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クルクミンが大腸腺腫(大腸ポリープ)の増大を抑える?徳島大学が約600人を2年間調査

カレーの黄色い色のもととして知られる「クルクミン」。

ウコン(ターメリック)に含まれる成分ですが、このクルクミンと大腸がん予防について興味深い研究結果が発表されました。

徳島大学などの研究グループが全国26施設、約600人を対象に2年間のランダム化比較試験を行ったところ、クルクミンを摂取したグループでは、6mm以上の比較的大きな大腸腺腫(ポリープ)の発生リスクが約44%低かったことがわかりました。

ただ、この研究は「クルクミンを摂れば大腸がんを予防できる」という研究ではありません。

では、何がわかったのでしょうか?

■クルクミンを2年間摂取するとどうなった?

今回の研究対象となったのは、大腸腺腫を内視鏡で摘除した約600人です。

研究では対象者を、

高吸収型クルクミン「セラクルミン®」を摂取するグループ
有効成分を含まないプラセボを摂取するグループ

に無作為に分けました。

患者と医療者の双方がどちらを摂取しているかわからない「二重盲検法」で2年間投与し、その後、大腸内視鏡検査で新たに発生した腺腫を調べています。

その結果、まず押さえておきたいのは、主要評価項目である「大腸腺腫全体の発生率」については、クルクミン群とプラセボ群で有意な差がなかったことです。

つまり、クルクミンを摂取すれば大腸ポリープそのものができなくなる、という結果ではありませんでした。

ところが、腺腫の「大きさ」に注目すると違いがありました。

■6mm以上の比較的大きな腺腫が13.3%から7.5%に

6mm以上の腺腫の発生率は、

プラセボ群:13.3%
クルクミン群:7.5%

となり、クルクミン群では発生リスクが約44%低くなりました(相対リスク0.56、95%信頼区間0.33~0.95)。

さらに、6mm以上の腺腫の個数もクルクミン群で少なく、発生した腺腫全体についても、その大きさが小さかったことがわかりました。

研究グループは、この結果について、クルクミンは腺腫ができること自体を完全に防ぐというより、腺腫が大きくなることや進展することを抑えている可能性を示しています。

では、なぜ「腺腫が大きくならなかった」ことが重要なのでしょうか?

■大腸がんと「腺腫」の関係

ここで知っておきたいのが、大腸がんと「大腸腺腫(腺腫性ポリープ)」との関係です。

大腸がんには複数の発生経路がありますが、国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024」でも、大腸がんの主な発生経路の一つとして「adenoma-carcinoma sequence(腺腫・がん連続説)」が挙げられています。

また、国立がん研究センター「大腸がんのリスクファクター」では、大腸がんの大部分は腺腫性ポリープから発生する一方で、ほとんどの腺腫性ポリープは良性であり、がん化するのは一部であると説明されています。

大事なのはここからです。

ポリープは大きいほど大腸がんになるリスクが高く、また、ポリープのできやすい人は大腸がんになるリスクが高いとされています。

つまり、大腸がん予防を考えるうえでは、

腺腫を見つけて適切に取り除く

ことに加えて、

「大きくしない」「繰り返し増えるのを抑える」

というアプローチも研究する価値があるわけです。

以前HAKURAIDOUでも、「大腸ポリープの手術内容・大腸ポリープ切除後の食事の注意点」の記事で、ポリープの大きさとできやすさに注目し、「大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチ」と紹介しました。

今回のクルクミン研究は、まさにこの点で興味深い研究なのです。

■ポリープができやすい人にも注目

もう一つ興味深い結果があります。

今回の研究では、過去に摘除された大腸腺腫の数が多い人ほど、クルクミンによる再発抑制効果が高くなる傾向がみられました。

特に過去に6個以上の腺腫を摘除していた人では、2年後に4個以上の腺腫が発生するリスクが、プラセボ群より低くなりました(リスク比0.40)。

つまり今回、

「比較的大きな腺腫が少なくなった」

だけでなく、

「もともと腺腫を繰り返していた人ほど効果が大きくなる可能性が示された」

という結果が出たわけです。

ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高く、ポリープのできやすい人ほど大腸がんリスクが高いとされていることを考えると、この2つに関係する結果が得られたことが今回の研究の興味深いポイントといえます。

■「クルクミンで大腸がんを予防できる」という研究ではない

ただし、ここは非常に重要です。

今回確認されたのは、大腸がんそのものの発症が減ったことではありません。

研究グループも、今後さらに長期間追跡することによって、クルクミンが大腸がんそのものの発症予防につながるのかを検証する必要があるとしています。

そして、もう一つ注意したいポイントがあります。

今回の研究で使われたのは、普通のカレーやウコンそのものではなく、通常のクルクミンより吸収性を高めた高吸収型クルクミン「セラクルミン®」です。

したがって今回の結果から、

「カレーをたくさん食べれば大腸がんを予防できる」

と考えたり、市販のクルクミンサプリメントに同じ結果をそのまま当てはめたりすることはできません。

■それでも今回の研究が面白い理由

今回の研究の面白さは、「クルクミン=がん予防」という単純な話ではありません。

むしろ、

「大腸がんにつながる可能性がある腺腫を、大きくしない、繰り返し増やさないための方法になりうるのではないか」

という可能性を、実際に人を対象とした臨床試験で調べたところにあります。

約600人を対象に、全国26施設が参加するランダム化・二重盲検・プラセボ対照試験として2年間検証され、6mm以上の腺腫の発生率・個数・大きさについて抑制が認められました。また、有害事象の発生頻度について両群に差はありませんでした。

大腸腺腫そのものを完全に防ぐことはできなかった。

けれども、「大きくなるのを抑える」という別の可能性が見えてきた。

そして、その意味を考えるとき、大腸がんと腺腫の関係が重要になってくるわけです。

今後、長期追跡によって大腸がんそのものの発症予防につながるのかが明らかになれば、さらに興味深い研究になりそうです。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック・原因・予防 について詳しくはこちら

【関連記事】
大腸がんになりにくい体質にするための方法|#ガッテン(#NHK)
腺腫と大腸がんの関係について紹介しています。
大腸ポリープの手術内容・大腸ポリープ切除後の食事の注意点
実際に大腸ポリープの手術を受けた方へのインタビューです。
ドランクドラゴン塚地さんにガン化の可能性の高い直径8mmの大腸ポリープが見つかる
ポリープの大きさと大腸がんリスクについて紹介しています。

【参考文献・参考資料】
徳島大学「カレー粉成分クルクミンが大腸前がん病変の再発を抑制 ~全国26施設・約600人のランダム化比較試験を実施~」、2026年9月25日。
Takayama T, Okamoto K, Ishikawa H, et al. Curcumin Suppresses Growth of Recurrent Colorectal Adenoma After Endoscopic Resection: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Trial. The American Journal of Gastroenterology. Accepted manuscript, August 28, 2026. DOI: 10.14309/ajg.0000000000004193.
国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024」。大腸がんの発がんメカニズム、リスク、検診などについての資料。
井上真奈美・田島和雄「大腸がんのリスクファクター」国立がん研究センター。腺腫性ポリープの大きさ・できやすさと大腸がんリスクについて。
国立がん研究センターがん対策研究所「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版」。

BRAHMANのメンバーTOSHI-LOWさん、S状結腸がん(大腸がん)を発表

BRAHMANのXの投稿によれば、BRAHMANのメンバーのTOSHI-LOWさんが「S状結腸がん(大腸がん)」と診断され、近日中に切除手術を行い、一定期間療養することが発表されました。

→ 大腸がんの症状・初期症状・原因 について詳しくはこちら

■【補足】S状結腸とは?

大腸は、盲腸・結腸・直腸に分けられ、結腸は、さらに上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸に分けられます。

【有名人と大腸がん】

■大腸がんの症状

「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

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 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

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この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

▶ この街の中心に置いている憲法を読む

中村ゆりさん(44歳)、直腸がんのため死去。

女優・中村ゆりさんが死去 44歳 直腸がん 所属事務所が発表【全文あり】(2026年9月14日、スポーツ報知)によれば、中村ゆりさんが直腸がんのため亡くなりました。44歳でした。

中村さんは2026年7月13日に腸閉塞にかかったことを発表し、2027年1月スタートのNHKドラマ10「デンジャラス」の出演を降板していました。

所属事務所の発表によれば、中村さんは13年前にもがんを患っていましたが、その時は病名を明かしておらず、その後寛解しておりました。

しかし、2025年1月にふたたびがんが見つかり、手術は成功したものの、術後に転移が見つかり、根治・寛解は難しかったそうです。

■直腸がんとは?

大腸は、結腸、直腸に分かれていますが、直腸がんとは、大腸の一番肛門に近い「直腸」に発生するがん。

■有名人と大腸がん

【関連記事】

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

■大腸がんの症状・サイン

■大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因

大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因であると考えられています。

大腸がんのリスクファクター|国立がん研究センター

大腸がんの大部分は腺腫性ポリープから発生するが,一方,ほとんどの腺腫性ポリープは良性であり,がん化するのは一部である.ポリープの大きさが大きければ大きいほど大腸がんになるリスクが高くなる.また,ポリープのできやすい人は,大腸がんになるリスクが高い.

ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高くなり、また、ポリープの出来やすい人は大腸がんになるリスクが高いことから、大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチといえます。

そのためにも定期的に病院で診ていただくのが大腸がん予防にとって大事なのですが、コロナ禍というのはそういう意味でも怖い存在と言えそうです。

■大腸ポリープを予防する方法

大腸がんになりにくい体質にするための方法|#ガッテン(#NHK)

大腸がんでは、直系の親族に大腸がんの人がいることは、大腸がんのリスク要因とされていますが、生活習慣を改善することによって大腸がんになりにくい体質にすることも可能なのだそうです。

●禁煙

●アルコールを控える

肥満や飲酒なども大腸がんリスクとされています。

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

厚労省が初の「飲酒ガイドライン」/ビール一杯で大腸がんリスクが高くなる/生活習慣病のリスクを高める飲酒量はどれくらい?/純アルコール量を計算する方法

大腸がんの場合は、1 日当たり約 20g程度(週 150gグラム)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がる等の結果を示した研究があります。

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、大腸がんのリスク要因として最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。

女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。

国立がん研究センターによれば、アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。

また、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまいます。

飲酒はがんの原因なのか?|肝臓がん・大腸がん・食道がん・乳癌(閉経後)・口腔がんのリスクが高くなるによれば、最近の国際的な評価では、アルコールが直接触れる消化管(口腔・咽頭・喉頭・食道)、アルコールを代謝する肝臓、そして女性ホルモンの影響が大きい乳房のがん、大腸がんのリスクが確実に高くなるとされています。

また、日本におけるアルコールによるがんのリスクは、2008年7月現在、肝臓、食道、大腸については「確実」と判定されています。

【関連記事】

●運動

運動は、大腸がん予防に非常に効果が高いことがわかっているそうです。

全身運動(水泳・ジョギング・ダンスなど)がおすすめなのだそうです。

※大腸がん危険度チェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が運動不足に該当します。

●葉酸

【みんなの家庭の医学】大腸がん予防に葉酸の多い海苔|10月20日によれば、大腸がんのリスクを高める大腸ポリープのできやすさと葉酸の濃度には関係があるといわれ、血液中の葉酸濃度の値が8ng/ml(ナノグラム)以上あれば、女性なら大腸ポリープの頻度が約2割減、男性なら約5割減するそうです。

→ 葉酸の多い食品 について詳しくはこちら

→ 大腸がんの症状・初期症状・原因 について詳しくはこちら

■葉酸と大腸がんについて

■葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示している

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター

大腸発がんには、DNAのメチル化が関わっていると考えられています。適切なDNAメチル化の維持には、葉酸が重要な役割を果たしていることが知ら れています。葉酸は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)、メチオニン合成酵素(MTR)、メチオニン合成酵素還元酵素(MTRR)などの酵素群とビタミンB2、B6、B12などの補酵素群の働きにより代謝され、DNAのメチル化に必要なメチル基を供給しています(図1)。

葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取については、大腸腺腫との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。

大腸がんの発がんにはDNAのメチル化がかかわっていると考えられており、葉酸が重要な働きを果たしていると考えられますが、葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取と大腸腺腫との間に統計学的な関連は見られなかったようです。

メチオニン合成酵素 の遺伝子多型とアルコール摂取および葉酸摂取との間に交互作用を認めたことは、「葉酸代謝が大腸発がんの初期段階において重要な役割を果たしている」とするこれまでの研究結果を支持するものであると考えられます。

ただ、葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示していることは間違いないようです。

■葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られない

血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

これまでの研究では、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが示されていますが、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性があります。また、葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性を示す研究結果もあります。また、ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなるという研究結果もあります。

葉酸と大腸がんの関係については様々な研究が行なわれています。

  • 葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなる
    しかし、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性
  • 葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性
  • ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなる

多目的コホート研究では、男女とも、葉酸濃度が高くなっても、大腸がんリスクが下がるという関連はみられませんでした(図1)。また、飲酒量でグループ分けしても、結腸がんと直腸がんに分けて調べても、どのグループでも男女とも関連は見られませんでした。

国立がん研究センターが発表している多目的コホート研究によれば、葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られなかったそうです。

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニンは、生体内でのメチル代謝において、それぞれ異なる役割を担っています。アルコールやアセトアルデヒドはそれらの代謝経路を阻害したり、栄養素を破壊したりすることによって、大腸がん発がんの初期段階である遺伝子の低メチル化を引き起こすと考えられます。

今回、特にビタミンB6と大腸がんの関連が強かった理由として、日本人の一般的な食事からは葉酸やビタミンB12は十分取れるのに対し、ビタミンB6摂取量は不足していることが挙げられます。その最大の摂取源は白米ですが、茶碗1杯(約150g)に約0.03mgのビタミンB6しか含まれていません。ビタミンB6を多く含む食品(魚・ナッツ・穀類等)を積極的に摂取することが、大腸がんの予防につながる可能性があります。

日本人の一般的な食事からは葉酸は十分に摂取できるため、差が見られなかった可能性が考えられます。







【関連記事】

「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

▶ この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

▶ 料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

▶ この街の中心に置いている憲法を読む

【NHKトリセツショー】大腸がん対策の切り札!早期発見で生存率90%超・つい受けたくなる検診の仕組み




2026年9月3日放送のNHK「あしたが変わるトリセツショー」のテーマは「がん対策(大腸がん)のトリセツ」。

■大腸がんの基本(なぜ今対策が必要か)

日本人が最も多くかかるがん。死亡者数は男性2位・女性1位で増加傾向(年間約5万人以上が命を落とす)。

早期発見なら5年相対生存率90%以上で、多くの場合、負担の少ない内視鏡手術で治療可能。

国は40歳以上の便潜血検査(検便)を推奨しているが、日本の受診率は50%未満と海外に比べ低く、これが死亡率を押し上げる大きな要因になっています。

大腸がんは自覚症状がほとんどない早期段階で発見することが最大のポイント。

進行すると血便・下血、貧血、便の変化(細くなる・残る感じ)などが現れます。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

■検診を「つい受けたくなる」仕組み

●与那国島プロジェクト

受診率が約20%と特に低い沖縄・与那国島を舞台に「大腸がん撲滅プロジェクト」を実施。

●全国自治体連携の大プロジェクト(がん対策のトリセツ/希望の虹プロジェクト連動)

大腸がん対策の「切り札」(特別な検診案内ハガキ・リーフレットなど)を47都道府県の約260万人以上の自宅に実際に届ける。

■実践的なトリセツ(行動につなげるポイント)

●検診の流れ

便潜血検査(自宅で簡単)→陽性の場合は精密検査(大腸内視鏡など)。陰性でも定期的な受診が推奨される。

便潜血検査の正しい採取方法のコツは「検便採取キットの棒を便に挿すのではなく、便の表面をこするようにするとよい」。

●心理的な壁を超える工夫

検査への抵抗感(下剤の負担、恥ずかしさなど)を軽減するナッジや、家族・友人への「案内渡し」で相互に促し合う仕組み。

※ナッジ(nudge)とは、命令や強制、大きな金銭的インセンティブを用いずに、小さなきっかけや環境の工夫によって人々の行動を自然と望ましい方向へ導く手法(行動経済学の概念)です。

●予防の視点

生活習慣(食事・運動・禁煙・適正体重など)も重要ですが、「早期発見のための検診の受診」を最優先にしましょう。

■まとめ

最近は有名人の方の大腸がんが話題になり、関心が高くなっています。

大腸がん検診を受ける方が増えることで、早期発見・早期治療される方が増えるといいですね。

【関連記事】

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

【補足】

■大腸がんの症状

■大腸がんのリスク要因

■大腸がんの治療・予防

■大腸がんになりにくい体質にするための方法

大腸がんでは、直系の親族に大腸がんの人がいることは、大腸がんのリスク要因とされていますが、生活習慣を改善することによって大腸がんになりにくい体質にすることも可能なのだそうです。

●禁煙

●アルコールを控える

肥満や飲酒なども大腸がんリスクとされています。

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコール摂取と大腸腺腫との間には、統計学的有意な正の関連が見られました(傾向性P = 0.04)。非飲酒グループに比べ、週300g以上飲酒している大量飲酒グループでは、大腸腺腫のリスクが約1.5倍上昇していました。

飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。

女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。

アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコールには、葉酸の腸吸収を阻害したり、腎排泄を促進したりする作用があるため、その摂取により体内の葉酸レベルが低下することが知られています。

●運動

運動は、大腸がん予防に非常に効果が高いことがわかっているそうです。

全身運動(水泳・ジョギング・ダンスなど)がおすすめなのだそうです。

※大腸がん危険度チェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が運動不足に該当します。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

■大腸ポリープ・大腸がんを予防する方法

●葉酸

【みんなの家庭の医学】大腸がん予防に葉酸の多い海苔|10月20日によれば、大腸がんのリスクを高める大腸ポリープのできやすさと葉酸の濃度には関係があるといわれ、血液中の葉酸濃度の値が8ng/ml(ナノグラム)以上あれば、女性なら大腸ポリープの頻度が約2割減、男性なら約5割減するそうです。

→ 葉酸の多い食品 について詳しくはこちら

→ 葉酸の効果|妊娠初期・うつ・動脈硬化・大腸がん について詳しくはこちら

【関連記事】

■葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示している

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター

大腸発がんには、DNAのメチル化が関わっていると考えられています。適切なDNAメチル化の維持には、葉酸が重要な役割を果たしていることが知ら れています。葉酸は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)、メチオニン合成酵素(MTR)、メチオニン合成酵素還元酵素(MTRR)などの酵素群とビタミンB2、B6、B12などの補酵素群の働きにより代謝され、DNAのメチル化に必要なメチル基を供給しています(図1)。

葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取については、大腸腺腫との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。

大腸がんの発がんにはDNAのメチル化がかかわっていると考えられており、葉酸が重要な働きを果たしていると考えられますが、葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取と大腸線種との間に統計学的な関連は見られなかったようです。

メチオニン合成酵素 の遺伝子多型とアルコール摂取および葉酸摂取との間に交互作用を認めたことは、「葉酸代謝が大腸発がんの初期段階において重要な役割を果たしている」とするこれまでの研究結果を支持するものであると考えられます。

ただ、葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示していることは間違いないようです。

■葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られない

血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

これまでの研究では、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが示されていますが、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性があります。また、葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性を示す研究結果もあります。また、ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなるという研究結果もあります。

葉酸と大腸がんの関係については様々な研究が行なわれています。

  • 葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなる
    しかし、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性
  • 葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性
  • ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなる

多目的コホート研究では、男女とも、葉酸濃度が高くなっても、大腸がんリスクが下がるという関連はみられませんでした(図1)。また、飲酒量でグループ分けしても、結腸がんと直腸がんに分けて調べても、どのグループでも男女とも関連は見られませんでした。

国立がん研究センターが発表している多目的コホート研究によれば、葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られなかったそうです。

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニンは、生体内でのメチル代謝において、それぞれ異なる役割を担っています。アルコールやアセトアルデヒドはそれらの代謝経路を阻害したり、栄養素を破壊したりすることによって、大腸がん発がんの初期段階である遺伝子の低メチル化を引き起こすと考えられます。

今回、特にビタミンB6と大腸がんの関連が強かった理由として、日本人の一般的な食事からは葉酸やビタミンB12は十分取れるのに対し、ビタミンB6摂取量は不足していることが挙げられます。その最大の摂取源は白米ですが、茶碗1杯(約150g)に約0.03mgのビタミンB6しか含まれていません。ビタミンB6を多く含む食品(魚・ナッツ・穀類等)を積極的に摂取することが、大腸がんの予防につながる可能性があります。

日本人の一般的な食事からは葉酸は十分に摂取できるため、差が見られなかった可能性が考えられます。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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疲れたT細胞が出すIL-26が大腸がんを強くする仕組みを解明




順天堂大学などの研究グループが、2026年7月にNature Communications誌で発表した論文によれば、大腸がんで、疲れたT細胞が出すIL-26が、がん細胞の核に直接入り込んで遺伝子のスイッチを変え、がんを攻撃するT細胞の働きを邪魔する免疫細胞を呼び寄せてがんを強くし、治療を効きにくくするという新しい仕組みがわかりました。

■背景:なぜこの研究が重要か?

大腸がんは日本でも患者数が多く、治療が難しいがんのひとつです。

特に「免疫チェックポイント阻害薬」(がんを攻撃するT細胞のブレーキを外して活性化させる治療)が効かない(治療抵抗性になる)ケースが少なくありません。

がん組織の周りでは炎症が起きやすく、この炎症ががんをさらに悪性にしたり、治療を効きにくくしたりすることが知られています。

しかし、「炎症がどうやってがん細胞の遺伝子の働きを変えてしまうのか」という詳しい仕組みはよくわかっていませんでした。

■主な発見

IL-26という分子が鍵です。

研究チームは、免疫治療に抵抗性のある大腸がん患者のデータを調べ、IL-26という炎症性サイトカイン(免疫細胞から出る情報伝達物質)に注目しました。

IL-26は、腫瘍の周りに集まった「疲弊した(働きが弱った)T細胞」(特にtype 17と呼ばれる特殊なT細胞)から多く産生されます。

大腸がん患者で全体的に発現が高く、胃がんや食道がんでも同様の傾向が見られます。

マウス実験でも、IL-26があると免疫治療の効果が大きく下がることが確認されました。

■IL-26ががんを悪性化させる仕組み

ここがこの研究の一番新しいポイントです。

通常のサイトカインは細胞表面の受容体に結合して信号を送りますが、IL-26はもっと直接的に働きます。

1)腫瘍特異的なtype 17 T細胞がIL-26を放出する(疲れたT細胞がIL-26を出す)。
2)IL-26ががん細胞の中に入り、核(細胞の司令塔)まで到達する。
3)核内で遺伝子調節因子(STAT1やBRD4など)と結合し、転写複合体を形成する(遺伝子のスイッチをコントロールする部品とくっつく)。
4)エピジェネティックな変化を起こす。DNA配列そのものは変わらずに、遺伝子の「オン・オフ」のスイッチが変わる。具体的には、BRD4やH3K27acが集まって遺伝子が活性化しやすい状態になる。
5)その結果、がん細胞がCXCLケモカイン(CXCL1、2、3など)を通常の数千倍も大量に産生する(「CXCL」という呼び寄せ物質を大量に作る)。
6)CXCLケモカインが好中球などの骨髄由来の免疫細胞を大量に呼び寄せる。
7)これらの細胞が、がんを攻撃するCD8陽性T細胞の働きを抑え込む。
8)結果として、免疫回避(がんが免疫から逃げやすくなる)、腫瘍の進行、免疫治療抵抗性が進む。

簡単に言うと、「疲れたT細胞が出すIL-26が、がん細胞の核に直接入り込んで悪性化のスイッチを押す」ようなイメージです。

T細胞由来の分子ががん細胞の遺伝子制御にここまで直接関与する現象は、これまであまり考えられていませんでした。

■治療への可能性

マウスモデルでIL-26やBRD4を阻害すると、がんの悪性化や免疫治療抵抗性が弱まりました。

つまり、免疫の薬も効きやすくなりました。

IL-26はマウスやラットには存在しない、人間にだけある分子のため、これまで見過ごされやすかったのですが、ヒト特有の標的として有望です。

今後、IL-26を標的にした治療法や、このエピジェネティックな仕組みを逆手に取った新しいアプローチが期待されます。

また、IL-26は自己免疫疾患や線維症、COVID-19感染時などでも上昇することが知られており、がん以外の慢性炎症疾患への応用も視野に入っています。

■まとめ

今回の研究でわかったのは、大腸がんで疲れたT細胞が出すIL-26が、がん細胞の核に直接入り込んで遺伝子のスイッチを変え、攻撃するT細胞の働きを邪魔する免疫細胞を呼び寄せてがんを強くし、治療を効きにくくするという新しい仕組みです。

「IL-26ががん細胞の中に入って直接スイッチをいじる」というイメージですね。

今後、IL-26を標的とした治療開発により、免疫治療が効きにくい大腸がんなどへの新しい道が開ける可能性が期待されます。

【参考文献】

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら







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