水の硬度が牛肉,鶏肉およびじゃがいもの水煮に及ぼす影響には水の硬度が煮込み料理に及ぼす影響について調べた研究が紹介されています。
この研究によれば、エビアンのような硬水でお肉を水煮するとお肉は柔らかくなり、じゃがいもは硬水の方が軟水で煮ると煮崩れが防げるそうです。
- 硬水で牛肉,鶏肉,じゃがいもを水煮したところ,水中のCa,Mgがこれらに吸着
- KとNaは,軟水より硬水で多く溶出
- 破断強度値は,牛肉ではエビアンを用いて120分水煮したものが有意に小さく,じゃがいもは硬水ほど大きくなった
- エビアンで水煮した牛肉は,筋内膜および筋周膜と,筋線維束の分離が顕著であった
- じゃがいもは,硬水で水煮するとでん粉の糊化が抑制され,細胞同士が凝集した組織構造になった
この研究を参考にすると、同じ材料で同じ工程で煮込み料理を作ったとしても、水が違えばその食感や出来栄えに違いが現れるということですね。
この研究が気になる方は煮込み料理を作る際にはぜひ硬水(硬度300程度)で作ってみて下さいね。
P.S.
ちなみに、水に「にがり」を加えることで硬水に変えるというライフハックもありましたよ♪
【参考文献】
- 鈴野 弘子, 石田 裕, 水の硬度が牛肉,鶏肉およびじゃがいもの水煮に及ぼす影響, 日本調理科学会誌, 2013, 46 巻, 3 号, p. 161-169, 公開日 2013/08/20, Online ISSN 2186-5787, Print ISSN 1341-1535, https://doi.org/10.11402/cookeryscience.46.161,