米Theranos、血液検査技術に疑念|免許停止と創業者Elizabeth Holmesの2年間就業禁止を検討

Theranos in Walgreens, and the current Forbes Cover

by Steve Jurvetson(画像:Creative Commons)




注射嫌いのエリザベス・ホームズが血液検査を再発明する!?で紹介した米セラノスの創業者エリザベス・ホームズさんは指先から小さな針で採血し、極力人手を介さない分析工程と流通網を構築し、痛みが少なく、より正確で、低価格な血液検査を即時に提供することで注目されている人物です。

ただし、現在セラノスにはその血液検査技術や運営能力、情報公開における正確性に対して疑念が浮かび上がっているそうです。

米セラノス、血液検査技術に疑念浮上

(2015/10/19、WSJ)

セラノスのある元従業員は、監督当局へ苦情を申し立て、エジソンの正確さに疑問が生じた検査結果の報告を同社が怠ったと主張した。検査機関によるこのような報告漏れは連邦規則に違反している可能性があるとその元従業員は述べた。

血液検査で疑惑のTheranos、当局が免許取り消しとファウンダーElizabeth Holmesの2年間就業禁止を検討

(2016/4/14、TechCrunch)

昨年6月1日から9月21日の期間で、Theranosは医療機器の操作にあたって資格をもち正規の訓練を受けた人材を当てることを怠り、無資格の社員に血液検査の結果を読み取らせ、検査結果の正確性を確保するため機器のメーカーが文書によって指示した正しい操作方法によるカリブレーションを行わなかった。

現在血液検査には大きな技術革新が起きています。

採血1回で13種のがんが診断できるようになる!?(2014/8/22)によれば、一回の採血で13種類のがんを発見するシステムの開発が行われるそうです。

対象となるのは、胃がんや食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫の13種類のがん。

このシステムが確立されれば、人間ドックや健康診断で早期発見・早期治療ができることが期待されています。

そして、血液検査は私たちにとって身近な存在にもなりつつあります。

KDDI、自宅で健康診断ができるサービス「スマホ DE ドック」(2015/3/26)によれば、検査キットを使って血液を採取し、検査センターへ郵送すると、1週間ほどで脂質や肝機能血糖痛風など結果が確認できるそうです。

今後は、血液検査できる項目は増え続け、時間も短縮し、コストも下がっていくことが予想されます。

今回のケースのように、血液検査をする企業にはしっかりとした技術があることはもちろんのこと、安全性を確保するための情報公開の正確性や個人情報の保護に対する仕組みなど事業を運営する能力が必要になります。