90%の言語が消失の危険性、米専門家が指摘|米ペンシルベニア州立大学


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by Maria Grazia Montagnari(画像:Creative Commons)




90%の言語が消失の危険性、米専門家が指摘―英紙

(2012/5/11、レコードチャイナ)

2012年5月9日、英デイリー・メール紙によると、これまで以上に環境保護を行わなければ21世紀末には全世界の50~90%の言語が消失してしまう恐れがあると、米ペンシルベニア州立大学の研究者が警告している。国際在線が伝えた。

米ペンシルベニア州立大学の研究者によれば、全世界の90%の言語が消失してしまう恐れがあり、その原因が環境悪化にあるそうです。

現在、全世界の言語の70%は生物多様性の高い地域に分布しているが、そうした地域の多くは環境悪化が深刻だという。

ペンシルベニア州立大学の研究者が35カ所の地域を比較調査したところ、そうした地域は地球上の面積に占める割合が2.3%にすぎないものの、コケ類や藻類を除いた陸上植物の半数以上、脊椎動物の43%が集まっていることが明らかになった。

これらの地域には3202種類の言語が存在し、地球上の全言語の約半数を占めるが、多くは特定地域でのみ使用され、話者が減少の一途をたどっており、消失のふちにあることも判明した。

この記事には、環境悪化と言語の消失の問題の関連について詳しく書かれていませんが、環境が悪化すると、植物や動物が生きていけない=つまりは人間も生きることができないということなのだろうと思います。

また、「天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界」(著:ダニエル・タメット)によれば、少数民族の言語は劣ったもの、野蛮なもの、と歴史的に考えられてきたことが、世界中の多くの言語の話者が壊滅的に減少した理由の一つであると書かれており、言語が消失している理由としては幾つかの要因が重なっているようです。

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■言語が消失するということ

言語が失われるということは、世界にどのような影響をあたえるのでしょうか。

言語が失われればそれに関連する文化、地域の伝統や価値観も失われることになり、固有の言語や文化の代わりに工業化されたグローバル言語やグローバル文化が普及すると予測され、専門家は楽観できない状況にあると指摘している。

言語が失われると、その地域の文化や価値観が失われることを意味します。

「天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界」(著:ダニエル・タメット)に書かれているMITの言語学者だった故ケン・ヘールは言語の喪失についてこう語っています。

MITの言語学者だった故ケン・ヘールは「言語の喪失は、この世界が被っているはるかに大きな喪失、つまり、あらゆる事柄に備わっている多様性の喪失の一部なのである」と述べた。

言語が消失するということは、世界から多様性が失われるということです。

私は、多様性はクリエイティビティに欠かせないものの一つだと思っているので、言語が消失するという状況が続けば、世界からクリエイティビティが失われてしまうかもしれません。