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炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高い!




英国の40~69歳の約13万人(131,209人)のデータを用いて、食事の種類が認知症のリスクにどう影響するかを調べた研究によれば、地中海式ダイエット(野菜、果物、魚、オリーブオイルなどが中心)など健康的な食事をしている人は認知症のリスクが低く、反対に炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高いことがわかりました。

【参考リンク】

■結果

●13.5年の追跡で、1,453人が認知症を発症しました。

●良い食事の効果:地中海式ダイエット、MINDダイエット(脳の健康に良いとされる食品を重視)、RFS(推奨食品スコア;健康的な食品の摂取頻度を点数化)、AHEI(代替健康食指数;バランスの良い食事を評価)のスコアが高い人(=これらの健康的な食事をしっかり実践している人)は、認知症のリスクが低い(約20~30%低下)。

●悪い食事の影響:EDII(エネルギー調整食事炎症指数;炎症を引き起こす食事の指標)スコアが高い人(炎症を引き起こす食事、例えば加工食品や赤身肉を多く食べる人)は、認知症のリスクが30%高まる。

●特に効果が強いグループ:60歳以上、女性、非肥満の人、特定の遺伝子(ApoEε4)を持たない人で、良い食事の効果がより強く見られた。

■まとめ

野菜や果物、魚、ナッツを多めに食べる地中海式ダイエットやMINDダイエットなどの健康的な食事は認知症のリスクを下げ、反対に炎症を起こす食事は認知症のリスクを上げる可能性があります。

今回の研究では健康的な食事に含まれている「何」が効果的なのかは書かれていませんでしたが、ヒントとなるのは「炎症」にありそうです。

認知症予防のために毎日食べたい!抗炎症力や抗酸化力を持つ○○科の野菜とは何?によれば、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材としてアブラナ科の野菜を紹介しています。

その理由としては、アブラナ科の野菜には、認知症予防に欠かせない「抗炎症力」「解毒力」「抗酸化力」という3つの力が備わっているから。

ブルーベリーやイチゴなどフラボノイドを豊富に含むベリー類を摂取すると、高齢女性の記憶力低下を2.5年遅らせることができる!では、ブルーベリーやイチゴに含まれる**フラボノイド(特にアントシアニン)**が活性酸素(細胞を傷つける物質)を減らし、脳の神経細胞を老化やダメージから守る抗酸化作用があり、また、脳の炎症を抑え、認知症やアルツハイマー病のリスクを下げる抗炎症作用があると紹介されています。

つまり、認知症リスクを下げる方法の一つとして、抗炎症作用のある食品を選択するといいのではないでしょうか?

普段の食事を意識することが将来の認知症リスクを下げることにつながると思って、食事を見直してみませんか?







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地中海式ダイエット(特にエキストラバージンオリーブオイル)が乳がんのリスクを下げる可能性がある!




ある研究によれば、地中海式ダイエット(野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイル、ナッツを多く含む健康的な食事スタイルで、特にエクストラバージンオリーブオイルを多く含むもの)が乳がんのリスクを下げる可能性があるそうです。

→ 乳がんの症状・原因・検査・予防法 について詳しくはこちら

【参考リンク】

■研究の背景

乳がんは女性にとって最も多いがんの一つで、2008年以降、世界中でその発生率が20%以上増加しています。

観察研究では、地中海式ダイエット(野菜、果物、魚、オリーブオイル、ナッツなどを豊富に含む食事)が乳がんのリスクを下げる可能性が示唆されてきました。

この研究(PREDIMED試験)は、その効果を科学的に検証するために行われたものです。

■研究の方法

スペインのプライマリヘルスケアセンターで、2003年から2009年にかけて、心血管疾患のリスクが高い60~80歳の女性4,282人(乳がんの既往歴がある人は除外)を1)エクストラバージンオリーブオイルを補充した地中海式ダイエット、2)ミックスナッツを補充した地中海式ダイエット、3)対照群(低脂肪ダイエットを推奨)の3つのグループに分けて約4.8年間追跡調査したそうです。

■結果

追跡期間中に、35人の女性が乳がんと診断されました。

発生率(1000人年あたり):オリーブオイル群:1.1
ナッツ群:1.8
対照群(低脂肪ダイエット):2.9

オリーブオイルを補充した地中海式ダイエット群は、対照群に比べて乳がんのリスクが約68%低い(ハザード比0.32)。

ナッツを補充した地中海式ダイエット群は、対照群に比べてリスクが約41%低い(ハザード比0.59)ものの、統計的には明確な差とは言えない。

特に、オリーブオイルからのカロリー摂取量が5%増えるごとに、乳がんのリスクが28%低下(ハザード比0.72)。

■まとめ

この研究では、地中海式ダイエット(特にエクストラバージンオリーブオイルを多く含むもの)が乳がんのリスクを下げる可能性が示されました。

今回は乳がんの症例数が少なかったため、今後はさらに大規模で長期的な研究が必要になりますが、普段の食事によって病気のリスクがわかる可能性があるという点が興味深いです。

野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイル、ナッツを多く含む健康的な食事スタイルを取り入れてみませんか?

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キノコを多く食べる人は胃がんリスクが低い!




ある研究によれば、キノコを多く食べる人は胃がんリスクが低いことがわかりました。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら

【参考リンク】

■概要

この論文は、キノコの摂取が胃がんのリスクにどのように影響するかを調べた研究です。

キノコはビタミンやミネラルが豊富で、「機能性食品」として健康に良いとされています。

胃がんは世界で5番目に多いがんであり、キノコを食べることがその予防に役立つ可能性があるかを検証しました。

■結果

○キノコを多く食べる人は胃がんのリスクが低い:StoPプロジェクトの分析では、キノコを多く食べるグループは、少なく食べるグループに比べて胃がんのリスクが18%低い(相対リスク0.82、信頼区間0.71~0.95)ことがわかりました。

○過去の研究との統合分析:過去の4つの研究を加えたメタアナリシスでは、リスクがさらに低く、キノコを多く食べる人は胃がんのリスクが23%低い(相対リスク0.77、信頼区間0.63~0.95)ことが示されました。

○地域による違い:特に西太平洋地域(日本など)では、キノコの摂取による胃がんリスクの低下が顕著でした。

■まとめ

キノコが直接胃がんを予防するというわけではないのですが、キノコを多く食べることで胃がんのリスクを下げる可能性があり、特に日本などの西太平洋地域で効果が高いようですので、食生活の中にキノコを取り入れていきましょう!

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青魚の缶詰を週に1〜2個食べると大腸がんリスクが下がる!




『Nutrients』誌に掲載された研究によれば、青魚の缶詰を週1-2個食べ他グループはそうでないグループに比べて大腸がんリスクが下がっていることがわかりました。

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【参考リンク】

■概要

この論文では、缶詰魚の摂取が大腸がん(CRC)のリスクにどのように影響するかを調べた2つの大規模な症例対照研究の結果をまとめています。

研究は、缶詰魚の摂取頻度が高いほど大腸がんのリスクが低下することを示唆しています。

■背景

魚は大腸がん(CRC)の予防に役立つ食品として知られていますが、缶詰魚の効果については十分な研究が不足していました。この研究は、缶詰魚の摂取がCRCリスクに与える影響を評価することを目的としています。

■結果

全体的に、缶詰魚の摂取頻度は対照群(28.6%)に比べて症例群(23.8%)で低く、摂取頻度が高いほどCRCリスクが低いことがわかりました。

具体的には、週に1回未満の摂取を基準(OR=1)として、週に1~2回の摂取でOR=0.81(95%CI: 0.69-0.95)、週に2回以上の摂取でOR=0.66(95%CI: 0.54-0.80)と、リスクの低下が観察されました。この結果は、缶詰魚がCRC予防に有効である可能性を示しています。

■まとめ

青魚の缶詰を週に1回以上摂取することが大腸がんのリスクを下げるので、料理で魚を使うのが苦手な方は缶詰を活用してみてはいかがですか?

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島根県産えごま油|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう!
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血中の長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)が高いと、がんや心臓病などの死亡リスクが下がり、健康寿命が延びる可能性!




Nature communications誌に掲載された研究によれば、血中の長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)が高いと死亡リスクが下がることがわかりました。

【参考リンク】

■どんな研究?

この研究は、オメガ3脂肪酸(特に魚に多く含まれるEPA、DPA、DHAと、植物由来のALA)が人の血中濃度と、死亡リスク(全体の死亡や、心血管疾患、がん、その他の原因による死亡)の関係を調べたものです。

17の前向きコホート研究(長期間にわたって人を追跡調査する研究)のデータをまとめて分析し、42,466人の参加者を対象に、16年間(中央値)の追跡期間で15,720人の死亡を調べました。

■オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、健康に良いとされる脂質の一種で、以下のような種類があります:長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA):主に魚や魚油に含まれる。心臓病のリスクを下げる可能性があると注目されています。

α-リノレン酸(ALA):植物油(例:亜麻仁油)やナッツに含まれるが、効果は長鎖オメガ3ほど強くないとされています。

■この研究の主なポイント

●血中の長鎖オメガ3脂肪酸が高いと死亡リスクが下がる

血中のEPA、DPA、DHAの濃度が最も高いグループ(上位20%)は、最も低いグループ(下位20%)に比べて、全体の死亡リスクが15~18%低いことがわかりました。

具体的には、心血管疾患(心臓病や脳卒中)、がん、その他の原因による死亡リスクも低下していました。

例えば、EPA+DHAの高い人は、全体の死亡リスクが約13%減少し、心血管疾患による死亡リスクも同様に低下。

●ALA(植物由来のオメガ3)は効果が弱い

植物由来のALAは、死亡リスクの低下とほとんど関係がありませんでした。これは、ALAが体内でEPAやDHAに変換される効率が低いためと考えられます。

■まとめ

○長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)の血中濃度が高い人は、全死亡リスクや心血管疾患、がん、その他の死亡リスクが有意に低いことがわかりました。

これは、魚や魚油を多く摂ることで、これらの脂肪酸の血中濃度が上がり、健康寿命が延びる可能性を示唆しています。

○ALAは効果がほとんど見られなかったため、魚やサプリメントから直接EPAやDHAを摂取する方が効果的と考えられます。

つまり、今回の研究を参考にすれば、魚(特にサバ、サーモン、イワシなど)を食べたり、必要に応じて魚油サプリメントを摂ることで、心臓病やがんによる死亡リスクを下がる可能性があるので、積極的に摂っていきましょう。

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