新規T細胞「HOZOT」を活用したがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発|岡山大




新規T細胞「HOZOT」を活用したがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発|岡山大

新規T細胞「HOZOT」を活用したがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発|岡山大
新規T細胞「HOZOT」を活用したがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発|岡山大

参考画像:広がったがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発 新規T細胞「HOZOT」のウイルス療法への応用(2016/12/16、岡山大学プレスリリース)|スクリーンショット

広がったがん細胞へ選択的に治療薬を届ける新技術を開発 新規T細胞「HOZOT」のウイルス療法への応用

(2016/12/16、岡山大学プレスリリース)

今回、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原教授、大学院生の大西医師、岡山大学病院新医療研究開発センターの田澤准教授、株式会社林原の中村研究員らの研究グループは、新規の制御性 T 細胞「HOZOT」のがん細胞への選択的な細胞内侵入効果(Cell-in-Cell activity)を利用して、腫瘍融解ウイルスを搭載した HOZOT 細胞を作製。がん細胞へ選択的に腫瘍融解ウイルスをデリバリーする技術を開発しました。

腫瘍融解ウイルスを搭載した HOZOT 細胞は、がん細胞への選択的なデリバリー機能によってがん細胞内に侵入してウイルスを拡散させるため、腹腔内に広がったたくさんのがん細胞を死滅させる事を動物モデルで証明しました(図)。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義教授、岡山大学病院新医療研究開発センターの田澤大准教授らのグループによれば、新規の制御性 T 細胞「HOZOT(ホゾティ)」のがん細胞への選択的な細胞内侵入効果を利用して、腫瘍融解ウイルス(「テロメライシン」)を搭載したHOZOT細胞を作成し、がん細胞へ選択的に運搬する技術の開発に成功したそうです。




■ピンポイントで治療薬を届けるアイデアの例

Deliveries

by John Loo(画像:Creative Commons)

最近、病気の部位にピンポイントで治療薬を届ける方法が注目を集めています。

ナノカプセルで疾患部位にピンポイントで治療薬を届ける技術|ドラッグデリバリーシステム(DDS)によれば、「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」というナノカプセルの中に薬を入れて、体の中の疾患部位にその薬を届けるという技術です。

GOOGLEX、ナノ粒子とウェアラブル端末を用いてがんを早期発見するプロジェクトを発表によれば、「Google X」で生体研究プロジェクトを統括しているAndrew Conrad氏が先日発表したのは、ナノ粒子とウェアラブル端末を用いてがんなどを早期発見するというプロジェクトです。

ナノ粒子を用いたアテローム性動脈硬化症の新治療法とは−米研究によれば、ナノ粒子に抗炎症薬を組み込んで運ばせ、プラークが蓄積されている部位で治療薬を放出させるという研究が行われているそうです。

血液の中を泳いで薬を届ける「3Dプリント魚」が開発される|カリフォルニア大学サンディエゴ校によれば、3Dプリントでできた魚型ロボットが、人間の血液の中を泳いでいって、毒素を探知したり、目的部位に薬を運んだりすることができるようになるかもしれないそうです。

ROBOT ORIGAMI |折り紙からインスピレーションを受けて作られた小さな医療用ロボットが開発によれば、小さな医療用ロボットが人体内部の奥深くに薬品を届けたり、医療行為を行ったりするのに利用できる可能性が期待されています。

パラダイムシフトを起こす!?塩1粒ほどの大きさのカメラを作製することに成功|独シュツットガルト大学によれば、独シュツットガルト大学(University of Stuttgart)の研究チームが考えたのは、直径が毛髪2本分の光ファイバーの先端に3Dプリンターで作製した3つのレンズを備えたカメラを取り付けたもので、侵襲性を最小限に抑えた内視鏡としての活用も期待できるそうです。

■まとめ

今後、個々のがん患者の血液から HOZOT 細胞を樹立する事ができれば、それぞれの患者に合った腫瘍融解ウイルスのがん細胞への選択的なデリバリー技術が可能となり、難治性の腹膜播種転移に対する新たな治療戦略となる事が期待されます。

個人個人のがん患者の血液からHOZOT細胞を作ることができれば、拒絶反応を抑えることができ、がん細胞のみに侵入してウイルスを拡散し、がん細胞を死滅させることができるかもしれません。







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