「アマゾン薬局」が話題!Amazonは薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始!2,500の薬局と連携




オンライン服薬指導から処方薬の配送まで「Amazonファーマシー」の提供を開始

(2024/7/24、Amazon)

Amazonは薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始します。

利用者はAmazonショッピングアプリのアカウントから、「Amazonファーマシー」に登録されている薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受け、処方薬を自宅など指定の住所に配送、または薬局の店舗で受け取ることができるそうです。

「Amazonファーマシー」では以下の薬局各社の対象店舗約2,500店で服薬指導を受けることが可能です(2024年7月23日時点):
主な薬局はアイン薬局、ウエルシア薬局、共創未来、クオール薬局、新生堂薬局、薬局トモズ、V・ドラッグ、薬樹薬局、ユニスマイル薬局 等

「Amazonファーマシー」は、慢性疾患などで定期的に処方薬を必要とされてい人や、移動や待ち時間の手間を減らしたい人にとって便利なサービスです。

■まとめ

AMAZON、薬を小分けして配達するオンライン薬局PILLPACKを買収|PRIMEサービスに組み込まれる?それとも従業員の医療費削減を目指すヘルスケアベンチャーサービスに組み込まれる?によれば、以前AmazonはPillPack(薬を1回分に小分けした袋をユーザーに届けるオンライン薬局サービス)を買収すると発表しました。

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また、アマゾン、バークシャー、JPモルガンが新しいヘルスケア企業を設立 医療費削減を目指すによれば、アマゾン、バークシャーハザウェイ、JPモルガン・チュースが共同で米国で働く従業員を対象としたヘルスケアサービス会社を設立すると発表しており、アメリカでも医療費が膨らんでいることが問題となっており、多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているそうで、高齢化や医療の進歩に伴い、企業への負担が大きくなってきていることから、医療保険料などの削減を目指しており、ヘルスケア事業に興味を持っていたのがわかります。

今回のニュースのポイントはAmazonだけで行なうオンライン薬局サービスではなく、様々な薬局や医療機関(メドレーが提供する患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」とも連携しており、クラウド診療システム「CLINICS」を導入している医療機関)と連携していることです。

AmazonはPillPackのような薬を1回分に小分けした袋をユーザーに直接届けるオンライン薬局サービスに関心があると思っていたので、AmazonがロボットやITを活用して全てを請け負うシステムを構築するよりも、すでにあるネットワークの力を活用したほうがよいと判断したのは興味深いですね。

「アフリカ 動き出す9億人市場」(著:ヴィジャイ・マハジャン)の中で、MTNバンキングCEOはこう語っています。

「インフラが不足しているからこそ、私たちはどんな飛躍もできるのです。」

今回のケースで言えば、すでに日本には各地に薬局があるというインフラがあるわけですから、診療から処方箋の取得までをオンラインで行ない、自宅に届けるだけでなく薬局の店舗でも受け取れるようにするというのはインフラを活かした取り組みと言えるでしょう。

将来的にはドローンで医薬品を届けるということも考えられますが、その拠点を薬局が担うというのもあり得るのではないでしょうか?

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P.S.

アフリカでは、携帯電話は医療に活用されている。で紹介した「アフリカ 動き出す9億人市場(著:ヴィジャイ・マハジャン、英治出版、2009)」を読むと、もしかするとある面ではアフリカが日本よりも進んでいる点があるのではないかと考えさせられます。

ルワンダでは、携帯電話は医療に活用されている。

アメリカの企業ボクシーバが構築したシステムを使い、僻村の医療従事者は現場から携帯電話を使って診断書を直接送信できる。

このシステムにより、HIV/エイズの患者の経過観察を行い、国内340箇所の診療所のうち75%をつないで合計3万2000人の患者を見ることが可能になっている。※

ショートメール、音声メッセージ、インターネットからの入力にも対応可能だ。

診療所はシステム経由で検査結果や薬品のリコール警告などを受信することもできる。

※Neil Ford, “Record FDI for Africa,” African Business, January 2008, 24

そして、比較する意味で、日本での医療にインターネットを活用するケースをご紹介します。

在宅医療情報、ネットで共有…医師・看護師・ケアマネら

(2011/7/21、読売新聞)

横浜市南区の診療所「睦町クリニック」(朝比奈完院長)を中心に在宅医療を行っている医師や看護師、ケアマネジャーらが、インターネットの情報共有サービスを使って、患者の病状を共有する試みに取り組んでいる。

同じ患者宅を訪問する別々の事業所のスタッフが、常に情報を共有できるようにするのが狙い。

日本の医療システムは最先端なんだろうなと漠然と思っていましたが、2つの文章を比べても、アフリカが遅れているという印象は受けないどころか、かえってアフリカから医療システムにおいて学ぶところも多いように感じます。

なぜこれほどアフリカが進んでいるように感じるのでしょうか。

この答えは、『アフリカ 動き出す9億人市場』を読むと、次のように考えられます。

「何か新しいことを始めるにあたってこの大陸が持つ利点の一つが、跳躍力です。

アフリカは世界中のどこかで生まれた最優良事例を活用し、さらにその上の段階へと進むことができる。

二番手に甘んずることはないのです。」

アフリカはいろんな国々が徐々に進んできた道を飛び越えて、その上の段階に進むことができるのです。

アフリカでは、インフラが日本のように整っていなかったからこそ、携帯電話のようなツールを活用して飛躍しているのです。