バイオミメティックス/自然界の仕組みから学ぶバイオミミクリー(生物模倣)で新しいテクノロジーを生みだす!




以前コウモリは樹木や壁にぶつかることなく、また飛び交うコウモリ同士がぶつかることもないと自然界にある仕組みを利用して最新の自動運転に生かされているということを紹介しました。

→ 「なぜコウモリはぶつからないのか?」が自動車の最新テクノロジーとして用いられている!?

自然界の仕組みから学んで新たなテクノロジーや“モノ”を生み出す考え方「バイオミミクリー(生物模倣)」、生物の構造や機能、生産プロセスを観察、分析し、そこから着想を得て新しい技術の開発や物造りに活かす科学技術「バイオミメティクス」についてGrokに5つ挙げてもらいました。

自然界の仕組みや動物の行動から着想を得て、テクノロジーに応用した例を以下に5つ挙げます。

  1. 魚の群れのルール(群知能)と自動運転
    • 自然界のアイデア: 魚の群れは「近づきすぎない」「離れすぎない」「周囲の動きに合わせる」といった単純なルールで協調行動を実現。
    • テクノロジー応用: 自動運転車における群知能(Swarm Intelligence)アルゴリズム。車両同士がV2V(Vehicle-to-Vehicle)通信で情報を共有し、衝突回避や交通流の最適化を図る。例えば、テスラの自動運転システムやトラックの隊列走行(Platooning)では、車両が互いの位置や速度を調整し、魚の群れのようにスムーズな動きを実現。
  2. ハチの巣の構造と建築設計
    • 自然界のアイデア: ハチの巣の六角形構造は、材料を最小限に抑えつつ強度と効率を最大化する。
    • テクノロジー応用: 建築や航空宇宙工学で、六角形のハニカム構造が軽量かつ高強度の素材として使用される。例として、航空機の翼や建物の断熱材に採用され、重量削減と耐久性向上を実現。
  3. 鳥のV字飛行とドローン編隊
    • 自然界のアイデア: 鳥のV字飛行は空気抵抗を減らし、エネルギー効率を高めるための協調行動。
    • テクノロジー応用: ドローンの編隊飛行アルゴリズムに応用され、複数のドローンが効率的に飛行経路を共有。物流や監視用途で、Amazonの配送ドローンやドローンショーのような協調飛行に活用され、バッテリー効率を向上。
  4. ヤモリの足と接着技術
    • 自然界のアイデア: ヤモリの足は微細な毛(セタエ)によるファンデルワールス力で壁に貼り付く。
    • テクノロジー応用: ナノテクノロジーを用いた接着剤やロボットのグリッパー開発。NASAの宇宙探査ロボットや、壁面を移動できる清掃ロボットに、ヤモリのような粘着技術が応用され、特殊環境での作業を可能に。
  5. クモの糸と高強度素材
    • 自然界のアイデア: クモの糸は軽量かつ鋼鉄よりも高い強度を持つ。
    • テクノロジー応用: 人工クモの糸の開発で、医療用縫合糸や防弾ベスト、軽量ケーブルに応用。スタートアップ企業(例: Spiber)は、バイオテクノロジーでクモの糸を模倣した繊維を生産し、持続可能な素材としてアパレルや工業用途に展開。

これらの例は、自然の効率的で洗練された仕組みをテクノロジーに取り入れることで、革新的な解決策を生み出しています。

■まだ発見されていない、または十分に活用されていない自然の仕組みをテクノロジーに応用する可能性

まだ発見されていない、または十分に活用されていない自然の仕組みをテクノロジーに応用する可能性について、以下の5つの予測を挙げます。これらは自然界の観察に基づく推測で、将来的な技術革新のヒントになる可能性があります。

  1. オウムガイの浮力制御と次世代潜水艇

    • 自然の仕組み: オウムガイは殻内の気室を液体で調整し、浮力を精密に制御して深海を移動する。この仕組みはエネルギー効率が高く、外部動力に依存しない。
    • 予測される応用: エネルギー効率の高い潜水艇や水中ドローンの設計。オウムガイの気室制御を模倣したバルーン式浮力システムを開発し、バッテリー消費を抑えた長期間の深海探査や海洋モニタリングを実現。気候変動や深海資源調査での活用が期待される。
  2. クマムシの極限耐性とナノマシン保護
    • 自然の仕組み: クマムシは極端な環境(高温、低温、真空、放射線)で「クリプトビオーシス」と呼ばれる休眠状態に入り、DNAや細胞を保護する。この耐性の詳細な分子メカニズムはまだ完全には解明されていない。
    • 予測される応用: ナノマシンや宇宙探査機器の保護技術。クマムシのタンパク質や分子構造を模倣したコーティング材を開発し、宇宙放射線や極端な温度下でも機能するセンサーやマイクロロボットを製造。火星探査や宇宙ステーションのメンテナンスに応用可能。
  3. サンゴ礁の自己修復と自己組織化素材
    • 自然の仕組み: サンゴ礁はカルシウムを沈着させて構造を成長させ、損傷しても自己修復する能力を持つ。このプロセスは化学的・生物的な自己組織化による。
    • 予測される応用: 自己修復型コンクリートや3Dプリント素材。サンゴのカルシウム沈着メカニズムを参考に、環境変化に応じて自己修復・再構築する建築素材を開発。災害復旧や持続可能な都市インフラ(橋、ビル)に活用でき、CO2吸収機能も付加可能。
  4. ハダカデバネズミの社会構造と分散型AI
    • 自然の仕組み: ハダカデバネズミは高度な社会構造を持ち、役割分担や協調行動を効率的に行う。このコロニーの意思決定プロセスは、個々の単純な行動から複雑な全体最適化が生まれる。
    • 予測される応用: 分散型AIやIoTネットワークの最適化。ハダカデバネズミのコロニー行動をモデルにしたアルゴリズムを開発し、分散型デバイス(スマートシティのセンサーやロボット群)の自律協調を強化。エネルギー網や交通管理の効率化に貢献。
  5. 深海魚のバイオルミネセンスとエネルギー効率照明
    • 自然の仕組み: 深海魚やホタルイカのバイオルミネセンス(生物発光)は、化学反応で効率的に光を生成する。この反応は低エネルギーかつ長寿命で、未解明の酵素や化学プロセスが多い。
    • 予測される応用: 次世代の超低消費電力照明やディスプレイ。バイオルミネセンスの化学反応を人工的に再現し、電力依存度の低い照明技術を開発。オフグリッドの地域やウェアラブルデバイス、医療用センサーに応用可能で、環境負荷を大幅に削減。

これらの予測は、自然界の未解明なメカニズムや既存研究の拡張に基づいており、バイオミミクリー(生物模倣)の進展により実現可能性が高まると考えられます。

■まとめ

AIのニュースを見てみると、どんどん落ち込む人が出てきます。

しかし、自然界の仕組みを応用した新しいテクノロジーはまだまだ可能性がたくさん秘められています。

つまりやることはたくさんあるんです。

AIに「よい問い」を投げかけて、仮説を立ててもらい、人間が検証をして、新しいテクノロジーを生み出す。

「Questioning(質問力・検索力)」の価値が高い時代になっている!?では、私たちは「Questioning(質問力・検索力)」を磨く必要があると書きました。

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良い質問とは、それ一つで100万個の良い答えに匹敵するものだ。

それは例えばアルバート・アインシュタインが少年のように自分に尋ねた質問だ。

「もし光線の上に乗って飛んだら何が見えるだろう?」

この質問が相対性理論や原子力時代を導き出した。

AIは人間の生活をよくしようとか、改善しようとは思いませんよね。

それは人間だからこそ考えること。

だからこそ人間しか出ない問いこそが価値があるんです。