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大腸がん患者の再発リスクを下げるのは「運動」!死亡リスクが37%低くなる!




ある研究によれば、運動が大腸がん患者の予後(病気経過や生存率)を改善できることを科学的に証明されました。

【参考リンク】

  • Courneya KS, Vardy JL, O’Callaghan CJ, Gill S, Friedenreich CM, Wong RKS, Dhillon HM, Coyle V, Chua NS, Jonker DJ, Beale PJ, Haider K, Tang PA, Bonaventura T, Wong R, Lim HJ, Burge ME, Hubay S, Sanatani M, Campbell KL, Arthuso FZ, Turner J, Meyer RM, Brundage M, O’Brien P, Tu D, Booth CM; CHALLENGE Investigators. Structured Exercise after Adjuvant Chemotherapy for Colon Cancer. N Engl J Med. 2025 Jun 1. doi: 10.1056/NEJMoa2502760. Epub ahead of print. PMID: 40450658.

まずはこの研究の理解を高めるためにこちらのストーリーをどうぞ。

大腸がんを乗り越えたアキラの物語:運動が変えた未来

第1章:診断と闘い

アキラは45歳の会社員。ある日、突然の腹痛で病院を訪れた彼は、大腸がんと診断された。ショックだったが、家族の支えと前向きな気持ちで治療に臨むことを決意。手術を受け、補助化学療法(再発を防ぐための薬物治療)を半年間続けた。化学療法の副作用で体は疲れ果て、未来への不安も募っていた。
「これからどうなるんだろう…再発したらどうしよう?」アキラは夜な夜なそんなことを考えていた。

第2章:二つの道

化学療法を終えたアキラは、病院で一つの提案を受けた。医師がこう言った。「アキラさん、研究に参加してみませんか?運動が大腸がんの再発や生存にどう影響するかを調べるものです。」
アキラは迷った。運動なんて、中学の体育以来ほとんどしていない。それでも、医師から詳しく話を聞くと、55の病院で889人の患者が参加する大規模な研究だとわかった。参加者はランダムに二つのグループに分けられる:
運動群:3年間、計画的な運動プログラムに参加する。

健康教育群:運動はせず、健康に関する資料を受け取るだけ。

アキラはくじ引きで「運動群」に選ばれた。「よし、やってみるか!」と自分を奮い立たせた。

第3章:新しい一歩

運動プログラムが始まった。最初は週に数回のウォーキングからスタート。トレーナーが「無理せず、でも継続が大事」と教えてくれた。アキラは最初、30分の散歩でも息が切れた。化学療法の影響で体力が落ちていたのだ。でも、仲間と一緒に歩くうちに、だんだん体が軽くなっていくのを感じた。
数か月後、ウォーキングに加えて軽い筋トレやストレッチも始めた。時には筋肉痛で「うっ」とうめいたが、トレーナーの励ましと、同じプログラムに参加する仲間たちの笑顔に支えられた。「みんなも頑張ってる。俺も負けないぞ!」アキラの心に火がついた。

第4章:7年後の奇跡

プログラムは3年間続いたが、アキラはその後も運動を習慣にしていた。7年後のある日、病院での定期検診で驚くべき結果を聞いた。医師が笑顔で言った。「アキラさん、素晴らしい結果です。病気の再発もなく、非常に健康な状態です。」
実は、この研究の結果がまとまったばかりだった。889人の参加者のデータを分析したところ、運動群にいたアキラのような人たちは、健康教育群に比べて病気再発や死亡のリスクが28%低く、5年後の無病生存率は80.3%(健康教育群は73.9%)。さらに、死亡リスクは37%低く、8年後の生存率は90.3%(健康教育群は83.2%)だった。
「運動のおかげかもしれないね」と医師が言うと、アキラは照れ笑いした。「あのとき、運動を始めてよかった…。」

第5章:小さな副作用と大きな希望

運動はアキラに多くの恩恵をもたらしたが、完璧ではなかった。筋トレのしすぎで肩を痛めたこともあったし、仲間の中には膝を痛めた人もいた。研究でも、運動群の18.5%が筋骨格系のトラブルを経験し、健康教育群(11.5%)より少し多かった。でも、アキラにとってその痛みは「生きている証」。運動を続けることで、体も心も強くなったと感じていた。

第6章:未来へのメッセージ

アキラは今、毎朝のウォーキングを欠かさない。公園で汗を流しながら、家族との時間や新しい趣味を楽しんでいる。研究に参加したことで、彼はただ生き延びただけでなく、人生をより豊かに生きる方法を見つけた。
「運動は大変だけど、やってみる価値はあるよ」とアキラは友人に語る。「がんを乗り越えただけじゃない。新しい自分に出会えたんだ。」

物語の教訓

この物語は、科学的な研究(PMID: 40450658)を基にしたフィクションですが、運動が大腸がん患者の再発リスクを下げ、生存期間を延ばす可能性を示した実際の研究結果を反映しています。

大腸がんの補助化学療法後の計画的運動

それでは改めて、この研究についてまとめます。

背景

この論文では、大腸がんの手術と補助化学療法(手術後の再発予防のための化学療法)を受けた患者に対して、運動が病気の再発や生存期間にどのような影響を与えるかを調べた研究を紹介します。過去の研究では、運動ががん患者の健康を改善する可能性が示唆されていましたが、確固たる科学的証拠(レベル1のエビデンス)は不足していました。この研究は、そのギャップを埋めるために行われました。

研究の方法

大腸がんの手術を受け、補助化学療法を終えた889人の患者を2つのグループにランダムに分けられました。

運動群(445人):3年間、計画的な運動プログラムに参加。

健康教育群(444人):運動プログラムは行わず、健康教育の資料のみ提供。

結果

無病生存率(病気再発、新たながんの発生、または死亡が起こらない期間):運動群は健康教育群に比べて、病気再発や死亡のリスクが28%低い(ハザード比0.72、P=0.02)。5年後の無病生存率は、運動群で80.3%、健康教育群で73.9%(差6.4%)。

全生存率:運動群は健康教育群に比べて死亡リスクが37%低い(ハザード比0.63)。8年後の全生存率は、運動群で90.3%、健康教育群で83.2%(差7.1%)。

副作用:運動群では筋骨格系(筋肉や骨)の問題が18.5%で発生し、健康教育群(11.5%)よりやや多かった。

結論

大腸がんの手術と化学療法を受けた患者が、3年間の計画的な運動プログラムに参加することで、病気の再発を抑え、生存期間を延ばす可能性があることがわかりました。

■まとめ

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェック|たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学によれば、大腸がんの危険度チェックの項目の一つに運動不足があり、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が該当します。

→たとえば、ほとんど座って仕事をしている人なら、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な身体活動に加えて、週に1回程度は活発な運動(60分程度の早歩きや30分程度のランニングなど)を加えましょう。

がんになっても長生きできる生活習慣|#たけしの家庭の医学では、がんリスクを下げる条件として、「週2回以上息がはずむ程度の運動をしている」が挙げられており、運動は大腸ガン・乳癌(閉経後)・子宮体がんのリスクを下げると紹介されています。

今回の研究によれば、大腸がんの再発を抑えるには運動が効果的ということで、大腸がんの予防のためにも、再発リスクを下げるために、きちんと運動をしていきましょう!

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック・原因・予防 について詳しくはこちら







食べ物でお腹が痛くなる謎はストレスではなかった!?実は免疫システムと神経に関係があった!過敏性腸症候群の新たな治療法につながる研究




【ストーリー】

ある日、マサキさんは大好きなピザを食べた後、なぜかお腹がキリキリと痛みました。「またか…」とため息。実は、世界中の多くの人(最大20%!)が、マサキさんと同じように、食後に腹痛や不快感を感じているんです。これ、放っておくと生活が楽しくなくなったり、病院代もかさんで大変な問題なんです。

科学者のチームは、「なぜ食べ物でお腹が痛くなるの?」という謎を解くために、研究を始めました。マウスくんたちを借りて、実験スタート!

まず、マウスくんのお腹に、細菌やその毒素をちょっとだけ入れてみました。すると、マウスくんの腸がビックリ! 特定の食べ物(たとえば小麦や牛乳)に対する「IgE抗体」という免疫の武器を作り始めたんです。このIgE抗体、まるで「この食べ物、要注意!」と体に教える目印みたい。

次に、マウスくんにその食べ物を食べさせると…お腹の中で大変なことが! IgE抗体が「敵発見!」と反応し、肥満細胞(体の警備員みたいな細胞)が騒ぎ出します。すると、ヒスタミンという物質が出てきて、お腹の神経が「ピリピリ!」と過敏に。結果、マウスくんはお腹の痛みを強く感じちゃうんです。

「これ、人間でも同じことが起きてるんじゃない?」と科学者たちは考えました。そこで、過敏性腸症候群(IBS)というお腹のトラブルを抱える人たちの腸を調べてみることに。グルテンや小麦、大豆、牛乳などの食べ物の成分を少しだけ腸に入れてみると…やっぱり! 腸がむくんだり、肥満細胞が「わーっ!」と反応して、痛みの原因を作り出しているのがわかりました。

この発見は、まるで「食べ物による腹痛の犯人」を突き止めた探偵のストーリー! 科学者たちは、「IgE抗体や肥満細胞が、腹痛の裏でこんなふうに動いていたんだ!」と興奮。この仕組みがわかったおかげで、過敏性腸症候群や似たようなお腹のトラブルを治す新しい方法が見つかるかもしれないんです。

■食べ物でお腹が痛くなる謎はストレスではなかった!?実は免疫システムと神経に関係があった!過敏性腸症候群の新たな治療法につながる研究

Nature誌に掲載された論文によれば、食べ物が引き起こす腹痛の原因が、免疫システム(特にIgEと肥満細胞)や神経の過敏性にあることを明らかになり、過敏性腸症候群の治療に新しい道が開かれる可能性があります。

【参考リンク】

  • Aguilera-Lizarraga J, Florens MV, Viola MF, Jain P, Decraecker L, Appeltans I, Cuende-Estevez M, Fabre N, Van Beek K, Perna E, Balemans D, Stakenborg N, Theofanous S, Bosmans G, Mondelaers SU, Matteoli G, Ibiza Martínez S, Lopez-Lopez C, Jaramillo-Polanco J, Talavera K, Alpizar YA, Feyerabend TB, Rodewald HR, Farre R, Redegeld FA, Si J, Raes J, Breynaert C, Schrijvers R, Bosteels C, Lambrecht BN, Boyd SD, Hoh RA, Cabooter D, Nelis M, Augustijns P, Hendrix S, Strid J, Bisschops R, Reed DE, Vanner SJ, Denadai-Souza A, Wouters MM, Boeckxstaens GE. Local immune response to food antigens drives meal-induced abdominal pain. Nature. 2021 Feb;590(7844):151-156. doi: 10.1038/s41586-020-03118-2. Epub 2021 Jan 13. PMID: 33442055; PMCID: PMC7610810.

■背景

世界の最大20%の人が、食後に腹痛や不快感などの胃腸症状を経験。

これにより、生活の質が下がったり、医療費が増えたりする問題がある。

グルテンフリー食などが注目されているが、なぜこれらの症状が起きるのか、その仕組みはあまりわかっていない。

■研究の主な発見

〇マウスでの実験:
細菌感染や細菌毒素が、特定の食べ物(食事性抗原)に対する「IgE抗体」を腸で作る免疫反応を引き起こす。

その後、同じ食べ物を食べると、IgE抗体と肥満細胞(免疫系の細胞)が反応し、腹痛が強くなる。

この痛みは、ヒスタミン受容体(H1)を通じて内臓の神経が過敏になることで発生。

〇人間での観察:
過敏性腸症候群(IBS)の患者の腸(直腸S状結腸)に、食べ物の成分(グルテン、小麦、大豆、牛乳)を注入。

すると、局所的なむくみ(浮腫)や肥満細胞の活性化が確認された。

■結論

この研究は、食べ物が引き起こす腹痛の原因が、免疫システム(細菌やその毒素が腸でIgE抗体の産生を引き起こし、食べ物を摂取するたびに肥満細胞が反応して痛みを増幅させている)や神経の過敏性にあることを明らかにしたことにより、過敏性腸症候群や類似の腹痛疾患の新しい治療法の可能性が示されました。

■まとめ

IBS(過敏性腸症候群)(IBS)は、大腸や小腸に原因となる異常が見られないのですが、腹痛などの腹部症状に下痢や便秘といった便通異常を伴う病気です。

過敏性腸症候群(IBS)は脳に原因があるストレス性の病気!?によれば、IBSは、大腸や小腸に原因となる異常がないため、ストレスが主な原因と考えられています。

セロトニンの97〜98%は消化管の中にあるそうで、腸のセロトニンはストレスがかかると働きが活発になるそうです。

そのことによって、内臓の知覚過敏と消化管の運動異常を引き起こし、内臓の知覚過敏からは腹痛や腹部膨満感、運動異常からは便秘や下痢などの便通異常が起こってしまうそうです。

しかし、今回の研究によれば、免疫システムにあることがわかったことから、過敏性腸症候群の治療法に新しい道が切り開かれそうです。







高血圧やダイエットに「8秒ジャンプ」が効果的!その隠れたメリットとは?8秒ジャンプのやり方




高血圧やダイエットに「8秒間のジャンプ」が効果的? マイナス10kgを成功させた高血圧専門医が徹底解説!(2025年2月9日、Women’s Health)によれば、高血圧専門医で愛媛大学大学院の伊賀瀬道也先生が高血圧対策の運動療法には“8秒ジャンプ”を提唱しています。

詳しくは元記事をご覧いただくとして、気になるポイントをまとめてみます。

1)高血圧対策は中強度の運動が推奨される=ジャンプがいい(有酸素運動と筋トレの両方できる)

ジャンプとほぼ同じ運動である縄跳びは速く飛ぶと12.3メッツに相当し、分速80mの速足歩きは3.5メッツで、ジャンプの運動強度は約3.5倍となり、ジャンプを1日に約10分行えば、約30分以上歩いたのとほぼ同じ効果が得られます。

ちなみに、伊賀瀬先生は8秒ジャンプで高血圧が改善し19キロのダイエットに成功したそうです。

異所性脂肪|世界一受けたい授業 7月9日

メッツ(METs metabolic equivalents)
厚生労働省が定めた体内の脂肪を減らす運動量を示した数値)
異所性脂肪を取り除くには、1週間に23メッツ・hが必要。
※身体活動の強度×身体活動実施時間(h)=身体活動の量(メッツ・h)
一時間行ったときのメッツの量
ボウリング 3メッツ・h
洗車 4.5メッツ・h
山登り 7.5メッツ・h
自転車 8メッツ・h
平泳ぎ 10メッツ・h
掃除2時間 8メッツ・h
筋トレ2時間 8メッツ・h(筋トレは激しく体が動くのはごく一瞬なので)
散歩 3.5メッツ・h
ギター演奏 2メッツ・h
釣り 2.5メッツ・h
ヨガ 2.5メッツ・h
荷物の積み込み 3メッツ・h
階段の昇り降り 3.5メッツ・h
卓球 4メッツ・h
バドミントン 4.5メッツ・h
草むしり 4.5メッツ・h
バレエ 4.8メッツ・h
ドッジボール 5メッツ・h
エアロビクス 6.5メッツ・h
テニス 7メッツ・h
サッカー 7メッツ・h
ラグビー 10メッツ・h

2)ふくらはぎの刺激で全身の血液循環がよくなって血圧が下がる

【補足】
 
足先を温めるためには、ふくらはぎを温めればよい!?手足の荒れ、「冷え」が犯人 マッサージで血行改善によれば、血液を送るポンプの役割を果たすふくらはぎをマッサージをするのが効果的なのだそうです。

3)内臓脂肪は運動で減らしやすい→高血圧の人はやせると血圧が下がりやすくなる

■8秒ジャンプのやり方

8秒ジャンプのやり方は1秒間に2回を目安に8秒間ジャンプするだけ。

何セットでもいいのですが、5月16日放送THE TIMEでは8秒を5セットを目安にしていました。

■8秒ジャンプが高血圧改善に役立つと期待される理由

“適度な運動”が⾼⾎圧を改善するメカニズムをラットとヒトで解明 〜頭の上下動による脳への物理的衝撃が好影響〜(2023年7月7日、東京大学)によれば、軽いジョギング程度の運動中、足の着地時に頭部(脳)に伝わる適度な物理的衝撃により、脳内の組織液(間質液)が動き、これにより脳内の血圧調節中枢の細胞に力学的な刺激が加わり、血圧を上げるタンパク質(アンジオテンシン受容体)の発現量が低下し、血圧低下が生じることが、高血圧ラットを用いた実験で分かりました。

さらに、この頭部への物理的衝撃を高血圧者(ヒト)に適用すると、高血圧が改善することを世界で初めて明らかにしました。

【参考リンク】

●ある研究によれば、有酸素運動または筋力トレーニング単独と比較して、12 週間の有酸素運動と筋トレの組み合わせ運動は、高血圧のリスクが高い人にとってより効果的だったことがわかりました。

【参考リンク】

●軽いジョギングなどの有酸素運動をすると、血管の内側の内皮細胞が整列して血流が良くなるそうです。

すると、血管を広げる作用がある「NO(一酸化窒素)」という物質がより多く出るようになって広がりやすさがアップすると考えられています。

血管が広がりやすくなれば、血圧が安定して血管を傷つけにくいので、動脈硬化になりにくいのです。

鼻歌ウォーキングを 1日30分週3回行なうと、3週間で血管弾力15%UPしたそうです。

運動でも血流が良くなるので一酸化窒素による血管若返りが期待できるそうです。

【関連記事】

■まとめ

今回の記事では書かれていませんでしたが、8秒ジャンプは1日に8秒ジャンプ×5セットを推奨していたのですが、これにも実はメリットがあると思います。

それは現代人は座りすぎであり、8秒ジャンプは細切れ時間に立ち上がってする運動として最適だからです。

座りすぎが病気の原因になる!?|1日11時間以上座っている人は死亡リスクが1.4倍|#あさイチ(NHK)で紹介した最新の研究によれば、座ることをこまめに中断し、立ち上がって動くことで、血液中の糖や中性脂肪の値が改善することがわかってきているそうです。

家事をすると肥満予防につながる?

近年、家事などの日常生活活動が該当する、非運動性身体活動によるエネルギー消費、別名NEAT(non-exercise activity thermogenesis)と肥満との関連が注目されています。

Levine et al., は、肥満者と非肥満者を比べると、非肥満者は歩行なども含めた立位による活動時間が、平均で1日約150分も少なかったと報告しました(図1)。

つまり、なるべく座位活動を減らして、家事などの日常生活活動を積極的に行なうことも、肥満予防のキーポイントといえます。

<中略>

肥満の人とそうでない人を比較すると、肥満の人は、立位または歩行活動が平均で1日約150分も少なかったそうです。

この結果から判断すると、座位活動を減らして、家事などを行う時間を増やすことや歩行活動をすることが肥満予防・メタボリックシンドローム予防、ダイエットにつながりそうです。

宮下政司さん(東京学芸大学)によれば「20~30分座り続けたら、2~3分立って動く」のを目安にするとよいと話しています。

【関連記事】

ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる

・宮下政司 次席研究員 (早稲田大学スポーツ科学学術院)が、有酸素運動 の効果に関して画期的な研究成果を発表したそうです。

自転車こぎ 3分間の運動を一日に10回をしてもらいます。

翌日、脂肪を多く含んだ食事をとってもらい、血液中の中性脂肪の量を詳しく調べたところ、前日運動しない場合に比べ、中性脂肪値が下がっていることがわかったそうです。

運動後1日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなっていたということです。

脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。

筋トレ1日3秒でも効果あり!/1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」をすることで筋力がアップすることが明らかに!|新潟医療福祉大学でもあるように、最近の研究では運動は短い時間でも効果があることがわかっています。

つまり、8秒ジャンプは「立ち上がること」+「細切れ時間の運動」という効果もあるのです。

ちなみに、脚が細くなる方法はつま先立ちでジャンプ!やり方と注意点!|#ホンマでっかTVの記事が最近よく見られていて、その理由がわからなかったのですが、もしかするとこれが理由だったのかもしれません。(脚が細くなる方法はつま先立ちで10秒ジャンプ。)







【仮説】高齢者のリハビリのやり方が歩けなくしている可能性はない?/前十字靭帯断裂(ACL断裂)の治療における安静とエアロバイクを用いた血流改善の科学的根拠




ばあちゃん、介護保険制度の申請をする
ばあちゃん、介護保険制度の申請をする

■【仮説】高齢者のリハビリのやり方が高齢者を歩けなくしている可能性はない?

ずっと考えている仮説があるのですが、それが高齢者のリハビリのやり方が高齢者を歩けなくしている可能性はないのかということ。

例えば、ケガをしたら炎症が治まるまで安静にするのが基本なのですが、その安静している期間が長いと、ケガは治るが歩けなくなります。

それは仕方がないことだと思っていたのですが、numberで「前十字靭帯断裂、半月板損傷、骨挫傷、内側側副靱帯断裂の大怪我を同時に負いながら、数日後には自転車を漕ぎ始め、治癒した」という記事を読みました。

ケガをしたら安静にして完治してからリハビリするというこれまでの流れとは全く違った治療のアプローチでした。

そこで今回は前十字靭帯断裂の治療において安静と適度な運動を行いながら治療をするケースを参考に論文の裏付けをチェックしながら調べてみたいと思います。

■前十字靭帯断裂(ACL断裂)の治療における安静とエアロバイクを用いた血流改善の科学的根拠

前十字靭帯(ACL)断裂の治療では、安静と適度な運動(特にエアロバイクなど低負荷高頻度の運動)が推奨されることがあります。

これらのアプローチがどのようにリハビリに寄与するか、科学的根拠を基に整理します。

また、提供された情報に基づき、高齢者のリハビリにおける運動不足がもたらすリスクや、エアロバイク(例:ワットバイク)を使用したリハビリの効果について考察します。

1. 安静の役割とリスク

安静の目的:ACL断裂後、急性期(受傷直後~数週間)では、炎症や腫脹を抑えるために安静が推奨されることがあります。

安静により、組織のさらなる損傷を防ぎ、修復プロセスを促進する(RICEプロトコル:Rest, Ice, Compression, Elevation)。

リスク:長期間の安静は筋力低下や関節の可動域制限を引き起こす可能性がある。

特に高齢者では、筋肉の不活動により血流が低下し、筋肉が「乾燥ラーメン」のように硬くなる(筋萎縮や筋線維の硬化)。

これにより、関節の可動性が低下し、姿勢不良(例:猫背)やバランス障害が生じる(引用元:平塚共済病院リハビリテーション科)。

論文の裏付け:研究によれば、長期間の不動は筋肉量の減少(サルコペニア)や関節拘縮を招き、特に高齢者では歩行能力の低下や転倒リスクを増加させる(Cruz-Jentoft et al., 2010)。

また、筋肉の血流不足は代謝を低下させ、組織修復を遅らせる(Korthuis, 2011)。

高齢者への影響:運動不足による筋力低下(特に体幹や腹筋)は、脊椎の屈曲、股関節の前傾、重心の前方移動を引き起こし、膝関節や肩関節への負担を増加させる。

これが「歩けなくなる」一因となり、整形外科的疾患(例:膝関節症、肩関節周囲炎)のリスクを高める。

仮説「高齢者のリハビリが歩けなくしている可能性」について:過度な安静は筋力低下や関節の硬直を招き、歩行能力を損なう可能性がある。

これは、筋肉のポンプ作用(血流促進)の低下が関与しており、適切な運動介入が不足すると悪循環に陥る(引用元:平塚共済病院)。

2. エアロバイク(ワットバイク)による血流改善とリハビリの効果

血流改善のメカニズム:エアロバイクのような低負荷高頻度の運動は、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を増加させる。

これにより、酸素や栄養素が損傷組織に供給され、治癒が促進される(Korthuis, 2011)。

特にACL断裂後のリハビリでは、血流改善が炎症の軽減や組織修復を助ける(Borsa et al., 1998)。

筋肉の柔軟性向上:低負荷高頻度の運動は、筋肉の収縮・伸張を繰り返し、筋線維の柔軟性を回復させる。

肋間筋の柔軟性向上のための体幹回旋運動が例示されており、同様の原理がエアロバイクにも適用される。

筋肉が「ゆでたてラーメン」のような柔軟な状態に戻ることで、関節の可動性が向上する(引用元:平塚共済病院)。

論文の裏付け:研究では、早期の運動介入(例:固定自転車を用いた低負荷運動)がACL断裂後の回復を促進し、筋力維持や関節可動域の回復に寄与することが示されている(Beyer et al., 2017)。

また、血流制限下での低負荷運動は筋肥大や筋力向上に有効で、リハビリに適している(Loenneke et al., 2012)。

ワットバイクの利点:ワットバイクは、負荷を細かく調整でき、膝関節への負担を最小限に抑えつつ血流を促進する。

Numberで紹介されている事例(佐藤氏のビーチサッカー選手としての回復)では、ACL断裂後の早期に自転車を漕ぐことで血流を改善し、治癒を促進したとされる。

これは、低負荷運動が筋肉のポンプ作用を活性化し、組織修復を助ける科学的根拠と一致する(引用元:Number Web)。

高齢者への適用:高齢者では、筋力低下や関節の硬直が顕著であり、エアロバイクは安全かつ効果的に血流を改善し、筋肉の柔軟性を維持・向上させる。

低負荷高頻度の運動は、筋肉痛を誘発しつつも、脳からの修復シグナルを促進し、損傷部位の治癒を加速する(引用元:Number Web)。

特に、体幹や股関節周囲の筋肉(例:腹筋、大腿四頭筋)の強化は、姿勢の改善や歩行の安定化に寄与し、転倒リスクを低減する(Sherrington et al., 2019)。

3. 高齢者のリハビリと歩行能力低下の関連

仮説の検証:「高齢者のリハビリが歩けなくしている可能性」:過度な安静は筋力低下や血流不足を招き、関節の硬直や姿勢不良(例:猫背)を助長する。

これにより、歩行バランスが悪化し、膝や股関節への負担が増加する(引用元:平塚共済病院)。

研究でも、過度な安静はサルコペニアを進行させ、歩行能力の低下を招くことが示されている(Cruz-Jentoft et al., 2010)。

解決策:低負荷高頻度の運動(エアロバイクや体幹回旋運動など)は、筋肉の血流を改善し、関節の可動性を維持する。

これにより、姿勢の改善、バランスの向上、歩行の安定化が期待できる。

特に、肋間筋や腹筋の柔軟性向上は、胸郭の可動性を高め、猫背の改善に寄与する(引用元:平塚共済病院)。

具体例:佐藤氏の事例(Number Web)では、ACL断裂後の早期にエアロバイクを導入し、血流を促進することで治癒を加速させた。

このアプローチは、高齢者にも応用可能で、筋力低下や関節硬直を防ぐ効果がある。

ワットバイクは、負荷調整が容易で関節への負担が少ないため、高齢者のリハビリに適している。

低強度のペダリングは、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を改善することで筋肉の柔軟性や関節の可動性を向上させる。

5. 結論

安静の役割:ACL断裂の急性期では炎症抑制に有効だが、長期化すると筋力低下や関節硬直を招き、特に高齢者では歩行能力の低下や整形外科的疾患のリスクを高める。

エアロバイクの効果:低負荷高頻度の運動(例:ワットバイク)は、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を改善することで治癒を促進する。

筋肉の柔軟性や関節の可動性を維持し、姿勢改善や歩行安定化に寄与する。

高齢者のリハビリ:過度な安静は筋力低下や血流不足を引き起こし、歩行能力を損なう可能性がある。

エアロバイクや体幹運動を組み合わせたリハビリは、血流改善、筋力維持、関節の柔軟性向上に効果的で、転倒リスクや整形外科的疾患の予防に寄与する。

科学的根拠:低負荷運動は筋肉の血流を増加させ、組織修復を促進する(Beyer et al., 2017; Loenneke et al., 2012)。

また、適切な運動介入は高齢者の機能維持に不可欠である(Sherrington et al., 2019)。

■まとめ

ケガの治療においては損傷の程度や個人の状態にもよるため断定することはできませんが、ただ安静にしておけばいいというのは、筋肉や関節の機能低下を招く可能性があり、完治後のリハビリを遅らせているのではないでしょうか?

もし仮に「弱い強度で回数を多く行う運動(低負荷高頻度運動)は、筋肉をポンプのように働かせ、血流量を増加させ、これにより、損傷部位に栄養や酸素が十分に供給され、老廃物が排出されやすくなるため、組織の回復が促進される」という血流改善による治癒促進が効果的ならば、具体的に言えば、早期からの低負荷・高頻度の運動、特にエアロバイクのような患部への負担が少ない運動を通じて血流を促進し、筋肉の回復と関節の柔軟性を維持・向上させることが、結果的に治療期間の短縮と良好な機能回復に繋がる可能性が高いと考えられます。

血流が改善されることで、硬くなった筋肉が再び柔らかくなり、関節の動きが良くなります。

リハビリでは、使われなくなった筋肉を使うことで血流を改善し、バランスの改善、姿勢の改善、歩行の安定化に繋がるとされています。

継続的な運動は、単に損傷部位の回復だけでなく、腹筋の強化による姿勢改善や転倒予防、さらには肩こりや関節痛の予防にも効果があると考えられています。

特に胸郭の柔軟性を保つことは、呼吸機能や全身のバランスにも影響を与えます。

早期の段階で低負荷高頻度運動を行うことが、リハビリをスムーズにする方法として今後検討されるようになるかもしれませんね。







【参考文献】

Cruz-Jentoft, A. J., et al. (2010). Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis. Age and Ageing, 39(4), 412-423.

Korthuis, R. J. (2011). Skeletal muscle circulation. Comprehensive Physiology, 1(3), 1149-1176.

Borsa, P. A., et al. (1998). Early exercise in rehabilitation after anterior cruciate ligament reconstruction. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 27(6), 401-408.

Beyer, R., et al. (2017). Early functional rehabilitation after anterior cruciate ligament reconstruction. Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy, 25(8), 2447-2454.

Loenneke, J. P., et al. (2012). Blood flow restriction: An evidence-based progressive model. Acta Physiologica Hungarica, 99(3), 235-250.

Sherrington, C., et al. (2019). Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database of Systematic Reviews, 1(1), CD012424.

平塚共済病院リハビリテーション科. (n.d.). 歩行とリハビリテーション. https://www.hiratsuka.saiseikai.or.jp/rehabilitation-s/walk/

Number Web. (2023). ビーチサッカー選手のACL断裂回復事例. https://number.bunshun.jp/articles/-/860449?page=3

P.S.

今回同じお題をGrok、Gemini、ChatGPTに尋ねてみたら、Grokはいろんな論文を探してまとめてくれて、Geminiはこちらが提示した資料を参考にまとめて、ChatGPTはリハビリプランを中心に回答が来た。

同じ文章を送っても、それぞれタイプが違って、論文をベースにこのことについて話し合いたいと思う時にはGrokがいいと思うんですが、もしかすると書き方の工夫次第で違ったのかもしれない。

最近の腸内細菌(腸内細菌叢)のニュースをまとめてみました!




最近は腸内細菌(腸内細菌叢)に関するニュースに注目が集まっています。

そこで、今回は腸内細菌に関するニュースをまとめてみたいと思います。

今一番の注目のニュースはコレ!

日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連も

日本人の大腸がん患者の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することであり、コリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆されました。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら

砂糖の摂りすぎで腸内細菌叢が変化し脂質代謝異常(脂肪肝や高脂血症)やメタボリックシンドロームが起きている!?

砂糖(ショ糖、スクロース)のとりすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝)、高中性脂肪血症が腸内環境の変化によるものであることがわかりました。

今回の研究によれば、砂糖の摂りすぎにより大腸の腸内細菌叢が変化していること、腸内細菌叢の変化が脂肪肝や高中性脂肪血症の原因であることを突き止めました。

あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!

学術誌「Nature Microbiology」で発表された研究によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。

腸内細菌叢は、腸に住む何兆もの微生物のコミュニティで、消化や免疫、心臓代謝の健康に深く関わっており、食べ物の種類によって細菌の種類や働きが大きく左右するため、食習慣が健康や病気リスクにどうつながるかを理解する鍵になります。

大事なことはあなたが選択する食べ物によって腸内細菌が変わるということであり、健康になれるかどうかも決まるということ。

日本人の食物繊維摂取量が少なくなっている!その理由とは?

日本人は食物繊維が不足していて、WHOの摂取基準は「1日25g以上」に対して、日本人の若者は13gほどしか摂っていないことや「フレイル」の高齢者は圧倒的に食物繊維の摂取量が少ないことなどが紹介されています。

血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認/カルビーと順天堂大学の研究

カルビーと順天堂大学の共同研究によれば、血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認したそうです。

血液透析を受けている患者さんは、腎臓の機能が低下していて塩分や果物・野菜の摂取を厳しく制限する必要があるため、食物繊維が不足して腸内環境が悪化し、便秘症状を抱えていて、腸内環境の悪化は高血圧にも関与していることがわかっていることから、塩分が少なくなおかつ食物繊維が多い食品を摂るのが良いのではないかと考えられます。

オレンジなど柑橘類を1日1個食べるとうつ病リスクが20%低下する可能性/ハーバード大学

ハーバード大学の研究によれば、オレンジを1日1個食べると、うつ病のリスクが20パーセント低下する可能性があるそうです。

これは、柑橘類が人間の腸内に生息する細菌の一種であるフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(F.プラウスニッツィイ)の増殖を刺激し、神経伝達物質である幸せホルモン(セロトニンとドーパミン)を作りやすくしてくれて、それが脳に届き気分を良くしてくれるそうです。

■まとめ

最近の研究では、食べ物によって腸内細菌叢が変化し、健康(体も心も)に影響を与えることがわかってきていています。

あるものを摂りすぎると病気になり易かったり、あるものを食べるとうつ病リスクが低下したりと腸内細菌(腸内細菌叢)を意識することが大事なんですね。

メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

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肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、腸の炎症を起こさないような食事としては脂肪と糖分を同時に摂取しないようにすることが大事ということなんですね。

また、「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギにで紹介した東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究よれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあること、そして、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられると紹介しました。

腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが間接的に病気の予防になるということもわかってきています。

このように考えると、もっと腸内細菌を改善する生活習慣を意識することが大事になるので、しっかりと実践していきましょう!







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