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■線虫によるがん検査法「N-NOSE」の実用化を目指し、検査の自動化についての共同研究|日立・九大ベンチャー
参考画像:日立とHIROTSUバイオサイエンス社が、線虫によるがん検査の実用化に向けた共同研究に合意(2017/4/17、日立ニュースリリース)|スクリーンショット
日立とHIROTSUバイオサイエンス社が、線虫によるがん検査の実用化に向けた共同研究に合意
(2017/4/17、日立ニュースリリース)
九州大学発のベンチャー企業であるヒロツバイオは、線虫ががん患者の尿には近づき、健常者の尿からは離れる特性(化学走性)を利用した、新しいがん検査法「N-NOSE」の実用化をめざしています。
株式会社日立製作所と、株式会社HIROTSUバイオサイエンスは、線虫によるがん検査法「N-NOSE」(エヌ・ノーズ)の実用化に向けて、日立が新たに開発した線虫がん検査自動解析技術を活用した、検査の自動化についての共同研究を行ないます。
【参考リンク】
- 線虫使ったがん検査 本格的な臨床試験へ 2020年の実用化目指す(2018/7/4、NHK)
今回、日立が開発した装置は、光を当てながらカメラで撮影し、その画像を解析して線虫の動きを自動で調べる仕組みで、一日に100件以上の検査が可能になるということです。
■線虫の習性を活用したがん診断方法の仕組み
九大の広津崇亮助教と伊万里有田共立病院の園田英人外科医長らの研究チームは、体長1ミリほどの線虫を使い、がんの有無を1滴の尿から高い精度で判別することに成功しました。
線虫は、犬と同じくらいの嗅覚受容体を持ち、好きなにおいには集まり、嫌いなにおいから逃げる習性(走性行動)があるそうです。
事前の実験で、がん細胞のにおいを好むことが分かっており、この習性を利用して、がんの有無を判別しようとするのが今回のがん診断方法の仕組みです。
→ がん診断、尿一滴で判別成功|線虫の習性を活用|九大など について詳しくはこちら
■日立の線虫がん検査自動解析技術の特徴とは?
この技術は、化学走性試験*2における、線虫の回収・洗浄、尿検体と線虫の走性プレートへの配置、および化学走性の観察といった一連の工程を自動で行うものです。
<中略>
線虫によるがん検査では、線虫の状態などにより検査結果が不安定になる場合がありますが、この線虫の移動度を検査品質の判定基準として用いることで、全ての検査品質を定量的に良否判定可能となりました。
化学走行試験とは、線虫が尿の検体に対して、近づいたり、離れたりの反応を示すかどうかを判定する試験のことです。
線虫の状態によって検査結果が安定しないという弱点があったものの、線虫の移動度を判定基準として用いることで、品質を安定させることができるようになったそうです。
■まとめ
尿でがん検査を行うというのは、患者にとっても肉体的に負担が少ない方法ですので、大変期待されます。
ガンを診断する方法としては、血液による診断や呼気に含まれる成分から診断するもの、息に含まれるニオイ成分から診断するものなどが考えだされています。
患者の経済的・肉体的負担のない形で、かつ精度の高い病気の診断方法が生まれるといいですね。
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