イヤホンの長時間利用による耳蒸れ 「耳カビ」に注意!




<イヤホンの長時間利用による耳トラブルが増加>夏の耳ムレ、耳カビのリスクと症状を解説するセミナーを実施。解決策としてオープンイヤーの優位性についても解説(2025年6月20日)によれば、イヤホンの長時間利用で“外耳炎”や“耳カビ”の患者数が増加するそうです。

イヤホンを5時間以上使用している方は、使用時間が少ない方に比べ、外耳炎や耳のカビ、耳のかゆみなどの症状が出ることが約4倍になるとされています。

また、他の原因として、「過度な耳掃除」や、この時期特有の「高温多湿な環境」も挙げられます。

■なぜ夏に増えるの?

なぜ夏に外耳炎や耳カビの患者数が増加するのでしょうか?

夏場は気温が高く、発汗量も多くなるため、外耳道が湿った状態が続き皮膚のバリア機能が低下し、菌の繁殖を促し外耳炎を引き起こしやすくなります。

特に、プールや海で泳ぐ際には、耳に水が入ることがあります。

水が入ると耳垢が水分を吸収して膨張し、耳が詰まったような感じや、音がこもって聞こえる場合があります。

また、清潔ではない水が耳に入ることで、細菌感染を起こしやすくなります。

■外耳炎とは?外耳道真菌症(耳カビ)とは?

外耳炎は、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」と呼ばれる部分の皮膚に細菌が繁殖しておきる病気です。

真菌(カビ)が繁殖すると、外耳道真菌症(耳カビ)になります。

発症リスクが上がる原因のひとつとして「密閉型イヤホンの長時間使用」が挙げられます。

主な症状は、かゆみ、痛み、耳が詰まったような感じ、聞こえにくさです。

特にかゆみは薬で治療しないとサイクルから抜け出せません。

温度が20~30度、湿度が60%以上、風通しが悪く日陰だとこのようなカビが繁殖することがあります。

密閉型のイヤホンを長時間装着すると、このようなカビができるリスクが高まります。

治療法として、外来でカビを掃除して薬を塗ることを繰り返し行いますが、1ヶ月~数ヶ月かかることも稀ではありません。

耳のトラブルを放置すると、治りにくくなる、聴力が低下する、さらに悪化してしまい中耳や内耳、悪性外耳道炎などの重篤な病気が進行してしまう場合もあります。

痒みや違和感は無理せずケアをしましょう。

【補足】

耳疾患(中耳炎や外耳炎など)が小中高で過去最高!その理由とは?|耳あかが詰まる「耳垢栓塞」の増加やイヤホン、耳掃除との関係はあるの?|2017年度学校保健統計調査によれば、中耳炎や外耳炎など耳の病気にかかる子どもの割合が、文部科学省の調査で過去最多となったことがわかりました。

文部科学省は「スマートフォンの普及でイヤホンを使用する頻度が増えていることが影響した可能性がある」と分析しています。

■耳トラブルを未然に防ぐ!ケア方法を紹介

耳の中は皮膚が非常に薄くてデリケートです。

この“湿気と熱”が続くと、細菌や真菌、いわゆる“カビ”が繁殖しやすくなります。

悪化すると、耳の粘膜に真菌が発生して激しい痛みや発熱を伴うこともあります。

ある研究では、“イヤホン表面の細菌数は便座の20倍”というデータも出ているため、清潔に保つ意識がとても大切です。

今日からできる方法は大きく分けて3つ。

1つ目は「耳を清潔に保ち、乾燥させる」こと。

汗をかいた後や水泳・入浴後は、清潔なタオルで耳の入り口や耳介を優しく拭き取りましょう。

不快感がある場合は、ドライヤーの「冷風」を耳から30cm以上離し、数秒程度弱風を当てても良いです。

ただし、温風や長時間使用は火傷や皮膚を傷めるため注意してください。

綿棒で奥の水分を取ろうとすると、水を押し込んだり外耳道を傷つけたりする危険性があるため避けましょう。

2つ目は「耳かきは控えめにする」こと。耳

には本来自浄作用があり、耳垢や古い皮膚は自然に排出されます。

実は耳垢は、抗菌や保湿の役割も担っているため、過度な耳かきや奥までこする行為は、皮膚を傷つけて外耳炎のリスクを高めてしまいます。

耳掃除は月1〜2回、見える範囲を優しく拭う程度にしましょう。

少しでもかゆみや痛みがある場合は、無理せず耳鼻科を受診してください。

3つ目は「イヤホンのケア」です。

夏はイヤホンのケアも重要になります。

通り道である外耳道を塞いでしまうと耳ムレや耳カビのリスクがありますので、なるべくふさがないで高温多湿を避けるために長時間使用もしないようにしましょう。

耳をふさがないオープンイヤー型は予防に大変おすすめです。

通気性が良く蒸れにくいので、外耳炎の予防ができると考えられます。