by Kamil Porembiński(画像:Creative Commons)
(2014/1/20、マイナビウーマン)
米エモリ―大学の研究チームは、ロバート・ハリス『ポンペイ』(2003年)とMRIを使って調査を行いました。被験者には、本を読んだ直後から5日間以上、MRIの脳スキャンをとらせてもらいました。
本を読んだ直後から脳スキャニングをした結果、脳の2カ所で神経細胞のつながりが活性化していることが分かったそうです。
1つは左脳。言語や論理的思考をつかさどる領域なので、本を読んで活性化しているのは当然のことと言えるでしょう。
もう1つは、感覚と運動に関連する、脳の「中心溝」と呼ばれる部分。この部分は「grounded cognition(身体化された認知)」と呼ばれる働きをします。例えば、誰かが「走る」ことについて想起すると、考えた人の脳の中では、実際に走るときの神経回路が活性化するという具合です。
今回の記事のポイントは、感覚と運動に関連する中心溝と呼ばれる部分が活性化されることです。
つまり、本を読むことで、脳は、まるで実体験しているかのように活動しているということです。
しかも、こうした脳の変化は、5日間以上続くのだそうです。
読書で得られるのは「知識」ばかりではなかったのですね。
本を読むことを通じて感動したり、恐怖を感じたり、驚いたりするというのは、まるで自分がその場にいるかのように感じているからだったのです。
子どもの頃から読書の習慣を持つということは実体験を増やすことにもつながりそうですね。
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