なぜ、LINEなどのコミュニケーションアプリを使うと、学力が下がるのか?





■なぜ、LINEなどのコミュニケーションアプリを使うと、学力が下がるのか?

"Texting My Man"

by Cubmundo(画像:Creative Commons)

LINEは学力を下げる? 長時間のアプリ使用、睡眠・学習時間不足より強い影響 東北大調査

(2015/3/20、itmediaニュース)

東北大学は3月19日、LINEなどの無料通信アプリの長時間使用が、睡眠時間や学習時間の不足より大きく学力低下に影響を与えると発見したとする調査資料を発表した。「スマホ/携帯の使用時間はどんなに長くても1時間以内に抑えるべき」と啓発している。

このニュースを初めて読んだときは、コミュニケーションアプリを長時間使用したことによって、睡眠時間や学習時間が不足したことによって学力低下に影響しているのだから、コミュニケーションアプリの問題ではないでしょうと思いました。

しかし、詳しく読むと、コミュニケーションアプリの使用自体が成績を下げる影響があるのではないかと考えられるそうです。

平日1日当たりの通信アプリの使用時間は、勉強時間や睡眠時間の短さによる学力低下への影響力よりも強かった。通信アプリの使用で勉強や睡眠の時間が減った結果として成績が下がるのではなく、通信アプリが直接的に成績を下げる方向に作用している可能性があり、「分析を行った研究チームとしても、非常に衝撃的な結果」としている。

一つ考えたのは、コミュニケーションアプリでメッセージのやりとりをする実際の時間はそれほど長くなくても、頭の片隅でそのやりとりについて考えてしまっているため、集中力が欠けてしまっているのではないでしょうか。

「一緒にいてもスマホ」(著:シェリー・タークル)によれば、マルチタスクをすると、たとえ作業能率が悪化していなくても、時間が長くかかってしまうそうです。

一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF―

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マルチタスクをしているつもりでも、実際には脳が1つのことから次のことへと目まぐるしく移動して、新しいタスクを混入させるたびに、私たちの遂行能力は落ちていく。マルチタスクによって私たちは神経科学的にハイになるため、どんどん効率が上がっていくように思えるが、その実、効率は悪化する一方なのだ。p276

【参考リンク】

もうひとつ考えたのは、ネット漬け生活でポップコーン脳に?!によれば、人間の脳は手っ取り早く得られる快感と迅速性、テクノロジーの予測不可能性を求める仕組みになっているため、継続的に刺激が得られるネットに依存するそうで、学習による刺激よりも、コミュニケーションアプリでのやりとりによる刺激が強いため、脳に学習の記憶が残りにくくなるのではないでしょうか。

■まとめ

「なぜ、コミュニケーションアプリを使うと、学力が下がるのか?」

その原因をぜひ突き止めてほしいですね。







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【追記(2015/5/27)】

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、デジタル認知症とは、スマホやタブレットに依存しすぎることによって、次のような症状が出ることを言うそうです。

  • 書けたはずの字が書けない
  • 昨日食べたものを忘れる
  • 自宅の電話番号、人の名前が思い出せないなど物忘れがひどくなる

現時点では、デジタル認知症は正式な病気ではなく、まだまだ分かっていないことが多いそうですが、「なぜ、コミュニケーションアプリを使うと、学力が下がるのか?」の謎を解明する鍵の一つとして考えられるのではないでしょうか。

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