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【目次】
■糖尿病治療を中断すると合併症リスクが高くなる!?
by Dick Thomas Johnson(画像:Creative Commons)
(2014/9/2、東京新聞)
悪化すると腎臓や目などに重い合併症の恐れがあるが、自覚症状は乏しい2型糖尿病。年に患者の1割近くが治療を中断しているとみられることが厚生労働省研究班の調査で明らかになった。
厚生労働省の調査によれば、糖尿病患者の一割近くが糖尿病治療を中断していることがわかったそうです。
糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。
→ 糖尿病の症状・初期症状について詳しくはこちら。
■なぜ糖尿病治療を中断してしまうの?
なぜ、糖尿病治療を中断してしまうのでしょうか。
研究班が過去の研究も加味し中断者を分析すると、働いている男性で五十歳未満、血糖コントロールが悪いか、逆にかなり良い人も多いといった特徴が浮かび上がった。中断理由を複数回答で尋ねると「忙しい」「体調が良い」「医療費が負担」などが多かった。
糖尿病治療を中断した理由としては、次の理由が挙げられています。
●「忙しい」
忙しいために、最も大事な自身の健康を守ることを忘れてしまうようですね。
●「体調が良い」
体調が良いと治療を休んでもいいのではないかと思ってしまうようですね。
●「医療費が負担」
治療をずっと続けていくことになりますから、医療費が負担になることで治療継続が困難になる人もいるようです。
今回の記事で重要だと感じたのはこの部分。
糖尿病で治療中の患者は国内に約六百二十万人(一二年国民健康・栄養調査)で、ほとんどは2型。その8%の約五十万人が治療を中断する計算になる。「中断者に合併症が多いことが過去の研究で分かっている。医療側の働きかけで中断が減らせると分かった意味は大きい」と研究代表の野田光彦・国立国際医療研究センター糖尿病研究部長。
一つは、糖尿病治療を中断した人に合併症が多いこと。
もう一つは、医療側の働きかけで中断が減らせることがわかったこと。
糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病治療の重要性を認識しつつも治療継続を辞めたくなる背景には、治療に伴う経済的な負担(「経済的な負担が大きい56%」)やストレス(「治療を続けることにストレスを感じる29%」)があるようです。
そのためにも、糖尿病治療をより継続しやすい仕組みにして、経済的にも、心理的にも負担を軽くしていく必要があります。
これから大事になってくるのは、医療側から糖尿病治療を継続するよう働きかけを行っていくこと、そして、テクノロジーでより簡単な糖尿病治療法を考えていくこと。
GOOGLE、糖尿病患者の血糖値を管理するスマートコンタクトレンズを開発したのもそういったことが関係していると思います。
生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。
今回の調査結果からも、現状の方法では糖尿病治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考えるときに来ていると思います。
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