コカ・コーラの甘味料「本物のサトウキビ糖」に トランプ氏(2025年7月17日、AFP)によれば、トランプ政権では「MAHA=Make America Healthy Again(アメリカを再び健康に)」をスローガンの一つに掲げて、合成着色料や人工甘味料を問題視しており、トランプ大統領はコカ・コーラに高果糖コーンシロップ(HFCS)ではなく本物のサトウキビ糖を使用することに合意したと発表しました。
背景には、加工食品やワクチン過剰接種が子どもの健康損ねる恐れ=米MAHA報告書(2025年5月23日、ロイター)によれば、MAHA報告書で、アメリカの子供たちの太りすぎや糖尿病、がん、精神疾患、アレルギー、自閉症などが増えているのは国家的危機と主張し、「超加工食品危機」に最優先で取り組み、子供たちの食べ物を改善していくことにあります。
世界的な食生活は、比較的安価で、非常に美味しく、すぐに食べられる超加工食品((ultra-processed foods;UPFs))がますます主流になりつつあり、アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?で紹介した英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、米国人は摂取するカロリーの58%、砂糖の90%を清涼飲料水やシリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、袋入りのスナック類、その他の菓子類、デザート類、再構成肉(チキンナゲットなどの材料)、即席めん類、スープなどの「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。
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こうしたことが社会問題となり、解決するための方法の一つとして、社会で健康的なライフスタイルにシフトチェンジしようという動きが出ています。
「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルで紹介しましたが、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうで、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。
また、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多い足立区では、区民が「自然と」健康になるようにする対策として、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたことにより、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。
健康の問題はその人個人の自己責任というのは簡単ですが、自分を律するというのは大変難しいもの。
「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。
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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。
例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。
健康は大事とはわかっていても、セルフ・コントロールは消耗資源であり、毎日疲れている人が自分の健康のために食材一つ一つを吟味するというのは難しく、結果的にいつもと同じものを選んでしまうわけです。
トランプ政権がより健康的なものを選択するように企業に働きかけるというのは、健康の問題を自己責任とするのではなく、個人が意識的に健康的な生活習慣を選ぶという時代から、自然と選んでいるものが健康的なものという時代に変えていく方向に進んでいるということではないでしょうか?(もちろんコストは高くなるものの、それによって健康的な人が増えれば結果的に医療費が下がることも期待しているのではないでしょうか?)
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