謎ニキビ・蕁麻疹の原因はヒスタミン不耐症?発酵食品・青魚・保存肉が意外な落とし穴




SNSの投稿の中で気になったのが「ヒスタミン不耐症」という言葉。

発酵食品や青魚、保存肉(加工肉)を食べるとニキビや蕁麻疹ができる人はヒスタミン不耐症だという投稿がありました。

【参考リンク】

ヒスタミン不耐症(Histamine Intolerance: HIT)について調べてみたところ、公式の診断としては認められてはいないようです。

その理由としては、その症状が本当にヒスタミンの摂取によるものか、それとも他の疾患(IBS、慢性蕁麻疹、アレルギー、SIBO;(シーボ:小腸内細菌異常増殖症)とは、本来は大腸に多く存在するはずの腸内細菌が、小腸内で異常に増殖してしまう病気など)の可能性が高いケースが多いためです。

正式な病名ではないにしても、興味深いのは、発酵食品、青魚といった比較的健康的な食材として紹介されていることが多いものにヒスタミンが多いという点です。

そこで、なぜ発酵食品・青魚・長期保存の肉にヒスタミンが多いのか調べてみました。

■ヒスタミンとは?ヒスタミンの多い食品

発酵食品・青魚・長期保存の肉にヒスタミンが多い主な理由は、 細菌がアミノ酸のヒスチジンをヒスタミンに変換するためです。

【参考文献】

ヒスタミンは、食品中のヒスチジン(必須アミノ酸の一つ)が、ヒスタミン生成菌(例: Enterobacteriaceae、Lactobacillus属の一部、Morganellaなど)の持つヒスチジン脱炭酸酵素によって分解されて生成されます。

新鮮な食品ではほとんどヒスタミンがありませんが、時間が経つ・加工する・発酵させると蓄積します。

1. 発酵食品(味噌・醤油・納豆・キムチ・チーズ・ワイン・ヨーグルトなど)

発酵プロセスで意図的に乳酸菌などの微生物を増やします。これらの菌がヒスチジンをヒスタミンに変換します。

発酵期間が長いほど、または熟成が進むほどヒスタミン量が増えます(例: 長期熟成チーズや赤ワイン)。

2. 青魚(サバ・イワシ・サンマ・マグロ・ブリなど)

これらの魚はヒスチジン含有量が特に多い(赤身魚の特徴)です。

漁獲後、温度管理が悪いと海水由来のヒスタミン生成菌が急速に増殖し、ヒスタミンを産生します。

鮮度が落ちる(保存中・解凍後)と急増。

缶詰・干物・加工品になるとさらに蓄積しやすいです。

3. 保存肉(ハム・ソーセージ・ベーコン・熟成肉・干し肉など)

加工・熟成・乾燥・発酵の過程で細菌が活発になり、肉中のヒスチジンがヒスタミンに変わります。

長期保存・室温放置・pH変化が菌の増殖を助けます。発酵ソーセージなどは特に高くなりやすいです。

■【補足】トマトやほうれん草などの野菜も意外と要注意

仮性(偽性)アレルゲンとは、本物のアレルギー(IgE介在性アレルギー)ではないが、アレルギー様症状(蕁麻疹、かゆみ、赤み、ニキビ様発疹など)を起こしやすい物質・食品のこと。

直接ヒスタミン放出を促す(マスト細胞からヒスタミンを解放)→ヒスタミン分解酵素(DAOなど)を阻害する→食品自体にヒスタミンやヒスタミン類似物質を含む

●トマト・ナス・ほうれん草(ヒスタミン自体やヒスタミン放出促進物質を含む)。
●アボカド・キウイ・イチゴ・パイナップル:特にサリチル酸やアミン類が多く、ヒスタミン関連反応を誘発しやすい。

これらは新鮮でも比較的ヒスタミン量が多い、またはヒスタミン放出を促すため、ヒスタミン不耐症や偽性アレルギーの人に症状が出やすいそうです。

まとめると、ポイントとなるのは「新鮮さ」。

新鮮なものと保存・加工ではヒスタミン量が違うので、同じ食品であっても、新鮮な魚やお肉、野菜などは比較的安心して食べてOKですね。

今までの食生活で、謎ニキビや蕁麻疹が出てきたタイミングと先ほど紹介した避けた方がいい食べ物をチェックしてみて、重なる部分が多い場合には、発酵・熟成・加工品全般(特に長期保存)を避けてみる「低ヒスタミン食」を試してみるといいのではないでしょうか?

■まとめ

ヒスタミン不耐症の報告される症状に皮膚関連(蕁麻疹、湿疹、かゆみ、ニキビ様発疹)が含まれ、アトピー患者で重なりやすいと言われます。

ヒスタミンが皮膚の炎症を助長する可能性はあるとすれば、アトピー患者の方にヒスタミンの量が少ない食品(≒新鮮な食品)を食べることで皮膚の症状が出にくくなるかという研究が行われて、改善が見込まれるのであれば、良い食事療法になるかもしれません。

気になる点が一つ。

低体温を改善するポカポカ術・ホットスムージーの作り方|#世界一受けたい授業によれば、ヒスタミンは体の熱を生み出すスイッチを入れ、体を温める効果があるそうです。

ヒスタミンには体の熱を生み出すスイッチを入れる効果があるとして、その熱をうまく発散できない症状として謎ニキビや蕁麻疹の症状として表れているのだとしたら、熱をうまく逃がすこと(熱産生と熱放散のバランスをとる)こそが本当の解決方法なのかもしれないと感じました。

ヒスタミンが「熱を生み出すスイッチ」で血管拡張・炎症反応を引き起こしている一方で、熱の放散が追いつかないと、皮膚の炎症(蕁麻疹、ニキビ様発疹、赤み)として現れるとは考えられないでしょうか?

皮膚科の治療で抗ヒスタミン薬「ビラノア」と「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」を処方された経験があるのですが、越婢加朮湯には熱を冷まし、余分な水分を排出する作用があります。

そう考えると、低ヒスタミン食でヒスタミンの「入力」を減らすだけでなく、体内の熱を排出・コントロールしたり、ヒスタミンが過剰な場合には抗ヒスタミン薬を使うというのが皮膚科のお医者さんが考えた治療のアプローチだったのでしょうね。







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