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■肝臓がんの増殖する仕組みの解明と抗がん剤の効果を高める新規化合物「K67」を同定
参考画像:肝臓がんを抑制する新規化合物を同定(PDF)|新潟大学
(2016/6/28、新潟大学)
肝細胞がん患者のがん細胞において、マロリー小体と呼ばれる構造体が大量に存在することが知られています。今回、この構造体の主成分である p62/SQSTM1 が、肝細胞がんの増殖や抗がん剤耐性に有利な状態へと誘導する仕組みがあること、さらに、その仕組みを打ち消す新規化合物が肝細胞がんの増殖を抑制し、抗がん剤に対する感受性を増加させることを見出しました。
肝細胞癌の患者のがん細胞には「マロリー小体」が大量に存在しており、この主成分である「p62/SQSTM1」が肝細胞がんの増殖や抗がん剤に対して抵抗性を引き起こすメカニズムがあることがわかったそうです。
今回の研究では、そのメカニズムを打ち消す新規化合物「K67」によって、肝細胞がんの増殖を抑制し、抗がん剤の有効性を増加させることができたそうです。
■さらに詳しく!
肝臓がんを抑制し抗がん剤の効果を高める新規化合物を同定 – 新潟大など
(2016/6/29、マイナビニュース)
原発性肝がんの約90%を占める肝細胞がんは、マロリー小体と呼ばれる構造体をその細胞内に蓄積することが知られているが、その機能はこれまで不明となっていた。
今回、同研究グループは、マロリー小体の主成分であるタンパク質p62/SQSTM1が、転写因子NRF2を分解へと導くタンパク質KEAP1と結合し、恒常的にNRF2を活性化する仕組みがあること、NRF2の活性化が肝細胞がんの増殖および抗がん剤耐性を引き起こすことを見出した。さらに、p62/SQSTM1によるNRF2活性化を防ぐ新規化合物K67を同定。K67が、肝細胞がん細胞の増殖を抑制するとともに、既存の抗がん剤の薬効を高めることを確認している。
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 分子遺伝学 小松雅明教授、斎藤哲也特任助教、同研究科 消化器外科学 若井俊文教授、東京大学創薬機構 岡部隆義教授、慶應義塾大学先端生命科学研究所 曽我朋義教授らの研究グループによれば、肝細胞がん(肝臓がん)が増殖する仕組み(マロリー小体の主成分であるタンパク質p62/SQSTM1が、転写因子NRF2を分解へと導くタンパク質KEAP1と結合し、恒常的にNRF2を活性化する仕組みがあること、NRF2の活性化が肝細胞がんの増殖および抗がん剤耐性を引き起こす)を解明し、その仕組みを打ち消す新規化合物「K67」により肝細胞がんの悪性化を抑制することに成功したと発表しました。
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