車のトラブルで感じた人の優しさと謎のおじいさんの話。


Voiture noire et Borsalino

仕事先からの帰り道、一人の女性ともう一人の男性が歩道で困っているのを見かけました。

気になった私はお二人に話を伺ってみました。

困っていたのは、女性の方で、道路よりも少し高いところにある駐車場から出ようとした際に、ハンドルを切りすぎて、縁の部分から前輪が落ち、車の車体が縁の部分に引っかかってしまい、動かなくなったとのこと。

ここで私の特殊能力「困ったときは人を探そう」を発動!

駐車場の向かい側の会社に向かい、応援してくれる人がいませんかと訪ねに行くことにしました。

そこで、二人(男性一人・女性一人)に加勢していただけることに。

まずは、どうにか持ちあげられないかと全員で持ち上げてみましたが、前にエンジンがあるからか、それとも車体に引っかかっているのかわかりませんが、全く持ち上がりません。

次に、バックで後ろに動かすことができないかと試してみましたが、焦げ臭いニオイがするばかり・・・。

そこで、ふらっと謎のおじいさんが現れ、突如適切なアドバイスを始めたのです。※1

「そんな角度にハンドル切ってもダメだ」

「車の前側にエンジンがついてるから、持ち上がらんよ」

どうやっても持ち上がらないとなり、途方に暮れたところで、ある人がこういったのです。

「ジャッキで持ち上げるしかないんじゃない?」

そう、持ち上げることとバックで下げることに夢中で、ジャッキの存在を忘れていたのです。

車の中にジャッキがあることがわかり、謎のおじいさんのアドバイスを元に、駐車場の向かいの会社にいた男性がジャッキを動かすと、車が上がり始めました。

しかし、そのままではただ車を上げただけで動かすことはできません。

そこで、駐車場の向かいの会社にいた女性がコンクリートブロックを持ってきて、タイヤの下に一つのブロックを入れ、もうひとつのブロックを縁の部分に置きました。

そして、ジャッキを外して、男性が車に乗り込み、バックしたところ、見事脱出成功!

車の持ち主である女性は全員にお辞儀をしている途中に、私はあることに気づいたのです。

謎のおじいさんがいない・・・。

謎のおじいさんは車が脱出することがわかったからでしょうか、知らぬ間にいなくなっていたのです。

なんともかっこいいおじいさん。

そして、人々の優しさに触れた私はひととき幸せな気分になりました。

MVP 
駐車場の向かいの会社にいた男性(ほとんどの作業をこの方がやってくれました)+女性(いいアシストをされていました)
影のMVP 
謎のおじいさん(適切なアドバイスを随所に見せてくれました)




※1.ストーリー上謎のおじいさんとしてみましたが、実際は、挨拶を時々交わすおじいさんです。