クイーンズ大学、エディスコーワン大学(ECU)、ウィーン医科大学、ウィーン大学の研究者チームによれば、お茶、ベリー類、ダークチョコレート、リンゴなど、フラボノイドを豊富に含む色とりどりの食品を摂取する人は慢性疾患のリスクを大幅に低減し、寿命を延ばす可能性があることがわかりました。
1日あたり約500mgのフラボノイド摂取は、全死亡リスクの16%低下、CVD、2型糖尿病、呼吸器疾患のリスクの約10%低下と関連しています。
今回のポイントは、お茶だけでフラボノイドを摂取するのではなく、フラボノイドを豊富に含む様々な食品を摂取した方が病気のリスクが低かったということです。
12万人以上を10年以上追跡調査した大規模な研究では、フラボノイドの量だけでなく、食事中のフラボノイドの多様性を高めると、2型糖尿病、心血管疾患(CVD)、がん、神経疾患などの健康状態の発症を予防できる可能性があることが分かりました。
【参考リンク】
- Tea, berries, dark chocolate and apples could lead to a longer life span, study shows(edith cowan university)
- Parmenter, B.H., Thompson, A.S., Bondonno, N.P. et al. High diversity of dietary flavonoid intake is associated with a lower risk of all-cause mortality and major chronic diseases. Nat Food (2025). https://doi.org/10.1038/s43016-025-01176-1
■まとめ
Foods That May Lower Risk of Early Death Revealed(2025年6月2日、Newsweek)で紹介されている人間のパフォーマンス科学者であり長寿の専門家であるマーク・コヴァックスさんによれば、「ベリー類は脳の健康をサポートし、酸化ストレスを軽減し、生物学的老化を遅らせる可能性がある」ということで慢性疾患のリスクを抑えるための食品の一つにベリー類(ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー)をおすすめしています。
また、多様なフラボノイドを含む食品を摂るといいということなので、お茶、ブルーベリー、イチゴ、オレンジ、リンゴ、ブドウ、ダークチョコレートなどを摂っていきましょう!
→ 【予約販売】有機JAS 冷凍ブルーベリー 500g(長崎県産)【大粒】【産直便】 3,780円(税込) の予約注文はこちら
【補足】
■概要
この論文は、食事で摂るフラボノイドという成分の「量」と「種類の多様性」が、健康や寿命にどう影響するかを調べた研究です。
フラボノイドは、果物や野菜、お茶、ワインなどに含まれる健康に良い成分で、抗酸化や抗炎症などの効果があります。
英国の124,805人を対象に、フラボノイドを多く、かつ多様な種類を摂取する人は、死亡リスクや心臓病、糖尿病、がんなどの慢性疾患のリスクが下がるかを調べました。
■主なポイント
●フラボノイドとは?
フラボノイドは、果物(ベリー、リンゴ、オレンジ、ブドウなど)、野菜、ナッツ、お茶、ワインなどに含まれる成分。
種類はフラボノール、アントシアニン、フラバン-3-オールなどがあり、それぞれ健康に異なる良い効果をもたらします。
■研究の方法
英国バイオバンクの124,805人(40歳以上、約56%が女性)を対象に、約9~10年間追跡。
食事から摂るフラボノイドの「量」(1日平均792mg)と「多様性」(1日約9.4種類)を測定。
主な摂取源はお茶(67%)、リンゴ、赤ワイン、ブドウ、ベリー類など。
■主な結果
死亡リスクと慢性疾患の減少:
フラボノイドを多様な種類で摂取する人は、死亡リスクが14%、心臓病リスクが10%、2型糖尿病リスクが20%、がんリスクが8%、呼吸器疾患リスクが8%下がった。
神経変性疾患(アルツハイマーなど)には明確な効果は見られなかった。
量と多様性の両方が大事:
量だけ多くても、多様性だけ高くても効果はあるが、両方を組み合わせるとさらに健康に良い。
食品の例:
多様な摂取をする人は、お茶だけでなく、ベリー類、リンゴ、ブドウ、オレンジなどをバランスよく食べていた。
■なぜ多様性が大事?
異なるフラボノイドは、血圧を下げたり、炎症を抑えたり、がん細胞の増殖を防いだり、それぞれ独自の効果を持つ。
多様な種類を摂ることで、色々な健康効果が重なり、全体のリスクがより大きく下がる。
■実際の生活でのアドバイス
毎日、お茶、ベリー類、リンゴ、オレンジ、ブドウなど、フラボノイドが多い食品を数種類食べるのがおすすめ。
シンプルな食生活の変化で、寿命を延ばしたり、病気リスクを減らしたりできる可能性がある。
■研究の限界
観察研究なので、因果関係(フラボノイドが直接リスクを下げるのか)は証明できない。
食事データは自己申告なので、正確さに欠ける場合も。
対象が英国人で、年齢や健康状態が偏っているため、他の国や人に当てはまるかは追加の研究が必要。
■結論
この研究は、フラボノイドを「たくさん」かつ「色々な種類」で摂ることが、死亡リスクや心臓病、糖尿病、がん、呼吸器疾患のリスクを下げるのに役立つと示しています。
お茶や果物を毎日数種類食べるといった簡単な習慣で、健康を大きく改善できるかもしれません。
【関連記事】