飲酒とすい臓がんに関連はあるの?5年間飲酒習慣が一定の男性で、飲酒量が多いほど膵がんの罹患リスクが高くなる!




飲酒と膵がん罹患の関連について(国立がん研究センター)によれば、5年間飲酒習慣が一定の男性で、飲酒量が多いほど膵がんの罹患リスクが高くなることが示されました。

また、特に、非喫煙者男性ではその傾向が顕著に認められました。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら

【追記】

こちらの研究によれば、アルコール摂取量が1日10g増加すると、膵臓がんのリスクが全体で3%増加するそうです。

  • Naudin S, Wang M, Dimou N, Ebrahimi E, Genkinger J, Adami HO, Albanes D, Babic A, Barnett M, Bogumil D, Cai H, Chen C, Eliassen AH, Freudenheim JL, Gierach G, Giovannucci EL, Gunter MJ, Håkansson N, Hirabayashi M, Hou T, Huang BZ, Huang WY, Jayasekara H, Jones ME, Katzke VA, Koh WP, Lacey JV, Lagerros YT, Larsson SC, Liao LM, Lo K, Loftfield E, MacInnis RJ, Männistö S, McCullough ML, Miller A, Milne RL, Moore SC, Mucci LA, Neuhouser ML, Patel AV, Platz EA, Prizment A, Robien K, Rohan TE, Sacerdote C, Sandin S, Sawada N, Schoemaker M, Shu XO, Sinha R, Snetselaar L, Stampfer MJ, Stolzenberg-Solomon R, Thomson CA, Tjønneland A, Um CY, van den Brandt PA, Visvanathan K, Wang SS, Wang R, Weiderpass E, Weinstein SJ, White E, Willett W, Woslk A, Wolpin BM, Yaun SS, Yuan C, Yuan JM, Zheng W, Brennan P, Smith-Warner SA, Ferrari P. Alcohol intake and pancreatic cancer risk: An analysis from 30 prospective studies across Asia, Australia, Europe, and North America. PLoS Med. 2025 May 20;22(5):e1004590. doi: 10.1371/journal.pmed.1004590. PMID: 40392909; PMCID: PMC12091891.

    アルコール摂取量は膵臓がんリスクと正の相関を示し、0.1~5g/日摂取量と比較して、30~60g/日未満のアルコール摂取量ではHRが1.12(95% CI [1.03, 1.21])、60g/日以上のアルコール摂取量ではHRが1.32(95% CI [1.18, 1.47])でした。アルコール摂取量が1日10g増加すると、膵臓がんのリスクが全体で3%増加し(HR: 1.03; 95% CI [1.02,1.04]; p値 < 0.001)、非喫煙者でも3%増加しました(HR: 1.03; 95% CI [1.01,1.06]; p値 = 0.006)。

【補足1】

厚労省が初の「飲酒ガイドライン」/ビール一杯で大腸がんリスクが高くなる/生活習慣病のリスクを高める飲酒量はどれくらい?/純アルコール量を計算する方法

■飲酒量(純アルコール量)を知る方法

お酒に含まれる純アルコール量は「グラム(g)=お酒の量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8(アルコールの比重)」で表すことができます。

例)ビール 500ml(5%)の場合の純アルコール量は、500ml×0.05×0.8=20gとなります。

■まとめ

現在までの研究から、膵がん罹患のリスク要因として、喫煙(タバコ)、糖尿病や慢性膵炎の既往歴、膵がんの家族歴などが明らかになっていますが、飲酒量や飲酒習慣とすい臓がんとの関連についてこれまでわかっていませんでした。

今回の研究によれば、日本では海外に比べて多量飲酒をする人の割合が相対的に少ないこと、膵がんの症例数が少ないこと、他の生活習慣の影響など研究の限界があるものの、飲酒習慣があり、飲酒量が多いほどすい臓がんの罹患リスクが高くなっていることがわかりました。

飲酒は60以上の病気やケガの原因になりうる-WHOによれば、アルコールは消化やホルモン機能を担う膵臓にも影響が出ることがわかっており、男性では急性膵炎の30%、慢性膵炎の65%が飲みすぎが原因で起きるそうです。

お酒の飲みすぎによる慢性膵炎はすい臓がんのリスク要因なのですから、はっきりとわかっていないものの、すい臓がんのリスクを減らすためには飲みすぎには注意してくださいね。

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