食事パターンと乳がんリスクとの関連について(国立がん研究センター多目的コホート)によれば、健康型・欧米型・伝統型の3つの食事パターンで比較したところ、欧米型食事パターンのスコアが最も高いグループで、乳がんのリスクが32%上昇することが分かりました。
また、閉経後の女性において、欧米型食事パターンのスコアが最も高いグループでも乳がんリスクの上昇傾向がみられました。
健康型:野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶など
欧米型:肉類・加工肉、パン、乳製品、酒類、果物ジュース、コーヒー、ソフトドリンク、マヨネーズ、魚介類
伝統型:ご飯、みそ汁、漬け物、魚介類、果物
欧米型食事パターンでは、そのうち飲酒や肉類・加工肉の過剰摂取と乳がんとの関連はこれまでの研究から指摘されています。
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■まとめ
今回のポイントはこちらではないでしょうか?
それは、欧米型食事パターンのスコアが高いほど、ホルモン依存性の乳がんリスクが高くなりやすいことがわかったこと。
乳がんのリスク要因によれば、閉経後に肥満度が高いことが乳がんリスクを高くすると紹介しましたが、閉経前・後ともに肥満になると乳がんリスクが高くなる!によれば、閉経前・後ともに肥満は乳がんのリスクになることがわかりました。
- 初潮が早い(11歳以下)
- 閉経が遅い(54歳以上)
- 初産年齢が高い(30歳以上)
- 妊娠・出産歴がない
- 授乳歴がない
- 祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる
- 肥満度が高い(閉経後)
- 喫煙している
- 大量に飲酒する習慣がある
- 運動不足
乳がんは初潮が早い、閉経が遅い、妊娠・出産歴がないという人は、女性ホルモンにさらされる期間が長くなるため、乳がんリスクが高くなると考えられているという前提。
閉経前の女性は、過体重や肥満の女性は無排卵やエストロゲンレベルが低いなどの傾向があることから、欧米ではBMI30以上の群では乳がんリスクが低いのですが、アジア人女性の場合は極端に太っている人が少ないことから、予防的な効果はないのではと考えられます。
閉経後の女性では、性ホルモン関連のメカニズムをもとに考えると、肥満になると卵巣よりもむしろ脂肪組織が主なエストロゲン供給源になるため、乳がんリスクが高くなります。
つまり、欧米型の食事パターンで閉経後に肥満度が高くなると、乳がんリスクが高くなるといえるのではないでしょうか?
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