乳がんのリスク要因によれば、子どもを出産したことがない女性は、出産したことがある女性よりも乳がんリスクが高くなること、また出産回数が多くなるほど乳がんリスクが低く抑えられることが知られていますが、生理・生殖要因と乳がん罹患の関連について(国立がん研究センター)で紹介した多目的コホート研究によれば、出産したことがないグループの乳がんリスクは、出産したことがあるグループに比べ、閉経前女性で1.7倍、閉経後女性で2.2倍、全体では1.9倍高くなり、また、5回以上出産したグループの乳がんリスクは、1回出産したグループに比べ、閉経前・後とも約60%低く抑えられることがわかりました。
- 初潮が早い(11歳以下)
- 閉経が遅い(54歳以上)
- 初産年齢が高い(30歳以上)
- 妊娠・出産歴がない
- 授乳歴がない
- 祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる
- 肥満度が高い(閉経後)
- 喫煙している
- 大量に飲酒する習慣がある
- 運動不足
■まとめ
自然閉経の年齢が遅いこと、出産しないこと、出産回数が少ないことは、いずれも閉経後の乳がんリスクを高くする要因となっています。
ピルは女性の生活の質を向上させる?で紹介した英国一般医協会が1968年5月から2010年までのおよそ40年間に、23000人のピル服用女性と同数の非服用女性を追跡調査した結果によれば、ピルを飲むことは女性の生活の質を向上させるということがわかったそうです。
- 生理痛を軽くする
- 月経量を少なくする
- 子宮内膜症や子宮外妊娠、骨粗鬆症や関節リウマチのリスクを軽減する
- 大腸から子宮や卵巣、乳房にいたるまで、ほとんどすべてのガンについて、ピルを飲んでいる女性の死亡率が低い
月経痛やPMS、がん予防の観点から低用量ピルを活用するということも今後は検討されていくのかもしれません。