羽生結弦選手から学ぶ!基礎(土台)を鍛える重要性とは




■羽生結弦選手から学ぶ!基礎(土台)を鍛える重要性とは

BELGIUM

by Willy Verhulst(画像:Creative Commons)

羽生弓弦選手インタビュー − キャノン・ワールドフィギュアスケートウェブ

——オーサーコーチの方針で基礎からやり直していますね。

まだ全部やり切れていないです。でも今までと違って、毎日スケーティングしたいな、と自分から思うようになりました。ターンとかストローク(前に滑る)だけでも、受けている風の感触とか、氷を押している感じが心地良いんです。あとグッと伸びる瞬間とかも出てきました。それにジャンプに余裕が出てきたのも、基礎の影響です。重心がしっかりしていれば助走が安定して、ジャンプの安定につながっている。それは自分にとって大きなメリットです。だからしっかり練習して感覚を身に付けたいです。

基礎がしっかりしているからこそ、その他のいろんな技術にも良い影響をもたらすことができ、また自分の能力の限界を伸ばすことにもつなげることが出来るということがわかります。

——基礎の練習時間が少なかったのでしょうか?

今まで(仙台)は足りなかったと思います。以前はジャンプの練習に終始してて、ジャンプは目に見えて成長するのでトントン拍子にここまで来ちゃったんです。でも今になって、自分の上限を伸ばすために、基礎を鍛え直している。ブライアン(コーチ)に『ファンデーション、ファンデーション』って毎日言われます。でも僕としてはまだ化粧水の段階って感じ。化粧水があって、乳液があって、やっとファンデーションにたどり着く……という感じ。

基礎のもっと手前の部分(記事の中の例えでは、火山でいうマグマが溜まるコアの部分と表現していますが)を鍛えていって、そして基礎を鍛えていくことで、その先のいろんなジャンプの技術につながっていくのですね。

いろんなことにもつながりますが、最初はセンスだけでうまくいっていても、途中から基礎をしっかりしていた人に追い抜かれてしまうということがありますよね。

センスだけで見える世界と基礎+センスで見える世界は違うのだと思います。

foundation

by Paul Goyette(画像:Creative Commons)

「安藤忠雄 建築を語る」(著:東京大学出版会)の中で、建築家の安藤忠雄さんも基礎の重要性について語っています。

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一般に、基礎が半分、上が半分と言って、基礎工事には予想以上に長い時間が必要になります。だから、基礎工事が済めば半分できたも同然なのです。

<中略>

そして、これは建築を勉強する上でも同様で、基礎を学ぶことは極めて重要です。表面的なことや流行などは簡単に学べますが、学生の間に基礎をしっかり学んでおかなければ、後で上にはいけないのです。

基礎をしっかりと作るためには時間がかかります。

最初のうちはそのことがわかりませんので、基礎をないがしろにしがちです。

ただ、基礎をしっかりと学ばないと、上には行けないということがわかってきます。

そのことを理解し、ちゃんと基礎を学ぶことを選択することが出来るのが才能を伸ばせる人なのでしょう。




■ファンデーション

Make up

by Juanedc.com(画像:Creative Commons)

ブライアン(コーチ)に『ファンデーション、ファンデーション』って毎日言われます。でも僕としてはまだ化粧水の段階って感じ。化粧水があって、乳液があって、やっとファンデーションにたどり着く……という感じ。

羽生選手のコーチもファンデーションを合い言葉にしているように、メイクにおいても基礎化粧が重要だといいます。

基礎化粧をしっかりとしている人は肌の質もよくて、化粧ののりが違うといいますよね。

基礎ができていないと、どんなに優れた技術でメイクしてもすぐに崩れてしまいます。

何事も基礎が大事なんですね。

P.P.S.

また、技術の分野でも、基礎技術の研究なくして、応用技術は生まれていないのだから、応用技術の人は基礎技術の研究の人に感謝を忘れてはならないという話を聞いたことがあります。

基礎を忘れてはならないのですね。

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【追記(2015/12/17)】

羽生、勝利のルーティンは「ワンオクロックさん」

(2015/12/15、日刊スポーツ)

羽生が曲名を上げたのは「完全感覚Dreamer」と「キミシダイ列車」。「とにかく歌詞もそうですが、自分がモチベーション上がっていけるように、過去といまの違いというか、過去があるからいまがあると、感じながらやれたと思うので、それはすごく聞いてました」とした。

キミシダイ列車の歌詞には

過去の自分が今僕の土台となる

というフレーズがあります。

基礎をしっかりとやり直したからこそ、今の輝きがあるのではないでしょうか。