中流階級の家庭の子どもは貧しい家の子どもより2300万語多く言葉を聞いている?


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by dbjules(画像:Creative Commons)




中流階級の家庭の子どもは貧しい家の子どもより2300万語多く言葉を聞いている?

(2012/5/10、Pouch)

海外サイト『dailymail.co.uk』によると、学校に入る前の段階で、イギリスに住む中流階級の子どもは貧しい家の子どもより、2300万語も多く言葉を聞いているということがわかりました。

学校に入る前の段階で、イギリスに住む中流階級の子どもは貧しい家の子どもより、2300万語も多く言葉を聞いているそうです。

つまり、貧富の差によって子供が聞く言葉の数に差が生まれているそうです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

フィールド氏はサンデータイムズの取材で、「このような事態が起きた背景には、貧しく不安定な家庭環境における、親の子育てスキルの崩壊があるのだ」と述べています。

貧しく不安定な環境にいる親の子育てスキルが崩壊していることが原因のようです。

子供の貧困に関する調査報告書によると、生まれてから3歳までの間、裕福で安定した家庭で育つ子どもは貧しく不安定な家庭で育つ子供よりも、両親の口から肯定的な言葉を44万個以上も聞くのだそうです。これは、「家庭が安定しているかどうか」という問題に加えて、貧困家庭における親子間のコミュニケーション不足が最大の原因だと考えられています。

親子間のコミュニケーションは、子どもの将来に多大な影響を与えます。それは、生まれ持った人種や家庭の収入など後の人生に影響を及ぼしかねない事象よりも遥かに大きく、また抜本的な影響になり得るのだとか。

貧困家庭では往々にしてコミュニケーション不足が発生しやすく、そういった環境で育った子どもたちが成長し家庭を持つと、経験がないためか再び自分がされたことを子どもに繰り返すことが多く、ここに『負のスパイラル』が生じます。

記事によれば、生まれてから3歳までの間、裕福で安定した家庭で育つ子どもは貧しく不安定な家庭で育つ子供よりも、両親の口から肯定的な言葉を44万個以上も聞くのだそうですが、このことは子供の性格にも影響を与えそうです。

また、貧困家庭ではコミュニケーション不足が発生しやすく、その環境で育った子供が成長し家庭を持つと、同じ事を繰り返してしまうようです。

このブログでは何度か貧困は肥満の原因の一つであるということを取り上げました(肥満と生活保護・貧困との関係-米)が、貧困が子育てスキルの崩壊の原因になるというのは驚きです。

「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針によれば、親が喋らないと、子供は親の言葉を聞くことができないために、言語の発達が遅れてしまうそうです。

親子でのコミュニケーションをとる時間をたっぷりとってくださいね。







【追記(2016/12/26)】

文化資本|Wikipedia

文化資本(英語: cultural capital、フランス語: le capital culturel)とは、社会学における学術用語(概念)の一つであり、金銭によるもの以外の、学歴や文化的素養といった個人的資産を指す。フランスの社会学者ピエール・ブルデューによって提唱されて以来、現在に至るまで幅広い支持を受けている。

自分なりに解釈すると、資本というのはお金だけじゃなくて、本や美術品、楽器などのモノや学歴、言葉の使い方・振舞い方などを含まれているということだと思います。

貧富の差によって子供が聞く言葉の数に差が生まれているだけでなく、どのような言葉の使い方・振舞い方をすればよいのかにも差が生まれているということではないでしょうか。

【参考リンク】

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