生活習慣病の予防に保健指導が有効かを調べる研究を中止 データの信頼性に問題|厚生労働省

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by Tod Baker(画像:Creative Commons)




生活習慣病の研究、3年で中止…データ信頼性に問題

(2016/3/9、読売新聞)

厚生労働省は、生活習慣病の重症化を防ぐために、積極的な保健指導が有効かを調べる大規模な戦略研究「J―HARP」(2013~17年度)について、「信頼性のあるデータが集まらない」として今年度で中止することを決めた。

厚労省は、生活習慣病の予防に保健指導が有効かを調べる研究について、対象者への保健指導実施率が低い自治体があるなど、データの信頼性に問題があることが判明し、中止することを決めたそうです。

■保健指導プログラムに効果はあるか?

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまる

糖尿病の合併症を予防するには、医師と相談しながら、治療を継続していく必要があり、患者の大半もその治療方針を理解し、治療の重要性を認識しているのですが、糖尿病の治療を継続していくことができない人が半数もいるそうです。

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる

国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

保健指導で4人に1人が脱メタボに成功

生活習慣病になりやすいメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と判定され、保健師らによる特定保健指導を受けた人を対象に、厚生労働省が行った大規模な追跡調査で、約4人に1人が1年間でメタボ状態を脱していたことがわかっています。

肥満の人への減量指導効果は2年で失われる!?-筑波大

肥満の人への減量指導効果は2年で失われることがわかったそうです。

■まとめ

以上のことをまとめると、次のようになります。

一人だけの意志で治療継続するのは難しく、生活習慣の改善には何かの手助けが重要であるということ。

そして、保健指導は効果を発揮するものの、その指導効果は2年で失われるため、継続して指導をすることが必要なこと。

生活習慣病の予防に保健指導が有効かを調べる研究が中止されたのは残念ですが、予防医療は今後重要なカギになると思いますので、別の形で研究が進むことを期待したいと思います。







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