「2歳未満の子供には画面を見せないほうが良い」とする指針が見直される!?

ipad

by Petras Gagilas(画像:Creative Commons)




幼児の端末視聴時間、「時代遅れ」の指針見直しへ

(2015/10/13、WSJ)

デジタルメディアとテクノロジーの性質が変化しつつあることを受け、米国小児科学会(AAP)は今月、子どもが端末の画面を見ている時間に関する厳格なガイドライン(指針)の改定プロセスに着手することを明らかにした。

ガイドラインは過去15年以上にわたり、2歳未満の子については画面視聴時間を完全にゼロに、2歳以上の子については1日2時間を超えないよう親に助言していた。

「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針(2011/11/20)によれば、テレビがついていると、親はあまりしゃべらないそうで、子供のおしゃべりの時間が短ければ短いほどその子の言語発達が遅れるという科学的証拠もあるため、2歳未満の子供にはテレビを見せないほうが良いとする指針を発表していました。

しかし、今回の記事によれば、子どもが端末の画面を見ている時間に関する厳格なガイドラインを改定していくようです。

ブラウン博士は「全てのテクノロジーは同一ではなく、全てのメディアも同じではない」と指摘。「そこには消費もあれば創造もあり、コミュニケーションもある。2歳未満の子どもたちを考えた場合、ユーチューブで何時間もアニメを見るのと、おばあちゃんとビデオチャットするのには大きな差がある」と語った。

以前のガイドラインは「画面(スクリーン)=テレビ」を想定していましたが、今はスマホやタブレットといったものもあり、以前のようにただ画面を見るのではなく、コミュニケーションツールとしての役目も果たすようになっています。

そして、現実的に、幼児からスマホやタブレットを使うことが普通になっている中で、画面視聴時間を完全にゼロを目指すというのは難しいことになっています。

【関連記事】

2歳から2歳半の子が覚えた新しい単語の数は、ビデオチャットを通じて先生から教わった場合と、実際の部屋で先生から教わった場合とで、ほぼ同じだった。前出のブラウン博士は「スクリーンのメディアが生のやり取りに近づけば近づくほど、教育的に価値の高いものになるのかもしれない」と話している。

そして、以前の「2歳未満の子供には画面を見せないほうが良い」とする指針における科学的根拠(子供のおしゃべりの時間が短ければ短いほどその子の言語発達が遅れる)も、ビデオチャットを通じて双方向のコミュニケーションが行なわれている場合にはそれほど影響がないとの研究もあるようです。

【関連記事】

■まとめ

スマホやタブレットは従来の受け身のメディアとは異なるため、使い方によっては、2歳未満の子供にも見せてよいという指針となるのではないでしょうか。