ダークチョコレートを毎日食べると気分が良くなる仕組みについて調べた研究を紹介します。
「85%カカオのダークチョコレート摂取が腸内細菌の変化を伴って気分を改善する:ランダム化比較試験」
【参考文献】
- Shin JH, Kim CS, Cha J, Kim S, Lee S, Chae S, Chun WY, Shin DM. Consumption of 85% cocoa dark chocolate improves mood in association with gut microbial changes in healthy adults: a randomized controlled trial. J Nutr Biochem. 2022 Jan;99:108854. doi: 10.1016/j.jnutbio.2021.108854. Epub 2021 Sep 14. PMID: 34530112.
■研究の目的
昔から「チョコレートを食べると気分が上がる」と言われていますが、特に毎日食べ続けることでネガティブな気分が改善するのか、そしてそれが腸と脳のつながり(腸脳軸)に関係しているのかを科学的に確かめようとした研究です。
■結果
3つのグループに分けて3週間毎日決まった量を食べてもらったところ、85%カカオのダークチョコレートを3週間食べたグループだけ、ネガティブな感情(イライラ、不安、落ち込みなど)のスコアが有意に下がったことがわかりました。
A: 1日30gの85%カカオのダークチョコレート
B: 1日30gの70%カカオのダークチョコレート
C: チョコレートなし(普段通り)
■その理由として考えられること
●85%グループでは、腸内細菌の多様性(種類の豊富さ)がコントロールグループより有意に高くなっていました。多様性が高いというのは、腸が健康な状態と考えられます。
●具体的な細菌の変化
Blautia obeumという細菌の量が有意に増加
Faecalibacterium prausnitziiという細菌の量が減少
特にBlautia obeumの増加と、腸内細菌の多様性の高さが、ネガティブな感情の改善と負の相関(=Blautia obeumが多いほどネガティブ感情が少ない)がありました。
■【家庭料理の視点から】
ベリー類、お茶、ダークチョコレート、リンゴなど多様なフラボノイドを含む食品を摂ると病気のリスクが下がり、寿命を延ばす可能性がある!によれば、お茶、ベリー類、ダークチョコレート、リンゴなど、フラボノイドを豊富に含む色とりどりの食品を摂取する人は慢性疾患のリスクを大幅に低減し、寿命を延ばす可能性があることがわかりました。
●【あさイチ】肝機能改善!「高カカオチョコ」の食べ方|11月28日によれば、高カカオチョコレートを続けると善玉コレステロール増加、肝臓の異常を示す数値(ALT、γ-GTP)・悪玉コレステロール減少することがわかりました。
●あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。
今回の研究は高カカオチョコレートに限定した研究ですが、大事なポイントは食べ物によって、腸内細菌叢が変わり、メンタルにも影響を与えることがあることを示した研究であること。
つまり、私たち自身がどんな食べ物を選択するかによって、肉体的・精神的な健康をどうしたいかが選択できるということなんですよね。
ただ、今回の研究で気になったことは、1日30gの70%カカオのダークチョコレートを食べても有意な変化は見られなかったこと。
それはダークチョコレートを食べたからと言って効果があるというわけではなくて、そのカカオの割合によるものなのか、それとも砂糖の量の多さによるものなのかが気になるところ。
カカオの割合によって、なぜBlautia obeumという細菌の量が有意に増加し、Faecalibacterium prausnitziiという細菌の量が減少するのかも不思議ですよね。
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■まとめ
毎日30g(板チョコ1/2〜2/3枚くらい)の高カカオ(85%)ダークチョコレートを食べ続けると、腸内細菌のバランスが変わり(特に多様性アップ+Blautia obeum増加)、その変化が腸脳軸を通じてネガティブな気分を和らげる可能性が高いと考えられます。
ダークチョコレートはプレバイオティクス(腸内細菌のエサになる成分)のような働きをして、腸から脳へ良い影響を与えているかもしれない、という結果が出ました。
ストレスフルな現代社会では高カカオチョコレートを少しずつ食べることが気分転換や腸活にいいかもしれませんね。
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