クローン病や潰瘍性大腸炎 難病防ぐ腸内物質確認 神戸大
(2015/7/21、神戸新聞NEXT)
激しい腹痛や下痢などを伴う難病のクローン病や潰瘍性大腸炎の発症を防ぐ鍵となるタンパク質を、神戸大の研究グループが世界で初めて確認した。このタンパク質が発症を抑止する仕組みの一端も解明。
ここ最近、腸内細菌が出す物質が美肌やダイエット、がん、糖尿病、うつなどに関わっているとして、テレビで取り上げられていましたが、今回のニュースによれば、激しい腹痛や下痢などを伴う難病のクローン病や潰瘍性大腸炎の発症を防ぐ鍵となるタンパク質を確認し、このたんぱく質が発症を抑止する仕組みの一部も解明したそうです。
的崎教授らは以前、腸の内側を覆う腸上皮細胞の表面にある「微絨毛(じゅうもう)」という細かな突起から「SAP-1」というタンパク質を発見していた。今回、その機能を調べるため、マウスの腸上皮細胞からSAP-1を除去したところ、腸炎の発症率と重症度が著しく高まることを確認した。
さらに、SAP-1が、同じく微絨毛にある「CEACAM20」というタンパク質の機能を抑えることで、腸炎の発症を防いでいる可能性が高いことも判明したという。
まとめてみます。
●「SAP-1」をマウスの腸上皮細胞から除去すると、腸炎の発症率と重症度が著しく高まる
●「SAP-1」が「CEACAM20」というタンパク質の機能を抑えることで、腸炎の発症を防いでいる可能性が高い
SAP-1を増やすまたはCEACAM20の機能を抑えるという薬の考案が待たれます。
この研究が進むことで、根本的な治療薬の開発につながるといいですね。
■クローン病・潰瘍性大腸炎は「指定難病」
クローン病や潰瘍性大腸炎は、腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍が生じる原因不明の病気で、ともに医療費助成対象の「指定難病」。国内では20~30代を中心に発症し、患者数は合わせて約20万人に上るとされる。
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