by Wayan Vota(画像:Creative Commons)
幼児のiPad利用は是か非か 専門家の意見分かれる
(2012/5/23、WSJ)
今や米国の幼児の半数以上は、タブレット型携帯端末「iPad(アイパッド)」やスマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone(アイフォーン)」といったタッチスクリーンを使った携帯機器に触れている。
現代の幼児たちは、泳ぐことや「靴紐を自分で締める」といった技能を習得するよりもずっと早く、IT技術のスキルを覚えるそうです。(現代の幼児は、泳ぐことや靴紐を締めることよりも早く、ITスキルを覚える)
iPadやiPhoneといったタッチスクリーンを使ったタブレット機器が身近なものになってきている中、期待される点と心配される点とが今回の記事では取り上げられています。
■期待される点
よくできたiPadのアプリは、より視線を引きつける。子どもが触る場所とアクションが起こる場所が多くの場合同じだからである。
研究者の多くはこの特徴が子どもたちの学習を助けることになると期待している。「iPod Touch(アイポッドタッチ)」を利用したある研究によると、言語能力を育成する教育アプリ「Martha Speaks(マーサ・スピークス)」を使用した4~7歳の子どもたちの語彙力が伸びた。対象となった13人の5歳児の語彙力は平均27%伸びた。また別の教育的アプリを使用した研究でも、3歳児が17%の伸びをみせる同様の結果となった。
ゲーム感覚で言葉を覚えることに役立つことが期待されています。
■心配される点
息子がiPadを使っているときは「トランス状態」のようになってしまい、名前を呼んでも反応しないのだ。
<中略>
子ども向けの多くのアプリは、報酬を与えたり、思いがけないタイミングで興奮するような視覚効果を見せることでドーパミンが放出されるように作られている。そうすれば子どもたちが遊び続けるからだ。
トランス状態のようになってしまい、アプリをやり続けてしまうことがあるそうです。
「それは集中しているため」だと指摘するのは、ジョージタウン大学のサンドラ・カルバート教授だ。たとえばレゴブロックに没頭しているときと生理的に同じだと、カルバート氏は言う。心理学者はそれを「フロー体験」を呼んでいる。
ただ、微妙な違いがある。レゴブロックでは、完成したことを決めるのは子ども自身だ。一方、iPadではアプリが、課題が正しく達成されたかどうかを決める。研究者らは、この違いが子どもたちにどんな影響を与えるのかは不明だとしている。
自分が納得してゴールを決めるのではなく、アプリ自体がゴールを決めるということが子供たちにどんな影響があるのか(ないのかを含む)が気になるところです。
P.S.
スマートフォン使用で体を痛める人が増加という記事によれば、腱鞘炎になったり、首を痛める人もいるので、幼児にも同じような健康へのリスクがあるのかどうかが気になります。
そして、iPadで不眠症? 可能性指摘する専門家もという記事によれば、バックライト式の端末を就寝前に使うと睡眠サイクルが乱れ、不眠症の原因になるのではないかともいわれています。
そうした健康面への影響も気になるところです。
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