乳幼児期における親との食器共有について(2023/8/31、一般社団法人日本口腔衛生学会)では近年の歯の健康に関するウソ?ホント?情報について取り上げてくれています。
■これはホント?
Q. 親とスプーンやコップなどの食器の共有を避けることにより、親から子供へのう蝕原因菌(いわゆる虫歯菌)の感染を予防することができる?
A. 食器の共有をしないことでう蝕予防できるということの科学的根拠は必ずしも強いものではない!
食器の共有は離乳食開始時期の生後 5~6 か月頃から始まりますが、最近の研究で、生後 4 か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されている[2]ため、それ以前から親から子どもに口腔細菌は感染しています。
日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しますので、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎないほうがいいでしょう。
【関連論文】
- Kageyama S, Furuta M, Takeshita T, Ma J, Asakawa M, Yamashita Y: High-Level Acquisition of Maternal Oral Bacteria in
Formula-Fed Infant Oral Microbiota. mBio 2022, 13(1):e0345221.
■まとめ
親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、砂糖の摂取を控え、歯垢を除去し、フッ化物配合歯磨剤を利用することでう蝕を予防することができます。
【関連記事】
- 口腔衛生学会、小児歯科学会、歯科保存学会、老年歯科医学会:う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の推奨され
る利用方法【普及版】について [https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230303.pdf]