開発中の箸型デバイス|明治大学

電気刺激の活用で塩味が約1.5倍に増強される箸型デバイスの開発!高血圧の予防に|明治大学・キリン




電気刺激波形の検討風景|明治大学
電気刺激波形の検討風景|明治大学
開発中の箸型デバイス|明治大学
開発中の箸型デバイス|明治大学

~減塩食をよりおいしく、「健康」課題の解決に向けた大きな一歩~ 世界初※1!電気刺激の活用で 塩味が約1.5倍に増強される効果を確認 —「味を調整できる食器」の開発につながる新技術—(2022/4/11、明治大学)で紹介されている明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室とキリンの共同研究によれば、減塩食品の味わいを増強させる電気刺激波形と箸型デバイスを開発し、減塩食を食べたときに感じる塩味が1.5倍程度に増強されることを世界で初めて確認したそうです。

図3:電気刺激による塩味増強効果|明治大学
図3:電気刺激による塩味増強効果|明治大学

2016年に紹介した食べ物に電気を流して味覚を変化させる「エレクトリックフォーク」で高血圧予防・対策ができる!?によれば、電気を調整することで味を調整する仕組みを活用することで、少量の塩分しか使っていない食事でも十分に塩味を感じられるので、高血圧の予防・対策につながることが期待できます。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

また、甘みを調整することができれば、糖尿病患者の方でも十分に甘く感じるデザートを食べることもできるのではないかという期待もできますね。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

■まとめ

日本人の1日当たりの食塩摂取量は成人男性で10.9g、成人女性で9.3g ※4と、WHO(世界保健機関)が掲げる食塩摂取基準と比較しても非常に多い ※5ことが分かっています。塩分のとり過ぎは、高血圧・慢性腎臓病をはじめとした生活習慣病の発症や重症化を招きやすく、「健康」に関する大きな社会課題となっています。厚生労働省が生活習慣病予防のために設定した目標量(成人男性で1日8.0g未満、成人女性で1日7.0g未満 ※6)を達成するためには、今の食塩摂取量を20%以上低減させる必要があります。さらに、生活習慣病の重症化を予防するには1日6.0g未満の食塩摂取量が望ましいと考えられていますが ※7、塩分を控えた食事(減塩食)に対して「味が薄い」と感じる方も少なくなく、減塩食を続ける上での阻害要因となっていました。
※4 厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査
※5 5.0g/日 未満(2012年、WHOガイドライン)との比較
※6 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
※7 日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン。日本腎臓病学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018

独自の減塩技術「ソルトチップ」とは?販売店はどこ?|高血圧を予防するポイントは「減塩」!でも紹介しましたが、自分自身で健康管理をしている人はすでに健康に関して意識が高い行動をしていると思われるので、社会的に健康な社会を目指すならば、イギリスの取り組みが参考になるのではないでしょうか。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

意識的に健康的な生活習慣を選ぶという時代から、自然と選んでいるものが健康的なものという時代にこれからは変わっていくことが期待されます。

例えば今回紹介した電気刺激の活用で塩味が1.5倍程度に増強される箸型デバイスを活用したり、食品メーカーが塩分を極力減らしたものを販売するようになれば、大幅に塩分摂取量を減らせるようになるのではないでしょうか?

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