> 健康・美容チェック > 骨粗しょう症 > スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法|骨が作り替えられるメカニズム|#NHKスペシャル #人体
2018年1月7日放送のNHKスペシャル「人体」のテーマは「骨」。
今回はその中でも「スクレロスチン(Sclerostin)」についてまとめてみたいと思います。
【目次】
- スクレロスチンと骨粗鬆症の関係
- 骨が作り替えられるメカニズム
- なぜ「スクレロスチン」が大発生すると骨粗鬆症になるの?
- なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうの?
- スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法
- まとめ
■スクレロスチンと骨粗鬆症の関係
by Adriano Amalfi(画像:Creative Commons)
骨粗鬆症は高齢者だけの病気ではなく、若い人でも骨粗鬆症を発症する患者も多いそうで、その場合「スクレロスチン」が大発生していることが関係しているのだそうです。
なぜ「スクレロスチン」が大発生すると骨粗鬆症になるのでしょうか?
■骨が作り替えられるメカニズム
その前に、まずは骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。
骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっているそうです。
骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているそうです。
■なぜ「スクレロスチン」が大発生すると骨粗鬆症になるの?
作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。
「スクレロスチン」はメッセージ物質の一つで、「骨を作ることをやめる」というメッセージを持っており、通常は骨の量が増え過ぎないように「スクレロスチン」によって「骨芽細胞」の数を減らしているのですが、この「スクレロスチン」が大発生すると、骨量が減ってしまうのです。
■なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうの?
それでは、なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうのでしょうか?
骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。
骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。
骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。
■スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法
NHKスペシャル「人体」で紹介された米ミズーリ大学のヒントン博士の研究によれば、週に6時間以上ランニングまたは自転車に乗っている男性の骨量を調べたところ、骨粗鬆症予備軍とされる人の割合が自転車に乗っている人が63%だったのに対して、ランニングしている人は19%だったそうです。
ポイントは、「自転車では骨への衝撃が伝わらないから」という点。
ヒントン博士の研究によれば、週3回30分の「ジャンプ運動」を骨粗鬆症予備軍の男性にしてもらったところ、スクレロスチンの値が下がり、骨量が増えたそうです。
高齢者は「水中ウォーキング」や「ヨガ」「ストレッチ」もおすすめなのだそうです。
■まとめ
【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!では、耳石は、全身の筋肉や内臓・血管をコントロールしている自律神経とつながっており、耳石が動いている状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが良くなることによって、心臓などの働きが良くなって血流がよくなったり、コレステロールや糖の代謝も良くなるそうですが、耳石があまり動かないと状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、免疫力低下、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起きてしまうと紹介しました。
近年の研究によれば、「長時間座り続けること」がその原因となっていたのですが、「骨」という視点から考えると、「長時間座り続けること」=「骨に衝撃がかからない生活」とも考えられますよね。
長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。
- 脂肪を分解する酵素が90%減少
- インスリン値は下がる
- 善玉コレステロール減少
- 血圧は上がる(高血圧)
- 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
- 肥満、糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
- 乳がんにも悪影響を与える
長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、座っているときは、体の代謝に必要な仕組みがストップされているそうです。
普段からよく歩く人達に歩く量を減らしてもらう実験を行うと、糖分や脂肪の代謝機能が低下し、体脂肪率が増加したそうです。
オステオカルシン(骨ホルモン)をかかと落としで増やして血糖値を下げる!|オステオカインが全身の臓器を制御している|#ガッテンによれば、「オステオカルシン」を増やす方法として、骨に衝撃をかけることが重要であると紹介していました。
「骨に衝撃がかからない生活」をしないように「骨活」をやっていきましょう!
→ オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体 について詳しくはこちら
【参考リンク】
- NHKスペシャル人体”骨”が出す!最高の若返り物質(2018/1/7、NHK健康ch)
- 骨粗しょう症には”自転車”より”ランニング”!?(2018/1/7、NHK健康ch)
- 宮崎剛 澤田泰宏 骨粗鬆症研究と治療法の進歩 日老医誌 2013;50:130―134
スクレロスチン(sclerostin)は,骨細胞から分泌され,Wnt の骨芽細胞に対する作用を阻害する生理活性物質である.Wnt 作用は骨形成の促進に重要な役割を果たしており,スクレロスチン作用の阻害によって骨形成が促進される.スクレロスチン機能を阻害する抗スクレロスチン抗体が開発され,そのヒトにおける骨形成促進効果を明らかにするための臨床研究が進められている
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