by Masaaki Komori(画像:Creative Commons)
過食でカロリー消費低下=飢餓に備え蓄積か―肥満メカニズム解明・東北大
(2012/12/5、時事通信社)
高カロリーの食事をすると、脳が基礎代謝を担う「褐色脂肪」の働きを低下させ、肥満を引き起こすことを、東北大大学院医学系研究科の山田哲也准教授らの研究グループがマウスの実験で解明した。
東北大大学院医学系研究科の山田哲也准教授が行なったマウスの実験によれば、高カロリーの食事をすると、脳が神経シグナルを送って「褐色脂肪」の働きを低下させ、肥満を引き起こしていることが分かったそうです。
山田教授によれば、
「飢餓に備え、過剰摂取したカロリーを蓄積する仕組みが残っているのでは」
とコメントしています。
「肥満の引き金を引く」メカニズムを解明-太りやすさの違いも明らかに-
(2012/12/5、東北大学)
そこで本研究グループは、過剰摂取した余分なカロリーを来るべき飢餓に備えて蓄積するという仕組みを想定し、マウスを使って研究を進めました。その結果、「過食によりカロリー摂取が増加し肝臓での糖代謝が高まると、肝臓→脳→褐色脂肪へと神経シグナルが伝わって、褐色脂肪によるカロリー消費を低下させる」という「体に備わった備蓄システム」を世界で初めて発見しました。さらに、この仕組み自体が肥満を引き起こすメカニズムとなっていること、および、このシステムの働きの違いが個々の太りやすさの違いを規定していることも証明しました。
「体に備わった備蓄システム(食べ過ぎ → 肝臓での糖代謝UP↑ → 脳 → 褐色脂肪によるカロリー消費を低下)」自体が肥満を引き起こすメカニズムであり、このシステムの働きの違いが太りやすさの違いを決めていると考えられるそうです。
■まとめ
肥満メカニズム(高カロリーの食事→脳が褐色脂肪の働きを低下→肥満)が解明されたそうです。
今後メタボリックシンドロームの予防・治療につながることが期待されています。
以前「飢餓に備えろスイッチ」見分け方とは(低カロリーダイエット)|ためしてガッテンによれば、低カロリー食で糖質が不足するため、脳が飢餓だと判断し、脂肪を蓄えることで体脂肪率が増加すると紹介しました。
今回のニュースでは、高カロリーの食事を食べると、脳が褐色脂肪の働きを低下させてしまうことで肥満になってしまうということでしたので、人間は低カロリー食でも高カロリー食でも結局は脂肪を蓄えようとしてしまうわけですね。
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過剰にカロリーを摂取していると、どんな食事のバランスでも、体脂肪は増えてしまうということです。