by Eric Jusino(画像:Creative Commons)
脳科学で解明、人が自分について語りたがるわけ─氾濫するSNS
(2012/5/9、ウォール・ストリート・ジャーナル)
自分について話すことが、食べ物やお金で感じるのと同じ「喜びの感覚」を脳のなかに呼び起こすことが、7日発表された研究で明らかになった。
自分のことについて話すことは喜びの感覚を脳に呼び起こすそうです。
そして、これは、会話だけでなく、ソーシャルメディアでの投稿でも同じなのだそうです。
米ハーバード大学の神経科学者らが脳画像診断と行動に関する5つの実験を行い、その理由を解明した。
脳細胞とシナプスがかなり満足感を得るため、自分の考えを話すことを止められないのだ。
「セルフディスクロージャー(自己開示)は特に満足度が高い」と同大学の神経科学者、ダイアナ・タミール氏は話す。タミール氏は同僚のジェイソン・ミッチェル氏と実験を行った。両氏の研究は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。タミール氏は「人は自分のことを話すためには、お金さえあきらめる」と指摘する。
自己開示をすることは(脳細胞とシナプスの)満足度が高く、自分の考えを話すことはとめられないのだそうです。
一般的に、セルフディスクロージャーを行うと中脳辺縁系ドーパミン経路に関わる脳の領域の活動が高くなる。ここは食べ物やお金、セックスなどで得られる満足感や快感と関係している部分だ。
テキサス大学の心理学者、ジェームズ・ペネベイカー氏は「これは真実だと思う」と話す。ペネベイカー氏はプロジェクトには参加していないが、自己の秘密とセルフディスクロージャーを人がどう処理するのかを研究している。同氏は「人は、他人に話を聞いてもらうのが好きなのだ。そうでなかったら、どうしてツイートをするだろうか」と述べた。
人は自分のことについて話すのが好きであり、他人に話を聞いてもらうのが好きだからこそ、SNSが盛んなのかもしれません。
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