by Tiago(画像:Creative Commons)
揺らぐ“1万時間の法則”
(2014/3/11、ナショナルジオグラフィック)
ハンブリック氏のチームは、エリクソン氏による音楽とチェスの名人の事例研究を見直してみた。そして、こ れまでの意図的な練習(演奏や競技ではないという意味)の時間を被験者たちに質問し、成功の要因のうち練習 が占める割合は音楽で30%、チェスで34%にすぎないという結論に達した。
また、練習時間にも大きなばらつきがあった。チェスのグランドマスターたちの平均は約1万530時間だった が、832時間から2万4284時間まで幅があった。音楽家も1万~3万時間にまたがっていた。
これだけばらつきがあれば、1万時間の法則は意味を失ってしまうと、ハンブリック氏は指摘している。
以前、10000時間の法則であなたも「本物」になれる?やIQの高さより自己鍛錬が大事で「天才!成功する人々の法則」(著:マルコム・グラッドウェル)で「一万時間の法則」を紹介しました。
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簡単に言うと、「一万時間の法則」とは、現在活躍している人々は、生まれつきの才能だけで成功を収めたのではなく、練習に1万時間を費やしたことにより、さらにその才能が開花しているという内容です。
私もこの考えを元に、プロの仕事・スキルを身につけるためには、1万時間の努力が必要なのだなと単純に思っていたのですが、最近少しこの考えに変化が出てきました。
そのきっかけとなったのは、2つ。
1つ目は、武井壮が語る「スポーツが上達するには自分の身体を思ったように動かす技術を上げることが必要」の中で語られたこと。
どんなに練習しても間違ったフォームでやっていては意味がないというようなことをいっており、なるほど確かにそうだなと思いました。
2つ目は、「心を上手に透視する方法 」(著:トルステン・ハーフェナー)の中でドイツ人バイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターが練習時間の長さよりも重要にしていることが語られています。
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練習時間の長短よりも、私が大切にしていることがあります。音や演奏技術のことでつまづいたら、そこから距離を置いて冷静に解決する方が良いということです。つまり、単調な動きをひたすら繰り返して練習するよりも、分析を行なうことで解決するのです。
単調な動きは短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば引けるようになるというのは大きな勘違いです。
ひたすら繰り返せばできるようになるわけではないということです。
この2つに共通しているのは、「分析」することです。
どんなに努力しても努力する方向性が違っていたら才能は開花しません。
「Psychology of Sport and Exercise」誌に3日付で掲載された論文によれば、プロのサッカー選手 になった人とならなかった人を比較した場合、子供のころの練習時間に違いはなかったという。両者の大きな違 いは、良い指導を受けた量だった。
この論文において、才能が花開いた人にとって重要だったのは、努力する方向性を示してくれた指導者の存在だったのです。
もちろん自分で努力の方向性を気づくことが出来ればよいのですが、自分のことは見えづらいもの。
それをコーチや先生といった指導者が努力の方向性をしっかりと示してあげられれば、努力は結果として現れるのだと思います。
今の段階の結論としては、努力の方向性をしっかりと分析・判断して、努力することが大事ということになります。
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