■2027年には延べ約85万人分の血液が不足すると推計|日本赤十字社シミュレーション
by 从峰 陈(画像:Creative Commons)
(2016/3/3、THE PAGE)
現在は輸血用血液が不足したことはないというが、同社が2014年に発表したシミュレーションでは、少子高齢化の進行によって2027年には延べ約85万人分の血液が不足すると推計している。
日本赤十字社が2014年に発表したシミュレーションでは、少子高齢化によって2027年には延べ約85万人分の血液が不足すると推計しているそうです。
参考画像:献血者数の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット
平成28年版厚生白書によれば、献血者数は1994年の661万人から減少していき、途中で増加に転じたものの、2015年は491万人へと減少しているそうです。
少子高齢化は「献血」にも影響を与えているで紹介した東京都の年代別輸血状況調査によると、輸血用血液製剤の約85%は50歳以上の方々に使われています。
一方、献血に協力している方の年齢層を見ると約78%が50歳未満(その内の約27%が16-29歳)と、健康な若い世代が高齢者医療の多くを支えている現状があります。
医学・技術進歩で非開腹手術が普及し、また輸血必要量の予測が適正化されたため、血液自体の需要は低下しているそうですが、現在の献血者比率がこのまま推移していくと仮定すると、供給量の低下を十分に補えるかは厳しいようです。
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P.S.
献血からつくられる輸血用血液には種類があり、出血防止に必要な血中の要素を取り出した「血漿(けっしょう)製剤」は採血後1年間もつが、外科手術の出血時などに用いられる「赤血球製剤」は採血後21日間、止血機能をもつ「血小板製剤」は採血後4日間しか使うことができない。
献血からつくられる血液製剤の有効期限が短いため、継続的に献血を呼び掛けなければならないそうです。
少子高齢化で供給量の低下を補えるのかどうか心配ですね。
将来的には人工血液のような医学・技術進歩が求められるかもしれません。