虫歯菌(ミュータンス菌)が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与|国立循環器病研究センター

Teeth Brushing Time!

by Gloria(画像:Creative Commons)

健康・美容チェック > 歯周病 > 虫歯菌(ミュータンス菌)が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与|国立循環器病研究センター




■虫歯菌(ミュータンス菌)が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与|国立循環器病研究センター

虫歯菌、脳出血に関与=止血作用を阻害―国循

(2016/2/5、時事通信)

研究グループは、国循に入院した脳卒中患者100人から唾液を採取し、中に含まれるミュータンス菌を培養した。
このうち、コラーゲンと結合して止血作用を阻害する性質を持つ「cnm遺伝子保有株」が検出された患者は、脳出血の発症可能性が他の患者の約4倍あった。

歯周病糖尿病などの生活習慣病と関連があるのではないかと言われてきましたが、国立循環器病研究センターによれば、虫歯の原因菌として知られるミュータンス菌の一種で、血管壁のコラーゲンと結合することで血管の傷口に集まって血小板の止血作用を阻害する性質を持つ「cnm遺伝子保有株」が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与していることを明らかにしました。

20160205ncvc

参考画像:『口腔内のむし歯菌』と『微小脳出血』との関連を解明|国立循環器病研究センター|スクリーンショット

歯の治療をしっかりとすることが、病気の予防につながるという考え方がますます重要になってきそうです。




歯周病と生活習慣病の関係

歯周病と生活習慣病の関係によれば、年齢が進むに従って、症状の進んだ歯周炎の比率が高くなり、35歳から44歳では82・5%の人が歯周病に罹患(りかん)しているそうです。(厚生労働省の2005年度歯科疾患実態調査)

歯周病菌の出す毒素が歯肉や歯を支える骨を侵す作用の研究が進むにつれて、これらの毒素は、全身をめぐって糖尿病や心臓血管系の疾患など生活習慣病にも影響を与えていることが明らかになってきています。

■歯周病予防のポイント

虫歯・歯周病予防には歯磨き粉・歯ブラシ選びが重要からポイントをまとめます。

  • フッ素入り歯磨き剤を利用すると、失った歯の成分が補い、歯が健康な状態に戻る可能性が高くなる
  • フッ素を届けるためには、毛先が細くて段差のある歯ブラシを使うのが効果的

糖尿病予防のためにも、歯周病予防のためにも、歯ブラシ選び・歯磨き粉選びをきちんと行ないましょう。

■まとめ

ミュータンス菌と脳出血との関係が明らかになったことで、今後、歯磨きや歯科治療によって、ミュータンス菌の量を減らすことができる方法が確立できれば、脳出血の予防ができるようになるかもしれません。

→ 歯周病の症状・歯周病とは・歯周病予防 について詳しくはこちら







【関連記事】

P.S.

歯周病は、悪玉コレステロール・動脈硬化と関連がある!?によれば、歯周病細菌の一つであるポリフィロモナスジンジバリス菌に対する免疫抗体が多い患者は、動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いことがわかったそうです。

【関連記事】