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【たけしの家庭の医学】大豆のβコングリシニンがFGF21を増加させ脂肪肝改善!大豆製品の摂取量!

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2018年12月4日放送の「たけしの家庭の医学」では「大豆で脂肪肝改善!」について取り上げました。




【目次】

■脂肪肝とは?

肝臓に中性脂肪が蓄積し、肝臓についた脂肪の量が5%を超えると「脂肪肝」となります。

脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら

フィブロスキャン検査の特徴は痛みを伴わない、繰り返し検査できる、経時的な評価が可能である点。フィブロスキャンはプロ―ベ体の外から押し当て、ボタンを押して2種類の波(せん断波・超音波)を発信する。せん断は肝硬度(肝線維化)、超音波は肝脂肪蓄積量の測定に使われる。
フィブロスキャン検査の特徴は痛みを伴わない、繰り返し検査できる、経時的な評価が可能である点。フィブロスキャンはプロ―ベ体の外から押し当て、ボタンを押して2種類の波(せん断波・超音波)を発信する。せん断は肝硬度(肝線維化)、超音波は肝脂肪蓄積量の測定に使われる。

NASHを判定する指標となる「肝臓の線維化の程度(肝硬度:LSM)」と「脂肪の蓄積の程度(肝脂肪蓄積度:CAP)」を同時に測定することができる超音波などを出すフィブロスキャンという装置で計測を行ないました。

【肝臓にたまった脂肪の量(dB/m)】

230以上 脂肪肝の疑い

250以上 脂肪肝

※この数値は病院によって違いがあります。

【関連記事】

脂肪肝になると、糖尿病になりやすくなったり、男性では大腸がん、女性では乳がんになりやすくなるなど病気になるリスクが高まります。

つまり、脂肪肝を予防・改善することがその他の病気の予防につながるということです。

■大豆に含まれるβコングリシニンが善玉ホルモンFGF21を増加させ脂肪肝改善!

そこで、今回脂肪肝の改善に役立つ食材として紹介したのが「大豆」です!

東京大学の佐藤隆一郎教授の研究グループが行ったラットによる実験を参考にすると、大豆に含まれるβコングリシニンを摂取させると、肝臓から分泌される善玉ホルモンFGF21の分泌が活発化し、肝臓の余分な中性脂肪を燃焼させると考えられます。

【参考リンク】

FGF21は脂肪肝の改善や中性脂肪値の改善だけでなく、血糖値やコレステロール値の改善にも効果があるそうです。

βコングリシニンといえば、様々な番組で取り上げられています。

【名医のザ太鼓判】長生きホルモンを増やす食品「大豆&オカラ」!|免疫力年齢が「蒸し大豆」食前20粒で若返り|カレーライスのウコン(ターメリック)に含まれるクルクミン|8月6日によれば、大豆のタンパク質に含まれるβコングリシニンが、内臓脂肪や中性脂肪を減らし、長生きホルモンを増加させ、糖尿病予防や血管修復などの健康効果が得られると紹介されています。

大豆や野菜で「アディポネクチン」を増やしてメタボリック対策をしよう!によれば、アディポネクチンは、糖尿病高脂血症高血圧を抑制し、動脈硬化を予防・改善することで注目を集めているホルモンですが、アディポネクチンを増やす食材として、大豆たんぱく質(豆腐・納豆などの大豆製品)が紹介されており、アディポネクチンを増やす「βコングリシニン(ベータコングリシニン)」は豆腐や納豆をはじめとする大豆食品(大豆たんぱく)に含まれているそうです。

難しいことはわからなくても、大豆製品が体にいいことはわかりましたが、では、毎日どれくらいの大豆製品を食べればよいのでしょうか?

■毎日どれくらいの大豆製品を摂取すればいいの?

大豆をどれだけ食べたらいいのかはまだ研究結果は出ていないそうです。

ただ、一日100gを食べれば脂肪肝の改善効果が期待できるのではないかと考えられるそうです。

大豆製品には、大豆そのものはもちろんのこと、豆乳・豆腐・納豆・油揚げ・味噌・きな粉などがあり、大豆をペースト状にしたみそ汁にした呉汁や大豆ごはんなどレシピもたくさんありますので、取り入れやすいですよね。

ぜひ脂肪肝を改善するためにも、1日100gの大豆製品を摂りましょう!

脂肪肝の改善方法 について詳しくはこちら







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国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができること




【目次】

■国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|健康格差を広げないために私たちができること

Compassion Sandy 05-06-2017

by Compassion Connect(画像:Creative Commons)

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」

(2017/6/30、日本経済新聞)

日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

最近ではよく「健康格差」について取り上げられています。

健康格差とは、所得や学歴など社会的・経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことです。

日本でも注目されている「健康格差」ですが、日本と欧米との大きな違いは、日本は国民皆保険制度を採用しているため、欧米ほど健康格差はないといえるでしょう。

しかし、今回取り上げたニュースによれば、将来的には、健康格差は日本でも問題となるかもしれません。

「成り上がり」は死亡率が高い?

(2009/8/11、プレジデント)

日本は皆保険制度を採用しているため、まだ健康格差はあまり顕在化していない。

しかし、低所得者の場合、家計に占める医療費の比率が高くなり、医療サービスを受けにくくなりがちとなるうえ、国民健康保険料の納入が滞っている人も増えているという現状があり、すでに格差の芽が出始めている。

2015年度の医療費は41.5兆円|高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えているによれば、2015年度の医療費は昨年度に比べて3.8%増えて、41.5兆円となったそうです。

その理由としては、高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えていることにあり、今後も医療費は増えていく予想がされているそうです。

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●高齢化

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

●薬剤費の急増

医療費最高41・5兆円…高齢化や薬剤費急増で

(2016/9/14、読売新聞)

特に調剤は前年度から6800億円(9・4%)増と大幅に伸びており、厚労省は「C型肝炎の治療薬など高額薬剤の使用が増えたことが全体を押し上げた」と分析している。

薬剤費の急増の理由の一つに「薬の飲み忘れ問題」と「高齢者の薬のもらい過ぎ問題」が隠されているのではないでしょうか。




■薬の飲み忘れ問題

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法によれば、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になるそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

【関連記事】

脳梗塞患者向けの薬の飲み忘れを知らせる「IoTピルケース」と専用アプリの開発へ|大塚製薬・NECによれば、脳梗塞の患者の場合、薬をうっかり飲み忘れたり、自己判断で止めたりすると、服薬率が半年で約5割まで下がる――という研究結果があり、服薬の継続が課題になっているそうです。

どんなに治療が大事だと認識していても、何らかの理由で治療が継続できないことがあることで、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

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■「高齢者の薬のもらい過ぎ問題」

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、次のような理由で高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きています。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

例えば、認知症の人への薬の提供方法の問題について考える|認知機能が低下すると、たくさんの薬が出ると、飲まない、飲めないことが起こるによれば、認知症になると、飲む必要がある薬も認知機能の低下によって、飲まない・飲めないということが起こり、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

個人と服薬情報をかかりつけ医・かかりつけ薬剤師が見れるようにすることができれば、高齢者の薬のもらい過ぎ問題の解決につながり、服薬忘れの防止につながるのではないでしょうか。

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■まとめ

今後医療費の増大が見込まれます。

そのためにも「薬の飲み忘れ問題」と「高齢者の薬のもらい過ぎ問題」を解決する必要があります。

服薬防止システム(いま注目のIotを利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知するシステム)や自動的に薬を投与するインプラントなどのテクノロジーで解決するアプローチが考えられますし、また、個人の服薬情報をかかりつけ医・かかりつけ薬剤師が共有にすることができれば、薬の飲み忘れともらい過ぎの両方を解決することにつながるのではないでしょうか。

もう一つ考えられるのは、予防医療・予防医学・予測医療といった考え方です。

がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

そして、この医療費増大の問題を解決するにあたって、「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」という障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資を活用すればいいのではないでしょうか。

例えば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したそうです。

実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

【参考リンク】

みんなが安心して過ごせる社会にするためにどのようなことができるのか、みんなで考えてみましょう。







【健康格差 関連記事】
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健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプラン




■健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプラン

Numbers And Finance

by Ken Teegardin(画像:Creative Commons)

健保、4分の1超が解散危機=25年度試算-健保連

(2017/9/25、時事通信)

健康保険組合連合会(健保連)は25日、大企業が社員向けに運営する健康保険組合の4分の1を超える380組合が、財政悪化で2025年度に解散危機を迎えるとの試算を発表した。

健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

試算では、健保組合の平均保険料率は15年度の9.1%から25年度に11.8%に上昇。380組合の25年度推計保険料率は12.5%以上になり、中小企業の社員らが加入する「協会けんぽ」の保険料率を超える計算だ。
 健保組合の保険料率が協会けんぽより高くなると、企業は自前で健保を運営する必要がなくなり、解散につながる。

健保組合の保険料率が協会けんぽの保険料率を超えると、企業は健保組合を運営する必要がなくなるため、解散につながっていくそうです。




■まとめ

健康保険組合の財政悪化、高齢者医療費負担増で(2008/10/9)によれば、健康保険組合(健保組合)の中には、高齢者医療費の増加による負担増により、健保組合を解散したところも出ていて、例えば、西濃運輸健保組合は、高齢者医療への拠出金が増加したため、赤字となり、保険料率を引き上げる必要に迫られたため、解散し、保険料率の低い政管健保に移ることとなりました。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、健康保険組合の財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

この状況を変えるためにも、大きく舵を切る必要があるのではないでしょうか?

そのプランとしては2つあり、1つは、現役世代は予防医療・予防医学・予測医療に変えていくということ、もう一つは、高齢者がフレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことです。

■予防医療・予防医学・予測医療に変えていく

「日本は予防型医療へのパラダイムシフトを」

(2017/9/13、日経デジタルヘルス)

2017年版の白書では、疾病の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防(志向)型医療」への転換の重要性を訴えた。これにより、国民の生産性向上と社会的コストの引き下げが可能になるとしている。

在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

例えば、がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

【関連記事】

■高齢者がフレイルの段階で、適切な介入・支援を行なう

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

ただライフスタイルを自分一人で変えていくのは難しいものですので、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことによって脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したように、また、東京都足立区の取り組みで足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたように、アメリカでは鉄欠乏症を予防するためにも鉄分を加えた強化小麦粉を義務付けているように、普段のライフスタイルの中で自然と健康に良い取り組みに変わっているというのが良いのではないでしょうか?

●イギリス食品基準庁、食品に塩分量の目標値を設定

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルによれば、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

現在、日本人の一日の塩分摂取量として推奨されているのは、10g未満です。

ただし、高血圧患者ではさらに基準が厳しく、1日6g未満となっています。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

●糖尿病患者を減らした東京都足立区の事例

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

まず実行したのは飲食店巡り。お客のお通しに野菜を提供するようにお願いし、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうように店側にお願いした。

その理由は血糖値の変化にある。野菜を炭水化物よりも先に摂取することにより、食物繊維が糖の吸収を遅らせて血糖値の変化量を約30%抑えられる。

東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

●鉄欠乏症を予防するアメリカの事例

鉄分を強化した小麦粉で鉄欠乏症・貧血を予防している国がある!【#みんなの家庭の医学】

鉄欠乏症を予防するためにも、鉄分を加えた強化小麦粉を義務付けている国があり、アメリカもそのうちの一国。

番組で紹介したアメリカのシリアルの中にはFDA(アメリカ食品医薬品局)が推奨する一日の鉄分摂取量を100%満たすものがあるなど、ほとんどのシリアルに鉄分が豊富に含まれているそうです。

その他の食品も日本と比べると鉄分が多く含まれているそうです。

●鉄分不足による貧血を予防するカンボジアの事例

カンボジアではサプリメントとして鉄分を補給したり、強化小麦粉を義務付けるのではない別の方法によって、鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったのですが、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

そこで、「Lucky Iron Fish」という鉄の塊を鍋に入れることにより、摂取する鉄分を増やすことができたそうです。

ある業界だけ、自治体だけが医療費の減少のために取り組むのではなく、社会全体で医療費の減少に取り組む時が来ていると思います。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

この第三の波には「インパクト投資」も含まれているそうです。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|#サキドリ↑(NHK)によれば、「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のことです。

例えば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したそうです。

実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

【参考リンク】

みんなが安心して過ごせる社会にするためにも、1.現役世代は予防医療・予防医学・予測医療に変えていくということ、2.高齢者がフレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうこと、について考えてみてほしいです。







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郵便番号のほうが遺伝子よりも健康に影響する?|「病気の上流を診る医療」|TED




【目次】

■郵便番号のほうが遺伝子よりも健康に影響する?|「病気の上流を診る医療」|TED

リシ・マンチャンダ at TEDSalon NY2014 病気の上流を診る医療

(August 2014、TED)

このより良いケア―ERへ行く回数を減らし より良い健康へと導いた 私達が試みた治療法とは どういったものだったのでしょうか それは ごく単純に「貴女は どこにお住まいですか?」 という質問から始まったのです しかしもっと重要なことは ベロニカやその他彼女のような 何百人もの患者に 南LAのような場所で 健康や 不幸なことに時には 病気の原因となる地域事情について 必ず質問するという システムを導入したことです

今回紹介するTED Talkで話すリシ・マンチャンダは、医師の仕事は患者の症状を治療するだけでなく、病気の根本原因を突き止めることであり、現在の医療システムの考え方を変えて、医師たちに「上流で起こる」要因、例えば栄養価に乏しい食事、過酷な仕事、新鮮な空気の不足などといった私達が生活をして、働き、食事や睡眠をとり、学び、遊ぶ、私達の生活の大半を過ごす場所を改善することによって、病気を未然に防ぐことを呼びかけています。

郵便番号の方が遺伝子よりも 健康に影響するということです また 郵便番号が私達の 遺伝子コードの形成に影響することが 分かってきています 後成的遺伝学(エピジェネティクス)の科学では 文字通りDNAが形成されている複雑な仕組みや 晒されている住環境や労働環境により スイッチを切り替える遺伝子の 分子メカニズムに目を向けています

郵便番号(どのような住環境・労働環境で過ごしているか)が健康に影響を与え、また、遺伝子コードの形成に影響することが注目されているそうです。

エピジェネティクスとは?意味|簡単にわかりやすくまとめました【入門編】|人生は「生まれ」か「育ち」かだけで決まるわけではない!|WHAT IS EPIGENETICS? LIFE IS NOT DETERMINED ONLY BY ‘NATURE’ OR ‘NURTURE’!によれば、母親がDNAの全く同じ子供たちを持ったとしても、妊娠中に食べた食事や喫煙といった行動によって、子供たちの健康に違いが現れる可能性を示唆しています。

もう一つ、エピジェネティクスにおいて重要なポイントは、エピジェネティック・マークが伝搬するのは妊娠中の母親から胎児へだけでなく、マークが卵子/精子の遺伝子に定着すると、孫、ひ孫というように世代から世代へと遺伝することです。

つまり、このことはライフスタイルが数世代先の子孫に影響するかもしれないと考えられます。

そこで、これから必要になるのは、上流での治療を行う専門医です。

上流での治療を行う専門医とは 健康は 私達が住み 働き 遊ぶ場所から始まることを 理解している医療専門家で その理解にとどまらず 彼らの診療所や病院で 上流で病気を食い止める システムを作るのに 必要な手段を行使し 診療所外で患者が 必要とする人的資源や リソースと彼らを 結びつけることのできる人のことです




■病気の上流を診る医療システムを阻む3つの課題とは?

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by U.S. Department of Agriculture(画像:Creative Commons)

しかし、このシステムを作るためには3つの課題があります。

1.病気の予防には医療費が支払われない

一つは そうしたことに 医療費が支払われません 医療の場では しばしば 質よりも量に対価が払われます 通常 医師や病院は 提供した処置の数に対して報酬を受けるため 必ずしも健康の回復の度合いが 評価されている訳ではありません

予防医療が広がることで、自分の健康状態を天気予報を見るようにダッシュボードで見て予測できるような未来になる!?で紹介した在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

予防医療に注目が集まっていますが、ポイントとなるのは、病気の予防に対して医師たちのインセンティブが不足するのではないかという点です。

介護報酬での改善インセンティブで賛否分かれる|「要介護度の改善=自立支援の成果」には6割が否定的|『自立支援への改善インセンティブの導入』に対するケアマネジャーの意識調査結果によれば、介護に携わる人の気持ちを考えると、自立支援を目指すという方向性はよかったとしても、評価基準があいまいであることなど、介護事業者の実態と自立支援の評価制度・基準にギャップがあることにより、要介護度の改善を自立支援の成果ととらえることについては約6割が否定的という結果となりました。

つまり、「病気の上流を診る医療」を実現するためには、病気の予防につながる医療を行った医師や病院・医療機関に医療費の代わりになるインセンティブが得られる仕組みを作り上げる必要があります。

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2.医師は患者の住まいや職場が重要であるとわかっていても、実際に質問しない

千人以上の米国の医師の間で 行われた最近の調査では その80%が 患者達が抱える上流での 問題について それらは患者たちの健康問題と 同じ位 重要だと 分かっていると実際に言いました このように上流の問題の重要性について 意識が浸透しているにも関わらず たった5人に1人の医師しか 「この問題に手を付け 健康状態を根本から改善できると思う」 と答えないのです

栄養価に乏しい食事、過酷な仕事、新鮮な空気の不足などの「上流で起こる」要因が健康に及ぼす影響を医師たちは理解していても、その問題を実際に対応する人が不足しているため、その質問を問いかけることがないそうです。

3.上流での対応を行なう人が不足している

ある推計によると 20から30の臨床医につき 上流を診る者が1人 必要なのです 例えば米国ではそれが 2020年までに2万5千人の 上流診断士が必要だということになります

例えば、住環境が病気を悪化させる原因である場合には不動産業界の人材と医師が連携を持つことがこの問題の解決につながるかもしれません。

ネットカフェ寝泊まり利用、「住居なし」25.8%!|ネットワーク格差の視点から考えるで紹介した東京都が平成28年11月~平成29年1月に、インターネットカフェ・漫画喫茶・サウナ等502店舗を対象に行なった調査によれば、ネットカフェに寝泊まりしている人の中には「現在『住居』がなく、寝泊りするために利用」である者(=住居喪失者)は、25.8%であることがわかったそうです。

生活が安定しないことから住居がないという人の場合には、平成27年4月から始まった、さまざまな困難の中で生活に困窮している人に包括的な支援を行う「生活困窮者自立支援制度」を利用して、相談を行ない、支援を受けるということもできるそうです。

【参考リンク】

■まとめ

保険とIOTを融合した健康増進サービスの開発に注目!|ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人は生命保険・医療保険の保険料が安くなる!?では、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社はFitbitを導入し、健康と運動データとの関係を分析する取り組みを行い、今後の新しい保険商品の開発を検討しているというニュースを取り上げましたが、保険会社各社が健康状態や生活習慣改善の取組みを考慮して保険料が設計される「パーソナル保険」の開発に取り組んでいるようです。

また、第一生命が取り組む「InsTech」とは?|保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)|医療ビッグデータの解析・健康な人ほど得をする保険商品の開発では、PHYSIO HEALTH|従業員向けの健康コーチをするモバイルヘルスプラットフォームのような、雇用主の健康保険料に対するコストを減らし、健康奨励プログラムに励む従業員に報酬を与えるシステムを企業と保険会社が組み合わせるということもあるのではないかという予測を紹介しましたが、実際にこうした取り組みが始まったようです。

「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証されるによれば、運動や検診など健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券などに交換する「健康ポイント制度」に、医療費を抑制する効果があることが初めて実証されたそうです。

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積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

【未来ビジョン】今後「生命保険業界の未来」はどうなる?|遠隔医療・予防医療・個人情報を一カ所に集約するサービスでも紹介しましたが、これからは保険会社の立ち位置が「病気になってからの保険」ではなく、「予防のための保険」というものになってきていることから、保険会社が予防医療における大事なプレーヤーになっていくかもしれません。

1.病気の予防に医療費を支払う仕組みができる、2.患者の住まいや職場について医師が尋ねるようになる、3.上流の対応を行なう人が増える、ことによって、予防医療は次のステップに進むと思いますので、どうすればこのアイデアが実現できるようになるのか、ぜひみなさんもいっしょに考えてみてくださいね。







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続きを読む 郵便番号のほうが遺伝子よりも健康に影響する?|「病気の上流を診る医療」|TED

予防医学・予防医療を早く進めるためには、医師・医療機関に対するインセンティブの仕組みを変える必要がある!




■予防医学・予防医療を早く進めるためには、医師・医療機関に対するインセンティブの仕組みを変える必要がある!

Doctor greating patient

by Vic(画像:Creative Commons)

このブログでは「予防医学」に関心をもって取り上げてきました。

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なぜ予防医学に関心を持ったのかは、病気になる前に予防治療を行なうほうが治る確率も、治療にかかる費用も少ないと考えたからです。

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国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

この状況を変えるためにも、大きく舵を切る必要があるのではないでしょうか?

そのプランとしては2つあり、1つは、現役世代は予防医療・予防医学・予測医療に変えていくということ、もう一つは、高齢者がフレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことです。

フレイルについてはこちら → 「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランで紹介した在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

例えば、がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

このように書くと「なぜ予防医療にシフトしていかないのか」と疑問に思いますよね。

しかし、予防医療を進めていくためには重大な課題があります。

それは、病気の予防には医療費が支払われないことです。

郵便番号のほうが遺伝子よりも健康に影響する?|「病気の上流を診る医療」|TEDで紹介したTED Talkで話すリシ・マンチャンダは、医師の仕事は患者の症状を治療するだけでなく、病気の根本原因を突き止めることであり、現在の医療システムの考え方を変えて、医師たちに「上流で起こる」要因、例えば栄養価に乏しい食事、過酷な仕事、新鮮な空気の不足などといった私達が生活をして、働き、食事や睡眠を取り、学び、遊ぶ、私達の生活の大半を過ごす場所を改善することによって、病気を未然に防ぐことを呼びかけています。

リシ・マンチャンダ at TEDSalon NY2014 病気の上流を診る医療(August 2014、TED)

多くの医師や医療機関も生活習慣・環境を見直して病気を予防することの重要性は十分承知のはずです。

しかし、病気の治療に比べて病気の予防に対する医師たちのインセンティブ(報酬)が足りないという問題があり、取り組むのが難しいのです。

どんなに病気の予防に取り組みことが大事だと思っても、医療従事者(医師や看護師など)を養い、医療機関も生活し、経営を行なっていかなくてはなりませんので、現状では予防ではなく治療を選択せざるを得ないのです。

つまり、「病気の上流を診る医療」を実現するためには、病気の予防につながる医療を行った医師や病院・医療機関にこれまでの医療費の代わりになるインセンティブ(例えば「予防医療費」)が得られる仕組みを作り上げる必要があります。

最近では、健康増進型保険のように健康的なライフスタイルの人に対してメリットがある仕組みができつつあります。

ただ、医師や医療機関に対しては病気の予防に対するインセンティブがないため、このままでは予防医療の歩みは遅いままでしょう。

もちろん、31歳で横浜市立大学の教授となった武部貴則教授が取り組む「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例のように、予防医学に取り組んでいる方もいらっしゃることは忘れてはいません。

しかし、もっと早く予防医学の社会に進むためには、医師や医療機関が予防医学に取り組むことのほうが得をする仕組みを作る必要があるということです。

「健康になりたければ病院を減らせ」の因果関係について考えてみた|#AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン|#NHKスペシャルでは、病院の数を減らすと、病気にならないように予防医療への関心が高まり、病気になる一歩前の段階の未病の段階で治療が行われるようになって、病気による死亡リスクが低下し、健康になるのではないかという仮説を考えましたが、医療機関自身が予防医療に熱心に取り組めば、「健康になりたければ病院を増やせ」という結果に変わるかもしれません。

予防医療に対するプロダクトやサービスに対する取り組みには、少しずつその兆しが見えてきています。

例えば、スマートスピーカーを活用して、日ごろと声の様子が違うことを認識して、病気を早めに察知する仕組みができるようになるのではないでしょうか?

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例えば、体型計測できるスーツを活用して、病気のシグナルを発信するようになるかもしれません。

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また、検索の質問履歴からすい臓がん早期発見につながる方法|マイクロソフトの研究者らのように、検索の質問履歴から病気のシグナルを発見する仕組みも考えられています。

私たちにとっては、健康や病気が気になると検索をするものですが、それが病気になってからではなく、病気になる前のより早い段階で予防医療に取り組むことができるようになるとよいのではないでしょうか?

そのためには、Googleの検索結果もより予防医療よりのアルゴリズムに変わっていくことが期待されます。

ただ、現状では医師や医療機関に対する予防医療へのインセンティブは低いため、検索結果を見たユーザーの意識は「治療」に向けられてしまいます。

医師や医療機関に対する予防医療のインセンティブを高めることができれば、予防医療に取り組むようになり、そして自然と検索結果が予防医療よりになり、人々の検索行動も”病気になってからではなく病気になる前に”と変わっていくようになるでしょう。

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予防医療にシフトしていくにあたっては、どのような基準にしたらよいかわからないというような問題も声も挙がることでしょう。

実際に、介護報酬での改善インセンティブで賛否分かれる|「要介護度の改善=自立支援の成果」には6割が否定的|『自立支援への改善インセンティブの導入』に対するケアマネジャーの意識調査結果によれば、介護に携わる人の気持ちを考えると、自立支援を目指すという方向性はよかったとしても、評価基準があいまいであることなど、介護事業者の実態と自立支援の評価制度・基準にギャップがあることにより、要介護度の改善を自立支援の成果ととらえることについては約6割が否定的という結果となりました。

ただ、今のままでは現在の医療制度は破たんしてしまいます。

すでに国民皆保険による医療は持続不能だと多くの医師たちから声が挙がっています。

予防医学に舵を切るタイミングは今なのです!

■最後に!

「風が吹けば桶屋が儲かる」的に予防医学にシフトしていくためのアイデアをまとめました。

1.企業・団体が病気の予防に取り組む製品・サービスを提供し始める

2.消費者自身が健康増進型サービスを積極的に利用する(企業などがそうしたサービスにシフトしていく)

3.投資家が病気の予防に取り組む製品・サービスを提供する企業・団体に投資する(人材・資金調達を含めて)

4.Googleの検索結果を予防医学を重視したアルゴリズムに変更する

5.国や地方自治体が病気の予防に取り組む製品・サービスを支援する

6.病気の予防を行なう医師・医療機関のとってのインセンティブを与える

7.病気の予防に対する研究・実践を医師・医療機関が行なう







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