所によりUNIXが開発

UNIXからUUCPやTCP/IPなどインターネットで使われる大きな技術が生まれる

1969/10 ARPANET開始

現在のインターネットの起源とも言えるARPANETの運用開始

1970/12 NCP完成

ARPANET上でのコンピュータ同士の接続に利用するNCP (Network Control Program)が開発

1972 「開かれたネットワーク」の概念提唱

さまざまなインフラによる独立したネットワークを相互接続するために、エンド・ツー・エンドでのベストエフォートによるパケット通信を行うという「開かれたネットワーク」の概念が提唱され、この概念に基づきTCP/IPが開発される

1973/9 TCP/IPについて記述された最初の文書が公開

TCP/IPは、TCP (Transmission Control Protocol)とIP (Internet Protocol)という、2つの通信プロトコルを総称したもので、TCP/IPの登場により機器間で物理形態やOSが異なっていても相互に情報の交換が可能になると同時に、パケット通信を用いることで障害にも強いネットワークとなった

1980 イーサネット規格公開

1982/8 SMTPがRFC化

電子メールの配送プロトコルとして現在まで広く利用されるようになる、SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)がRFC821として標準化

1983/1/1 ARPANETでTCP/IPが標準プロトコルとして採用、IPv4アドレスが使われる

TCP/IPが標準プロトコルとして採用され、初めてIPv4アドレスが利用される

1983/6/23 DNSの誕生?

従来は、ネットワークに接続するコンピュータとIPアドレスの対応づけは、「hosts.txt」と呼ばれるテキストファイルで管理されていたが、ネットワークの拡大に伴い分散型データベースであるDNSによる管理へと移行が行われることになる

1983/11 DNSに関する一連のRFCが発表される

1989/3 HTMLの概念が初めて提案

1991/8/6 世界初のWEBサイト誕生

1993/7 HTMLバージョン1.0公開

1994/2 Yahoo!誕生

1994/4 Amazon.com誕生

1994/12 Netscape Navigator公開

1995 Internet Explorer登場

1997/9/15 Google検索登場

【参考リンク】

この歴史年表からわかることは、いきなりGoogleは生まれてこないということ、つまり、一足飛びにテクノロジーは生まれているわけではなくて、技術者の方たちが一般の人たちがどんなふうに使ってもきちんと使えるように(相互運用性/相互接続性)、通信プロトコルを作り上げて、わかりやすくいえば、土台をしっかりと作り上げているからこそ、インターネットの恩恵を得られているわけなのです。

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知の歴史全体の中でも目立つあるパターンを見ると、隣接可能性の跡をたどることができる。学者は今、それを「多重発生」と呼ぶ。世界のどこかの科学者や発明家に優れたアイデアが浮かび、本人がそれをひっさげて世に出ると、すでに三人の人物が、それぞれ別個に同じアイデアに達していたことがわかる。

科学者のスチュワート・カウフマンが呼んだ「隣接可能性(adjacent possible)」は、開けられないドアのようなもの。

どんなにすごい天才が未来のモノを想像したとしてもこのドアが開かなければ次の部屋には進めない、つまり発明・イノベーションは起こらないのです。

ブロックチェーンはいろんな人が興味を持つようになり、企業や政府がその実証実験を始めた段階であり、プロトコルを作っている最中なのです。

2020年以降に大きく影響をもたらす「5G」というテクノロジーについても調べているのですが、少しずつ実証実験を繰り返しながら、標準化に向けての規約策定を行なっていることがわかります。

【関連記事】

しかし、伊藤穣一さんによれば、プロトコルが標準化されてない段階にもかかわらず、ブロックチェーンはイーサネットが公開され、HTMLの概念が初めて提案された1980年代のレベルにも関わらず、1994年に生まれたAmazonを作り出そうとしているように見えるそうです。

ブロックチェーンはどう進化するか?伊藤穣一氏らが予測する未来

(2017/8/9、technologyreview)

まるで2000年頃のインターネットみたいに投資してるけど、プロトコルは1990年くらいのレベル。まだ足場が固まっていないのに、その上にいろいろ建ててしまっている」と現状を危惧する。

ブロックチェーン開発はマラソン、長期的利益を追え:伊藤穰一、松尾真一郎氏らが警鐘

(2017/8/10、Dididay)

伊藤譲一氏はこのセッションに先立ち、ブロックチェーンの発展をインターネットとのアナロジーで説明し「いまのブロックチェーンは1996年のインターネットほどは成熟しておらず、80年代のレベルにもかかわらず、Amazon.com(1994年〜)をつくろうとしている」と指摘した。

コインチェック580億円分の仮想通貨流出問題から学ぶこと|マルチシグとは?ホットウォレットとコールドウォレットの違い|債務トークンの発行・ハードフォークの可能性・セキュリティ対策・仮想通貨保険・DEXでは、コインチェック問題で多くの人が影響を受けましたが、誤解を恐れずに言えば、一度仮想通貨やブロックチェーンから過剰すぎた熱が冷めていくということは重要なのかもしれません。

なぜそんな風に考えたのかは次の文章がポイントです。

ブロックチェーン開発はマラソン、長期的利益を追え:伊藤穰一、松尾真一郎氏らが警鐘

(2017/8/10、Dididay)

伊藤氏は「(インターネットの黎明期では)あまり自分の損得考えない人たちが一生懸命考えてやってみたら(スケーラブルなインターネットが)できちゃった。

ブロックチェーンが次のレイヤーになるためには、インターネットの黎明期に出てきた人たちのように、損得を考えずに一生懸命考えるような人たちなのでしょう。

伊藤穣一さんによれば、アメリカにはAmana’s Lawと呼ばれる法則・ルールがあるそうです。

“We tend to overestimate the effect of a technology in the short run and underestimate the effect in the long run.”

“我々は、短期的には技術の効果を過大評価し、長期的にはその影響を過小評価する傾向がある”

ブロックチェーンは長期的にはその影響は大きいものになることが予想されるため、じっくりとその基盤となる技術の規約を作り上げることが重要であり、短期的な結果を求めるのは性急すぎるのではないかということではないでしょうか。

インターネットの歴史のように、歴史から学べることがたくさんあるので、仮想通貨やブロックチェーンに対してもうこりごりと思わずに、ここから勉強してみると面白くなってくると思います。







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