by Yale Rosen(画像:Creative Commons)
> 健康・美容チェック > 血栓 > 避難所の2千人に検診をしたところ9・1%に血栓が見つかった|熊本で医師ら調査
【目次】
■避難所の2千人に検診をしたところ9・1%に血栓が見つかった|熊本で医師ら調査
(2016/6/14、朝日新聞)
熊本地震でのエコノミークラス症候群(肺塞栓〈そくせん〉症など)の防止活動をしている医師らの対策チームは14日、避難所で暮らす被災者ら約2千人を検診した結果、全体の9・1%の人の足に肺塞栓症の原因となり得る血栓が見つかったと公表した。特に70歳以上が多く、女性が7割以上を占めた。
車中泊で肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が多発!その初期症状とは!?では、4月19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象に「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施したところ、26人のうち4人に血栓やそれにつながる血のよどみが見つかっていました。
今回のニュースによれば、約2千人を検診した結果、全体の9・1%の人の足に肺塞栓症の原因となり得る血栓が見つかったそうです。
データを分析すると、70歳以上の人や睡眠剤を使用している人は危険性が高まることもわかったという。
前回のニュースによれば、血栓が見つかったのは女性に多いというものでしたが、今回のニュースによれば、70歳以上の人や睡眠剤を使用している人は危険性が高まることもわかったそうです。
【参考リンク】
- 深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防について|厚生労働省
- エコノミークラス症候群に関するDVT検診結果及びフォローアップ一斉検診(2016/6/14、熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト)
■エコノミークラス症候群(肺塞栓症)とは
自動車の中で避難生活をしている人はエコノミークラス症候群になる恐れがある!?予防法とは?によれば、エコノミークラス症候群とは、文字通り飛行機のエコノミークラスのような狭い座席に長時間足を動かさずにいると血流が悪くなり、その結果足に血栓ができ、その血栓が血流に乗って、肺の血管に詰まる可能性のある病気です。
04年の新潟県中越地震や07年の新潟県中越沖地震で避難生活を送っていた被災者に症状が確認されていたそうです。
この病気が注目されたのは2004年の新潟県中越地震がきっかけだ。車中泊避難者が最大で約10万人いたと推測され、2週間以内に発症したのは少なくとも11人。いずれも女性で、そのうち6人が亡くなった。今回の地震では19日までに18人が報告されている。中越地震も調査した榛沢(はんざわ)和彦・新潟大講師(心臓血管外科)は「非常に速いペース。車中泊や避難所生活を続ければ、運動する機会が減って血流が悪くなり、リスクは増える」と話す。
厚生労働省によれば、エコノミークラス症候群の初期症状は足が赤くなる、足がむくむなどの症状があり、症状が進むと胸の痛みや息切れ、失神などの症状が出て、最悪の場合死亡することもあるそうです。
エコノミークラス症候群は中高年の女性に多いというデータがあるそうで、済生会熊本病院に搬送された患者10人のうち8人が女性だったこともそのデータを裏付ける材料となりそうです。
■エコノミークラス症候群の予防法
新潟大の榛沢さんらは、19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象にエコノミークラス症候群の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施。その結果、26人を調べたうち、4人に血栓やそれにつながる血のよどみがあった。いずれも受診をすすめるほどではなかったという。全員に血栓の発生を予防する弾性ストッキングを配布した。
前回のニュースでは、エコノミークラス症候群の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を受けた方全員に、血栓の発生を予防する弾性ストッキングを配布したそうです。
【ためしてガッテン】すし職人が絶賛!足の疲れ&むくみ解消&下肢静脈瘤予防グッズ|弾性ストッキング(着圧ソックス)|1月27日によれば、医療用弾性ストッキングは、足に適度な圧力を加えて余分な血液がたまることを予防し、足の深部にある静脈への流れを助けてくれるそうです。
ただ、血栓の発生を予防する弾性ストッキングが全員にいきわたるのは難しいでしょうから、長時間同じ姿勢を取らないようにして、少し動くようにすること、そして水分補給を定期的に行なうことが大事です。
●エコノミークラス症候群を予防する方法
- 長時間同じ姿勢を取らない
- 1時間に1度はかかとの上下運動(20~30回)をする、歩く(3~5分)などの足の運動をする
- 血液が濃縮されないよう定期的に水分補給する
- 時々、深呼吸する
- できるだけゆったりとした服装にする
- 足を何かの上に上げた状態で寝る
■血栓を溶かす方法
医療現場では脳梗塞の治療に「t-PA(tissue plasminogen activator:組織プラスミノーゲン活性化因子)」という血栓を溶かす薬があるそうです。
「t-PA」は私たちの体の中(血管の内側の細胞)でも作られていて、日常的にできる血栓を溶かしてくれているそうです。
では、どのようにすれば、「t-PA」を増やすことができるのでしょうか?
t-PAを増やす方法は、「運動」!
1日30分ほどの散歩程度の運動(有酸素運動)を3週間行なったところ、被験者全員の血栓を溶かす能力がアップしたそうです。
次に、軽い有酸素運動ではなく激しい運動を行なった場合も実験したところ、血栓を溶かす能力は21倍!になったそうです。
激しい運動による効果は一時的なものなので、長く続けられる軽い有酸素運動のほうがよさそうです。
また、体重を一キロ減らすだけでも血栓を溶かす能力は20%もアップするそうです。
運動する場合には、起床後水分を摂って1時間ほど経ってから運動するといいそうです。
→ 血栓とは|血栓の症状・原因|血栓を溶かす食べ物・飲み物・運動 について詳しくはこちら
【血栓 関連記事】