Threadsで話題の「四毒」「四毒抜き」とは?科学的根拠は?メリットとリスクは?おすすめの実践方法




Threadsで「四毒」「四毒抜き」が話題になっているようでしたので、調べてみました。

■「四毒」「四毒抜き」とは何か?

「四毒」や「四毒抜き」という言葉がThreadsや他のSNSで話題になっていますが、これは主に健康や食事に関する考え方で、特に日本で注目されている食事法の一つです。

1. 「四毒」とは?

「四毒」とは、以下の4つの食品や成分を指す言葉で、これらが体に悪影響を与える「毒」だと考える健康法の中で使われています。

小麦(特に精製された小麦製品、例:パン、パスタ、うどんなど)
植物油(特に精製されたサラダ油やキャノーラ油など)
乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
甘いもの(砂糖や人工甘味料を使った食品、例:ケーキ、清涼飲料水)

この考え方は、日本の医師である吉野敏明氏が提唱したもので、彼の著書『四毒抜きのすすめ』(小麦・植物油・乳製品・甘いものが体を壊す)で広く知られるようになりました。

吉野氏は、これら4つの食品が現代人の健康問題(肥満、糖尿病、腸内環境の悪化、アレルギーなど)の原因になっていると主張し、これらを避ける「四毒抜き」の食生活を推奨しています。

ちなみに、「四毒」の「毒」とは、健康を害する可能性がある食品を比喩的に表現したもので、科学的には「有害物質」ではなく、過剰摂取や体質によって不調を引き起こす可能性があるものを指します。

この表現は、食生活を見直すためのインパクトあるメッセージとして使われており、特に加工食品や砂糖の多い現代の食生活に警鐘を鳴らす意図があります。

2. 「四毒抜き」とは?

「四毒抜き」とは、上記の「四毒」を日常の食事からできる限り排除し、健康を改善しようとする食事法です。

小麦を避ける:グルテンフリーに近い考え方で、パンや麺類を控え、米やそばなど代替品を選ぶ。
植物油を避ける:サラダ油やマーガリンの代わりに、オリーブオイルやバター、動物性脂肪(ラード)を使用。
乳製品を避ける:乳糖不耐症やアレルギーを考慮し、牛乳やチーズを控える。
甘いものを避ける:砂糖や人工甘味料を含む加工食品や飲料を避け、果物やはちみつを少量使う。

この食事法は、腸内環境の改善、疲れにくさ、肌の健康、老化防止などを目指すとされています。

YouTubeやSNSでは、「四毒抜きレシピ」や実践者の体験談(例:体重減少、体調改善)が多くシェアされており、特に健康志向の高い人々の間で人気です。

3. 「四毒抜き」の健康への影響:科学的根拠は?

「四毒抜き」が健康に良いかどうかを評価するには、科学的根拠(特に論文ベース)で考える必要があります。

それぞれの「四毒」について、現在の研究を基に解説します。

(1) 小麦(グルテン)主張:小麦に含まれるグルテンが腸内環境を悪化させ、炎症やアレルギーを引き起こす。

科学的根拠:セリアック病やグルテン過敏症:セリアック病はグルテンに対する自己免疫疾患で、患者は小麦を避ける必要があります(世界人口の約1%)。

また、セリアック病でない人でも「非セリアックグルテン過敏症」が存在し、グルテンを摂ると腹痛や倦怠感を感じる人がいます(推定6-10%)。Journal of Clinical Gastroenterology, 2015(PMID: 25583468)。

一般人への影響:健康な人にとって、グルテンが明確に害になる証拠は限定的。The Lancet Gastroenterology & Hepatology, 2018(PMID: 29361477)では、グルテンフリー食が健康な人に明確な利益をもたらす証拠は不足していると報告。

ポイント:小麦を控えると、パンや麺類中心の食生活(例:コンビニのパンやインスタントラーメン)から、栄養バランスの良い食事(米や野菜中心)に変わる可能性があり、間接的に健康改善につながるかも。ただし、極端な制限は栄養不足のリスクも。

グルテン・小麦=老化の原因!?グルテンフリーだとアンチエイジングになるって本当?調べてみた!によれば、グルテンフリー食が一部の人々にとって健康上のメリットをもたらす可能性はあり、また小麦製品の過剰摂取がAGEsを通じて老化に間接的に影響する可能性はありますが、グルテンや小麦が悪という構図にはなっていません。

(2) 植物油主張:精製された植物油(例:キャノーラ油、大豆油)に含まれるオメガ6脂肪酸が過剰になり、炎症を引き起こす。

科学的根拠:オメガ6オメガ3のバランス:現代の食生活では、オメガ6脂肪酸(植物油に多い)が過剰で、オメガ3脂肪酸(青魚に多い)が不足しがち。これが炎症や心血管疾患のリスクを高めるとされる。American Journal of Clinical Nutrition, 2009(PMID: 19022980)。

加工油の問題:精製された植物油は高温処理で酸化しやすく、トランス脂肪酸を含む場合も。トランス脂肪酸は心臓病リスクを高める(New England Journal of Medicine, 2006、PMID: 16864777)。

ポイント:コンビニ弁当やファストフードに使われる安価な植物油を避け、オリーブオイルや魚を意識的に摂ると、脂質のバランスが改善される可能性が。ただし、すべての植物油が「毒」ではないので、質の良い油を選ぶのが現実的。

(3) 乳製品主張:乳糖不耐症やアレルギーの原因となり、腸内環境を乱す。

科学的根拠:乳糖不耐症:日本を含むアジア人の約70-90%が乳糖不耐症で、乳製品を摂ると下痢や腹痛が起こる可能性(Journal of Dairy Science, 2010、PMID: 20133230)。乳製品を控えることで、これらの症状が改善する場合がある。

その他の影響:乳製品はカルシウムやタンパク質の供給源だが、過剰摂取が炎症やアレルギーを引き起こす可能性は一部の研究で指摘されている(Nutrients, 2019、PMID: 31067704)。しかし、健康な人への悪影響は限定的。

ポイント:牛乳やヨーグルトを毎日大量に摂る習慣があるなら、控えることで体調が良くなる可能性も。ただし、カルシウム不足に注意し、代替として小魚や緑黄色野菜を摂るのがおすすめ。

乳糖不耐症の症状は○○をすることで軽くすることができる!によれば、有用腸内細菌が多い人は小腸で分解されなかった乳糖を大腸で分解することにより不快症状が出にくいということがあるそうです。

この研究を参考にすれば、腸内環境が改善されれば乳糖不耐症の症状は出にくいということなんですね。

腸内環境が改善されれば、正確に言えば、乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されれば、乳糖不耐症の症状が軽減されるにもかかわらず、このループによって乳糖不耐症の人は症状が軽減されないままになってしまうということなんですね。

乳糖不耐症の人が牛乳などの乳製品を避けるだけであれば何も問題がないように見えるのですが、ある調査によれば、乳糖不耐症を自覚する人はカルシウム摂取量が低いため骨密度も低いという結果が出ているそうです。

(4) 甘いもの(砂糖)主張:砂糖の過剰摂取が肥満、糖尿病、炎症を引き起こす。

科学的根拠:砂糖と健康:加糖飲料や加工食品の過剰な砂糖摂取は、肥満、2型糖尿病、心血管疾患のリスクを高めることが多くの研究で確認されている(BMJ, 2015、PMID: 25739667)。

腸内環境:砂糖の過剰摂取が腸内細菌叢を乱し、炎症を促進する可能性(Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology, 2020、PMID: 32483354)。

ポイント:エナジードリンクやスイーツを頻繁に摂る人は、砂糖を控えることで体重管理や集中力向上が期待できる。果物やナッツを間食にすると、栄養も補給できる。

なぜ日本人の果物摂取量は少ないの?その理由とは?によれば、日本ではおいしいものというイメージはあっても健康に良いものとしてのイメージは少なく、値段が高いもの、食べるのが面倒なものというイメージを持っているために果物を食べる機会が少ないと考えられます。

日本では果物の健康効果(抗酸化作用、ビタミン・ミネラル供給、疾病予防など)に対する認知が低く、農林水産省の資料では、果物摂取ががん(口腔・咽頭・喉頭がん、肺がん)、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、骨粗しょう症、フレイルなどのリスクを低減することが科学的に示されていますが、この情報が一般に浸透していないため、「甘いものを避ける」といったときに、果物=甘いものとして避ける人が出ているのは残念なことです。

4. 「四毒抜き」のメリットとリスク

メリット

食生活の見直し:加工食品やファストフードを減らし、自然食品(米、野菜、魚、肉など)を中心にした食事が増える。(実践者の体験談:体重減少、腹囲10cm減)

体調改善の可能性:特に乳糖不耐症やグルテン過敏症の人、砂糖過多の食生活の人は、体調が良くなる可能性。

シンプルな食事:忙しい生活でも、簡単な「四毒抜きレシピ」(例:米と野菜の炒め物、焼き魚)が実践しやすい。

リスク

栄養不足:小麦や乳製品を完全に排除すると、ビタミンB群やカルシウムが不足する恐れ。バランスの良い代替食品が必要。

極端な制限のストレス:食事を厳しく制限すると、友達との外食やコンビニ利用が難しくなり、ストレスになるかも。

科学的根拠の限界:吉野氏の「四毒」理論は、彼独自の主張であり、すべての人が同じ効果を得るとは限らない。 医学的に「四毒抜き」が万能な健康法である証拠は不足している。

5. おすすめの実践方法

「四毒抜き」を試したい方向けに、無理なく始めるコツを紹介します。

いきなり全部やらない:まずは「砂糖を減らす」から始める。エナジードリンクや甘いお菓子を控え、果物やナッツに置き換える。
コンビニでも選べる:コンビニで「四毒抜き」を意識するなら、おにぎり、焼き魚、ゆで卵、サラダを選ぶ。パンや揚げ物弁当は控えめに。
代替食材を活用:小麦の代わりにそばや米粉、植物油の代わりにオリーブオイル、乳製品の代わりに豆乳、砂糖の代わにはちみつを少量使う。
友達との食事を楽しむ:厳格にやりすぎると外食が難しくなるので、週末だけ「四毒」を意識するなど、柔軟に取り入れる。
体の変化を観察:1~2週間試して、体重、肌の状態、疲れやすさなどをメモ。自分に合うかチェック。

6. 結論

「四毒抜き」は、加工食品や砂糖を減らし、自然食品を中心にする食事法として、一定の健康効果が期待できる可能性があります。

特に、乳糖不耐症やグルテン過敏症の人、砂糖過多の食生活の人にはメリットがあるかもしれません。

しかし、すべての人が「四毒」を避ける必要があるという科学的証拠はまだ弱く、極端な制限は栄養不足やストレスを招くリスクも。

みなさんには、まず自分の食生活を見直し、加工食品や甘い飲み物を減らすことから始めるのがおすすめ。

「四毒抜き」を完全にやるのではなく、バランスよく取り入れつつ、自分の体に合うか試してみてください。

健康法は「全員に効く万能なもの」はないので、試しながら自分に最適な方法を見つけるのが大事です!

7. 参考文献

Journal of Clinical Gastroenterology, 2015(PMID: 25583468):グルテン過敏症について
The Lancet Gastroenterology & Hepatology, 2018(PMID: 29361477):グルテンフリー食の効果
American Journal of Clinical Nutrition, 2009(PMID: 19022980):オメガ6/オメガ3バランス
New England Journal of Medicine, 2006(PMID: 16864777):トランス脂肪酸と心臓病
Journal of Dairy Science, 2010(PMID: 20133230):乳糖不耐症
Nutrients, 2019(PMID: 31067704):乳製品と炎症
BMJ, 2015(PMID: 25739667):砂糖と健康リスク
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology, 2020(PMID: 32483354):砂糖と腸内環境

■まとめ

「四毒抜き」について調べたんですけど、「小麦を避ける」「植物油を避ける」「乳製品を避ける」「甘いものを避ける」であって、「甘いもの」に果物は含まれていないはずだけど、SNSを見ると果物を減らしている人がいました。

旬の果物っておいしくて健康にいいはずなのですが、グルテンフリーと同じような感じで広まっているような感じがします。

グルテン・小麦=老化の原因!?グルテンフリーだとアンチエイジングになるって本当?調べてみた!