ベッツ、大谷翔平は「自分に全然及ばない」と持論 ド軍内での衝撃比較論が判明「最も優れた選手はベッツがトップ」
(2025年4月3日、cocokara)
ムーキー・ベッツは、ドジャースの同僚である大谷翔平との比較について「走るのが速いとか、ジャンプ力が高いとか、そういうことならショウヘイが勝つだろう」と明言。その上で「だけど、純粋なコーディネーション能力に関して言えば、全然、自分に及ばないと思う。それが俺の仕事だ。神様が私に与えてくれたものだ」と強調した。
ドジャースのムーキー・ベッツ選手が挙げている「コーディネーション能力」とは何なのでしょうか?
【子どもの運動神経を伸ばす方法】子どもの成長期(10~11歳まで)に必要なトレーニングは運動能力を伸ばすトレーニング!?によれば、コーディネーションとは、感覚器から入ってくる多くの情報を適切に処理して身体の各部へ伝え、自分の身体を自在に動かす能力で、いわゆる運動神経と呼ばれるものです。
「コーディネーション」とは、 1970年代に旧東ドイツのスポーツ運動学者が考え出した理論で、コーディネーション能力を7つの能力に分けてとらえています(図1)。その7つの能力とは、「リズム能力」「バランス能力」「変換能力」「反応能力」「連結能力」「定位能力」「識別能力」で、スポーツを行っている時は、これらの能力が複雑に組み合わさっているのです。
例えばサッカーをしている場合、身体をバランス良くリズミカルに動かす(リズム能力・バランス能力・連結能力)、ボールの落下地点へ身体を移動する(反応能力)など、さまざまな能力が絶えず複雑に機能しているのです
武井壮が語る「スポーツが上達するには自分の身体を思ったように動かす技術を上げることが必要」では、武井壮さんが考えるスポーツ(技術練習)をやる前にまずやっておくことは、自分の身体を思ったように動かす練習をしておくことといっていましたが、これがコーディネーション能力なのではないでしょうか?
コーディネーション能力について、いったんスポーツの世界から離れて、芸術の分野で考えてみたいと思います。
「心を上手に透視する方法 」(著:トルステン・ハーフェナー)の中で、ドイツ人バイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターが練習時間の長さよりも重要にしていることが語られています。
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練習時間の長短よりも、私が大切にしていることがあります。音や演奏技術のことでつまづいたら、そこから距離を置いて冷静に解決する方が良いということです。つまり、単調な動きをひたすら繰り返して練習するよりも、分析を行なうことで解決するのです。
単調な動きは短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば引けるようになるというのは大きな勘違いです。
演奏もひたすら繰り返せばできるようになるわけではないということです。
スポーツや音楽と同様に、字を書いたり、絵を描いたりしても、「こんなふうにかきたいけど、自分が思ってたのと違うな」というように、頭で思っていることと出来上がったものにズレがあると感じたことはありませんか?
自分の頭の中にあるイメージを外に出すというのは難しいことです。
だからこそ、デザインを学ぶ人にとって、まず大事になるのが「ドローイング」(ここでは物体を平面に描画する意味で使っています)であり、「スケッチ」(ここでは人物・風景の描写の意味で使っています)なのだそうです。
どんなに素晴らしいデザインのアイデアが頭の中にあったとしても、それをそのイメージのままに外に出すことが出来なければ宝の持ち腐れになってしまいます。
だからこそ、自分の頭の中にあるイメージを外に出すということを抵抗なくスムーズに出すための練習が必要になるのです。
改めて、スポーツの世界に戻ります。
羽生結弦選手インタビュー − キャノン・ワールドフィギュアスケートウェブ
自分としては同じイメージのつもりなんですが、ブライアン(コーチ)からは『毎回違うフォーム、違うタイミングで跳んでいる』と言われます。
<中略>
僕は跳ぶ直前に、バッって頭の中に成功する軌道とかのイメージが湧いて、そこに身体を乗っけていって跳ぶ。だから口で指導されてもダメ。視覚で伝わってくるものが良いんです。ビデオとかを繰り返し見て、イメージを記憶します。
自分が頭の中で描いたイメージを身体で表現するというのはオリンピックの金メダリストをしても難しいということですよね。
これこそがベッツ選手が言うコーディネーション能力なのではないでしょうか?
おそらく大谷選手はベッツ選手と比べて、走るのが速いとかジャンプ力が高いとか速い球を投げるとかスイングスピードが速いというような出力面で優れているのだと思いますが、ベッツ選手は頭に思い描いたイメージの動きを体で表現する能力に優れているのではないでしょうか?
先ほどの記事ではベッツ選手は次のようにコメントしているそうです。
「俺はどんなポジションだろうと動けるし、どんなスポーツでもプレーできる。自分の身体がどう動くかを理解していれば、フィールドのどこにいても、成功するために適切な場所に身を置ける」
自分の体の動かし方を理解できている=体をイメージに合わせて動かすことができるからこそ、この面では大谷選手にも負けない確固たる自信があるのでしょうね。