スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手はどのようなトレーニングを行なってきたの?|1枚の骨盤を左右別々に考えるという「ヒップロック」理論とは?




■スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手はどのようなトレーニングを行なってきたの?|1枚の骨盤を左右別々に考えるという「ヒップロック」理論とは?

【NHK】小平奈緒 日本女子初の金! スピードスケート女子500m<ピョンチャン>

スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手はどのようなトレーニングを行ってきたのでしょうか。

ピョンチャン五輪 極限への挑戦 スピードスケート 小平奈緒

(2018/2/8、NHK)

明らかになった肉体的なウイークポイント。カーブを回る時、骨盤が斜めに傾いていたのです。骨盤が傾くと、右足が浮いて氷から離れるため、氷を強く押すことができません。そこで、小平選手と結城コーチがたどりついたのは、ヒップロックという理論でした。1枚の骨盤を左右別々に考えるという、この理論。骨盤周辺の筋肉を片方ずつ意識して鍛えます。左右別々に骨盤をコントロールすることで、傾かないよう軸を安定させ、カーブでも氷を強く押せるというのです。

一方の足を固定し、もう片方の足だけを動かすトレーニング。骨盤周辺の筋肉を片方ずつ鍛え上げます。

10種類以上もある、骨盤に特化した地道なトレーニングを繰り返します。

小平選手は長野とトリノで3つの金メダルを獲得したオランダの英雄マリアンヌ・ティメルさんの指導を仰ぎ、前かがみ過ぎているフォームを指摘されます。

オランダで学んだことを下地に、最新のスポーツ科学・理論を取り入れ、究極のフォームの模索を始めます。

体に動作解析の装置を取り付け、フォームのどこに課題があるのかを調べたところ、小平選手はカーブを回る時に骨盤が斜めに傾くという弱点があり、それによって氷を強く押せないことがわかりました。

そこで、たどりついたのが、1枚の骨盤を左右別々に考えるという「ヒップロック」という理論です。

骨盤周辺の筋肉を片方ずつ鍛えるという10種類以上の骨盤に特化したトレーニングを行い、4年前のソチオリンピックと比較すると、上体が上がり頭の位置が高くなったフォームを築き上げていったそうです。

羽生結弦選手、金メダルでオリンピック連覇達成!|フィギュアスケート男子【動画】によれば、羽生結弦選手は人間工学に興味を持ち、動きに対してどういう数式で表されるか、例えば、「自分が例えば(4回転)トーループでトー(つまさき)をついたときにどういう力がどう加わってどこに力が作用してどう衝撃があるのかを具体的になんとなく数値化して見える」というように勉強をスケートに活かしていました。

人体を理解してバランスを意識する|身体を大きくするウエイトトレーニングはダメ|イチロー×稲葉篤紀対談では、イチロー選手は人体を理解することが身体の動かし方やトレーニングのやり方をよくすることにつながるそうです。

トップのアスリートともなると、人体がどのような仕組みで動いているのかを自然と追い求めるようになるのではないでしょうか。

どのようにしたらコーチのトレーニング理論がより良くなるのか?では、新しいトレーニング理論を試してみた別のスポーツの研究結果をフィードバックするようなトレーニング指導者専用のコミュニティができるとスポーツがさらに進化するのではないかと書きましたが、将来的に競技を引退したアスリートが人体工学や最新の理論を学べるスクールで学び、コーチとなって子供たちに教えるようになればいいのかもしれませんね。







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