以前日本国内の河川や水道水からも「PFAS」が検出!では、発がん性リスクの高い「PFAS」が国内各地の河川や水道水から検出されていることを紹介しましたが、住民にPFAS公費血液検査開始 全国初、岡山・吉備中央町(2024年11月25日、共同通信)によれば、岡山県吉備中央町は一部浄水場の水から高濃度のPFASを検出されたことから、住民ら約800人を対象に、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の公費による血液検査を開始しました。
■PFASと健康リスク
ATSDRを見ると、PFAS の健康への影響として、コレステロール値の上昇、肝臓酵素の変化、出生体重の減少、子どものワクチン接種の効果減、妊娠高血圧症候群リスクの上昇、腎臓がん・睾丸がんのリスク上昇につながる可能性が挙げられています。
発がん性指摘される有機フッ素化合物「PFAS」 異例の水道水全国調査へ 「広範囲に広がることが問題」(2024/7/1、関西テレビ)によれば、「PFAS」は熱に強く、水や油をはじくなどの特性があり、フライパンのコーティングや、布製品のはっ水加工、消火剤などに使用されてきましたが、日本国内では現在はPFASの一部の物質について、輸入や製造が原則禁止されているそうです。
飲み水に発がん性リスクの高いものが含まれていると考えると怖いですが、そのリスクはどれくらいのモノなのでしょうか?
専門家は、仮に飲み水にPFASが含まれていたとしても、すぐに健康被害が出る可能性は低いとしながらも、対策の重要性について、こう指摘します。
【京都大学大学院医学研究科 原田浩二准教授】「長期的な汚染につながると、非常にたくさんの人が少しずつでも病気へのなりやすさが上がってしまう。
すぐに健康被害が出る可能性は低いながらも、長期的に見ると、病気になりやすくなるリスクが高くなると考えられます。
ニュースをチェックしてみたところ、全国各地で水質調査が行われており、場所によっては飲用水の暫定目標値超える化学物質が検出されたり、飲み水の利用制限が行われていたり、検出された町では住民への健康診断が行われていたり、ミネラルウォーターからも検出されていたりと、このニュースは全国的に広がっています。
つまり、決して他人ごとではないんですね。
PFASの健康への影響についての知見はまだまだ深まってはおらず、【独自】PFAS血液検査は「かえって不安が増す」 環境省、自治体向け手引の修正案に記載 本紙が入手(2024/8/2、東京新聞)によれば、
ドイツの公的機関や米国の学術機関が、健康影響のリスクが上がるとされているPFASの血中濃度指標を上回った場合でも「必ずしも健康障害が起こるとも限らない」「将来、健康影響が発生することを意味しない」
とあり、健康への影響はあるだろう数値を超えた場合でも必ずしも健康被害が起きるかどうかもわからないといったのが現状のようです。
今後地域によっては住民のPFAS血液検査などが行われることによって、不安になる人が増えたり、反対に知ることで不安が解消される人などこの問題についての向き合い方は様々だと思います。
これからPFASの健康への影響がどれくらいあるのかについて、いろんな研究が行われていくと思いますので、チェックしていきたいですね。