Threadsに次の投稿をしたんですが、コメントがたくさん来ています。
磯野貴理子さんが「もう使われていない田んぼを借りて、農薬を使わずにお米をつくります」というニュースを見て「農薬を使わずに米はできない」というコメントを見ました。磯野貴理子さんは過去に脳梗塞を患って健康を意識しているはずで、無農薬で作ることは確かに難しいことですが、実際にやっていらっしゃる農家さんもいるので、大変だとは思いますが、チャレンジを成功させてほしいですね。
この投稿に関してコメントを大きく分けると2つ。
1)無農薬でもできます
2)無農薬でも作っていいけど、周りの田んぼに迷惑が掛からないようにしてほしい
無農薬でもできるけど、大変だし、収量が少なくなってしまうという意見と、農薬なしでは周りの田んぼに迷惑が掛かってしまうよというコメントが来ていました。
ハウス食品が“幼児向け食品”を自主回収 調味料の原料に“基準値超え農薬”…… 「申し訳ございません」(2025年6月27日、ねとらぼ)によれば、ハウス食品は、販売する幼児向け食品に、残留農薬基準値を超えたソラマメから製造した味噌原料が含まれていたとして、「(農薬の)検出量は極めて微量であることから、喫食しても健康被害につながる可能性は極めて小さいと考えられる」が商品を自主回収すると発表しています。
このニュースを見てモヤモヤとしたものがあって、残留農薬基準値超えはやはり体には心配なのではないかということなんです。
農薬を使わないと雑草とか虫が多くて収量が少なくなって農業をするのは難しいという意見はわかります。
ただできるだけ農薬を使ったものを食べたくないという気持ちも皆さんあるはずです。
それは何となく体に悪いものという認識があるからでしょう。
特に自分が小さい子供を抱えている親だとしたら、基準値超えの農薬が原料に含まれている幼児向け食品に対して心配すると思います。
キューピー、育児食(ベビーフード・幼児食)販売終了へ:子育て世代への影響と背景について書いたときに、安心して選べる育児食(ベビーフード・幼児食)がなくなるというのは親にとってすごくショックなんだとわかりました。
でもそれっておかしくて、子供に限らず大人にとっても安心できる食べ物を食べたいというのは当然ですよね。
結局これって誰かが悪いわけじゃなくて、自分が正しいと思うことを代弁すると、いざこざの素となってしまうのだなぁと思うんです。
自分は安心できるものを食べたいから、無農薬で作りたいという思いと、無農薬で作ると周りの田んぼに迷惑がかかるという思い。
有機農家の方に尋ねたら、農薬は悪い菌をやっつけるけど、良い菌もやっつけちゃうんで土地が弱いから、ある時は自分のところの作物だけが良くて、近くのところの作物がうまくとられなかったため、妬みがあったりしたそうです。
またほかの農家の方に尋ねると、虫がいない高地で育てているので大丈夫だと聞いたこともあり、必ずしも農薬をしないといけないわけじゃなくて、どんな環境で育てているかというのも聞いてみないと、話がこんがらがってしまいます。
このあたりがどうもモヤモヤしちゃうんです。
【補足】Grokに尋ねてみた!
Q. 無農薬で稲作をすると田んぼに虫や病気が発生した時に近くの田畑に迷惑がかかるという意見があったのですが、それは本当ですか?論文や研究をベースに調べたいです。ちなみに何もしていない田んぼでも同様に虫や病気は発生しないものなのでしょうか?その場合は常に近くの田畑に迷惑が掛かってしまうのではないでしょうか?
A. 無農薬稲作における虫や病気の発生が近隣の田畑に迷惑をかけるかどうか、また管理されていない田んぼでの虫や病気の発生状況について、論文や研究に基づいて回答します。以下、質問ごとに整理して説明します。
1. 無農薬稲作が近隣の田畑に迷惑をかけるか?
無農薬稲作では、化学農薬を使用しないため、害虫や病気の発生リスクが一般的に高まると考えられています。特に、稲作において問題となる害虫(ウンカ、ヨコバイ、カメムシなど)や病気(いもち病、紋枯病など)が管理不足により増殖し、近隣の田畑に拡散する可能性が指摘されています。以下に、関連する研究や情報に基づいた考察を示します。
害虫の拡散リスク
農林水産省の情報によると、稲の害虫にはウンカやヨコバイ、カメムシなどが含まれ、これらは葉や茎から汁を吸い、ウイルス病を媒介する可能性があります。無農薬栽培では、これらの害虫を防除するための化学農薬を使用しないため、害虫の個体数が増加する可能性があります。特に、ウンカやヨコバイは繁殖力が高く、田んぼの一部を枯らすほどの被害を引き起こすことがあり、歴史的には大飢饉の原因にもなったとされています。これらの害虫が風や移動によって近隣の田畑に拡散するリスクは、理論上存在します。
例えば、Xの投稿では、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が無農薬の田んぼで増殖し、近隣の水田に影響を及ぼす可能性が指摘されています。ジャンボタニシは稲を食害し、田んぼの水路を通じて近隣に拡散する可能性があるため、無農薬栽培では特に注意深い管理が必要とされています。
病気の拡散リスク
稲の病気(例:いもち病、紋枯病)は、湿度や温度条件が揃うと発生しやすく、胞子が風や水を介して拡散します。無農薬栽培では、予防的な殺菌剤の散布が行われないため、病気が発生した場合に広がりやすくなる可能性があります。農研機構の研究では、病害虫の発生状況をモニタリングし、地域ごとの注意喚起を行う仕組みが紹介されていますが、無農薬田んぼでの病気の管理が不十分だと、近隣への影響が懸念されます。
研究に基づく証拠
日本植物防疫協会の調査報告では、農薬を使用しない場合の病害虫被害について、農作物の収量や品質が低下する可能性が示されていますが、近隣への直接的な影響に関する具体的なデータは限定的です。ただし、害虫や病原体の生態を考慮すると、密度依存的な拡散(害虫の個体数が増えると移動範囲が広がる)や風媒・水媒による病原体の拡散が起こり得ると考えられます。
また、千葉大学の野村昌史教授の研究では、総合的害虫管理(IPM)として天敵昆虫や物理的防除を用いることで、化学農薬に頼らず害虫を管理する方法が提案されています。これにより、害虫の拡散リスクを軽減できる可能性がありますが、無農薬栽培ではこうした代替手段の導入が不十分な場合、近隣への影響が大きくなる可能性があります。
近隣への迷惑に関する結論
無農薬稲作が近隣の田畑に迷惑をかける可能性は、害虫や病気の管理が不十分な場合に存在します。特に、ジャンボタニシやウンカのような移動性の高い害虫や、風媒で広がるいもち病などの病気が問題となる場合があります。ただし、適切な管理(例:防虫ネット、天敵利用、合鴨農法など)を行えば、こうしたリスクは軽減可能です。したがって、無農薬稲作そのものが必ずしも近隣に迷惑をかけるわけではなく、管理の質が大きく影響します。
2. 何もしていない田んぼでの虫や病気の発生状況
管理されていない(放置された)田んぼでも、害虫や病気の発生は起こり得ますが、その状況は無農薬で管理された田んぼとは異なる要因で決まります。
放置田んぼでの害虫・病気
放置された田んぼは、雑草や害虫の隠れ場所となりやすく、害虫の繁殖や病原体の温床となる可能性があります。例えば、雑草は害虫の生息場所を提供し、ウンカやヨコバイのような害虫が繁殖しやすくなります。また、放置された水田では水管理が不十分なため、いもち病などの病気が発生しやすい環境(高温多湿)が形成される可能性があります。
農研機構の研究では、害虫や病気の発生は地域の気候や環境に依存し、放置された田んぼが害虫の発生源となるケースが報告されています。特に、ジャンボタニシは放置された水田で繁殖しやすく、近隣の水田に拡散するリスクが高いとされています。
無農薬管理田んぼとの違い
無農薬で管理された田んぼでは、合鴨農法や防虫ネット、天敵昆虫の利用など、害虫や病気を抑える代替手段が導入される場合があります。これに対し、放置された田んぼではこうした管理が行われないため、害虫や病気のコントロールが全く行われず、結果として近隣への影響が大きくなる可能性があります。
また、放置田んぼでは稲が適切に育たないため、害虫が好む弱った植物や糖分を多く含む葉が少ない場合、害虫の発生が抑えられるケースもあります。しかし、これは環境や害虫の種類に依存するため、一概に「放置田んぼで害虫が発生しない」とは言えません。
近隣への影響
放置された田んぼは、無農薬で管理された田んぼよりも害虫や病気の発生源となるリスクが高い場合があります。特に、雑草や水管理の不足により、害虫の繁殖地や病原体の温床となり、近隣の田畑に影響を及ぼす可能性が指摘されています。Xの投稿でも、ジャンボタニシが放置田んぼから拡散し、近隣の水田に被害を与える例が示唆されています。したがって、放置田んぼは常に近隣に迷惑をかける可能性があり、無農薬管理田んぼよりもリスクが高い場合があります。
3. 総合的な考察と管理の重要性
無農薬稲作の管理
無農薬稲作では、害虫や病気のリスクを軽減するために、以下のような管理が推奨されます:
合鴨農法:合鴨が雑草や害虫を食べ、肥料にもなるため、害虫の拡散リスクを低減します。
防虫ネットや物理的防除:害虫の侵入を防ぎ、近隣への拡散を抑制します。
天敵昆虫の利用:クモやトンボ、カマバチなどの天敵を活用して害虫を管理します。
土壌管理:適切な肥料管理により、稲を健康に育て、害虫が好む弱った植物を減らします。
これらの方法を組み合わせることで、無農薬稲作でも近隣への影響を最小限に抑えることが可能です。
放置田んぼの問題
放置された田んぼは、害虫や病気の発生源となりやすく、近隣への影響が無農薬管理田んぼよりも大きい場合があります。放置田んぼの管理(例:定期的な草刈りや水管理)を行うことで、リスクを軽減できます。
地域全体での協力
害虫や病気の拡散は、地域全体の農業環境に影響するため、無農薬農家と近隣農家が協力してモニタリングや情報共有を行うことが重要です。農研機構のAI病虫害画像診断システムのような技術を活用することで、地域全体での害虫・病気管理が向上する可能性があります。
結論
無農薬稲作の近隣への影響:無農薬稲作は、適切な管理が欠如すると害虫や病気が増殖し、近隣の田畑に迷惑をかける可能性があります。しかし、合鴨農法や天敵利用などの代替手段を適切に導入すれば、リスクは軽減可能です。
放置田んぼの影響:管理されていない田んぼは、雑草や害虫の繁殖地となりやすく、無農薬管理田んぼよりも近隣への影響が大きい場合があります。害虫や病気の発生は環境に依存しますが、放置状態ではコントロールが難しいため、リスクが高まります。
推奨事項:無農薬稲作を行う場合は、害虫・病気のモニタリングと管理を徹底し、近隣農家との情報共有を行うことが重要です。放置田んぼについても、定期的な管理を行うことで近隣への影響を抑えられます。
参考文献
農林水産省:稲の害虫と天敵に関する情報、病害虫防除情報
農研機構:AI病虫害画像診断システム
日本植物防疫協会:農薬不使用時の病害虫被害調査
千葉大学 野村昌史教授:総合的害虫管理研究